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日本再興戦略 落合陽一

現在の日本は自虐的な批評に飽きて自信を喪失している状態だと
著者は指摘している。そもそも日本は国策によって急激に近代化
を果たした国です。明治以降手本にしたのが欧米型、明治維新で
は欧州、1945年以降は米国主導で戦勝国型を手本して国をつく
っていた。それを見直そうというのがこの本の趣旨です。
我々は一体何を継承してきて何を継承していないのか、それを
正確に把握したうえで今後勃興してくるテクノロジーとの親和性
を考えて日本を再興する。テクノロジーによって知を外在化し
生活を拡張し、人間それ自体の自己認識を更新し続けてきた。

高度経済成長の正体は均一な教育、住宅ローン、マスメディアに
よる消費者購買行動の3点セットだった。日本はイノベーティブ
ではない、一人当たりの生産性が低いという話ばかりですが、
それは当たり前で人に言われたことをやるのに特化して、新しい
ことを始めるのに特化していないからだ。それは近代的工業生産
社会では優位に立てた。教育・研究・経営・アートの全てに影響
を与えるのがテクノロジーである。AI・AR・VR・5G・ブロック
チェーンテクノロジーはこれから世界を大きく変えていきます。
自動翻訳・自動運転そしてそれらが5Gでつながる世界である。

日本の歴史と伝統を冷静に見ると、欧州式の概念の中には日本に
合わないものが多い。平等と公平の概念。日本は公平、フェアで
あることは意識しますが、平等であることはあまり意識しない。
平等とは対象があって権利は一様であるということである。
日本人に向いていないものは西洋的な個人、近代的個人です。
西洋的思想の根底にあるのは個人が神を目指す、全能性近づいて
いく思想である。それに対して東洋的思想は自然です。日本人は
どこまでいっても自然の中にある同質性、均質性にひもづいて
いる。AIでどの職業がくいっぱぐれるかではなく、我々はコミ
ュニティをどう変えたら次の産業革命を乗り越えられるかである。
日本に大事なのはコミュニティであり、複数のコミュニティに
所属し、そのコミュニティを自由に変えられることである。

現在の日本は工業的な生産様式をITやイノベーションに向いた
生産形式へと変えるべきである。イノベーション×ソフトウエア
はシリコンバレー、イノベーション×生産設備は中国深圳、
イノベーション×文化はフランス。日本が大きな社会変革を
起こせなかった2つの原因は伝統的な企業が強かった。あと
日本人の昭和的均質の意識のままだった。日本は製造が得意な
大きな会社があってエコシステムを統治していて、ソフトウェア
やプラットフォームに特化した小さな会社がのっていく、小さな
会社がどんどん生まれてイノベーションを起こしていくエコ
システムをつくらないといけない。

日本の統治構造は天皇に権力を集中させるのではなく、天皇と
いう統治者と官僚という執行者に分けた方が国が治まると考えた。
また徳川的世界の分割統治・地方自治スタイルは日本に合って
おり地域ごとに通貨が生まれ文化も栄えた。士農工商のカースト
制度は日本には合っている。士は産業創造者、政策決定者であり
農が一般生産者、一般業務従事者、工がアーティスト、専門家
商が金融商品や会計を扱う仕事をする人。百姓という百の職業
を持っている人で多動力というのは時代に合っている。
日本はメディアによる影響で超拝金主義です。これを脱するため
には欧州のように社会に価値を生み出している博士やアーティスト
への尊敬を取り戻す。ものづくりへのリスペクトを回復させる
ことである。文化的価値や職人芸を認める文化である。
日本は技法のミーム(習慣・技能・物語)が根付いた国ある。
拝金主義を変えるのは文化であり、美意識であり、その基盤と
なる教育である。

日本の少子高齢化はチャンスである。自由化・省人化による
打ちこわしが起きない。2つ目は少子高齢化が早く進む分、高齢化
社会に向けた実験を行え、それを輸出できる。3つ目は教育投資を
多くかけることができる。日本は機械化と省人化がキーになる。
またブロックチェーンテクノロジはポイントカードのようなもの
で、トークンエコノミーという。ICOという上場方法で各地方で
トークンを発行すれば独自の経済圏をつくることができる。
これはビジョンと戦略と実行力ある自治体ほど株価があがると
いうふるさと納税のアップデート版になる。これは経済の形
産業の形を変えていく。これはシリコンバレーによる搾取の
終わりになる。日本がデジタル化社会で苦しんでいた理由は
ソフトウェアのプラットフォームを取れなかったことである。
ローカルな経済圏をつくるための武器がブロックチェーン化で
あり、トークンエコノミー化である。

新しい日本で必要な能力はポートフォリオマネジメントと
金融的投資能力である。あらゆる人が職業のポートフォリオ
を組みながら暮らしていく。複数の職業を持ち、どこをコスト
とするか、どこを利益を生むものにするかマネジメントしない
といけない。金融投資能力とは何に張るべきか、時代感覚を
掴む能力である。これからは自動翻訳技術が向上するので
英語より日本語でロジカルに話せることが大切になる。
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米中覇権戦争残酷な未来透視図 三橋貴明

覇権国とは現実の国際政治や外交において他国を圧倒する力
特に軍事力を保有する国家であると考えられている。
覇権国には2種類ある。軍事力を強化し、他国を軍隊で侵略する
ことで支配領域を拡大する覇権国と経済力を高めることで経済
ルールの決定力を持った覇権国である。経済力とはカネの量では
ない。モノやサービスを生産することこそが経済力である。
現在グローバリズム(第二次グローバリズム)の覇権国はアメリカ
合衆国である。アメリカ合衆国は軍事力で支配領域を広げるの
ではなく、経済力によって覇権を握った。アメリカは世界最強の
軍事大国であるが、当初、米国は軍事大国ではなかった。
経済力を強化することで覇権を握り、大戦に参加することで戦争
の需要が高まったときに一気に軍事力を拡大する歴史を繰り返し
てきた。

封建制を経験し、議会制民主主義や資本主義を自然に進化させて
きた地域については第一地域という。日本、イギリス、オランダ、
フランス、ドイツ、アメリカなどである。民主主義を成立させるため
には国民意識、ナショナリズムが不可欠になる。ナショナリズムを
維持できるだけの狭い国土でなければ安定した民主主義は成立
しにくい。第二の地域はユーラシアステップの乾燥帯周辺で発展
した大帝国である。封建制は導入されない、権力は1人の君主に
集中。手足となる官僚組織を活用して、膨大な人民を兵士として
動員。侵略戦争を繰り返して領土を拡大していく。第二地域の
帝国は民族や宗教、言語とは無関係に領土を拡大していく。
多民族国家を支配するために帝国はますます強権化し、
専制君主たる皇帝の権力も強化されていく。権力の源泉である
軍事力をひたすら強化し、人民は全て皇帝の所有物になる。
皇帝1人では支配領域を管理することはできない。官僚が差配
するわけだが、官僚腐敗が深刻化する。賄賂社会になる。
他民族国家なのでナショナリズムは醸成されようもなく
言論の自由もない。私有財産も認められない。
征服された地域はナショナリズムを持ち続け遠心力として機能
する。その状況で言論の自由を認めたら、独立運動、軍閥の割拠
帝国は分裂、瓦解へ向かう。

現在第一地域の代表がアメリカである。第二地域がロシアである。
中国は第二地域であるが、第一地域つまり資本主義を導入し、
経済ルールを設定する経済覇権を目指している。
世界各地にシーレーンを確保すべく債務の罠などで港湾を確保。
中国製造2025で製造工程の上流から下流まですべて中国で
という戦略を掲げる。中国共産党というキメラが誕生しようと
している。

生産性向上のためには人手不足(=インフレギャップ)、生産性
向上のための投資が起きる。これが不可欠になる。
設備投資、人材投資、公共投資、技術投資の4つが生産性を
高める。人手不足を中心とする供給能力不足、インフレギャップ
を生産性向上の投資によって埋める。生産性が向上した分、
労働者の実質賃金は上昇し、国民は豊かになっていく。
生産性向上でインフレギャップを埋めると国民は豊かになる。

日本国が日本国として繁栄するために決してやってはいけないこと
は3つある。皇統の破壊、英語の公用化、そして移民の受け入れの
3つである。皇統と日本語と日本国民。この3つこそ、日本国の基盤
である。日本が日本でいるためにやってはいけないことがどれも
推し進める動きが見えてきた。

グローバリズムの目的は一貫している。小さな政府を目指すことだ。
政府を小さくする以上、必然、政府の規制や予算は可能な限り縮小
しなければならない。むしろ政府の役割を減らしていくことこそ、
グローバリズムの本質である。グローバリズムの政策は緊縮財政
規制緩和、自由貿易の3つのパッケージからなっている。

GDPとは総需要そのものである。生産、支出(需要)、所得の合計
で見た名目GDPである。日本はデフレーションという総需要不足
である。しかしながら、デフレ脱却を掲げた安倍政権は結局、緊縮
財政から逃れらず再デフレ化させることに成功した。
消費増税がなされた14年から18年に実質消費は低下し続け、
ついに18年には前年比7.6%も低下した。実質賃金の低下も
続いている。背景には日本政府の基本方針常に財政均衡主義
プライマリーバランスの黒字化路線であり、緊縮財政である。

それらは様々なところで影響がでている日本の将来を衰退に向
かわせる大学交付金の削減。日本の科学技術力は急激に弱まった
と科学技術白書に書かれる始末である。水道事業を外資に売り渡す
水道事業の民営化。安全な水を安く手に入れることができているのに
わざわざ水事業をビジネス化、金融化した。しかも災害復旧のリスク
は各自治体に押し付けるという水ビジネス事業者にとっては都合の
いいものである。食糧安保の基本である種子法も廃止。
安価で安定的な種子を提供する法律がなくされ、モンサントをはじめ
とする金儲けの道具になってしまった。カジノ法、電力の民営化、
土地売買の自由化などとにかく日本の公共財を食い物にするような
規制撤廃が行われている。

日本国民は選挙権、被選挙権を保有し、表向き日本国の主権者
ということになっている。だが現実には国民は主権を保持していない。
日本国の主権者は二人、つまり財務省とアメリカである。
アメリカに象徴されるグローバル資本である。
日本はまさしく緊縮至上主義であり、緊縮財政を推進するために
あらゆる手段をとってくる。結果的に日本国民が貧困化し、日本国が
小国化。デフレ継続で供給能力(経済力)が毀損し、発展途上国化
する日本が中国共産党の属国に落ちぶれたとしても財務省の緊縮
財政文化に従っただけなのである。

繰り返すが、インフレギャップ⇒生産性の向上⇒実質賃金の上昇
⇒消費投資の拡大⇒インフレギャップ。これが黄金の循環なので
ある。この循環を起こすには移民は入れないことが生産性向上を
もたらす。官民一丸となり今いる人間だけで何とかしようと投資を
蓄積することで生産性向上が達成されるのだ。一人当たりの生産量
が増えていく。ナショナリズムを醸成することで国家としての統一
性を保つ。言語(日本語)、民族(日本人)、象徴(天皇)が大切
なのである。

奇跡の経済教室 中野剛志

バブル崩壊後、20年30年経とうとしているが、日本経済は好転
しない。構造改革だの、競争戦略だの試行錯誤が行われたがむしろ
状況は悪くなった。なぜだろうか?話は単純で政府が経済政策に
失敗したからだ。それを理解し、何をすればいいのかわかるのが
この本である。

平成の日本経済が成長しなくなった最大の理由はデフレである。
デフレとは物価が下がり続ける=貨幣の価値が上がり続ける状態
である。貨幣の価値が上がり続ける状態では誰も支出したがらない
ので経済は成長しなくなる。経済成長にはマイルドなインフレ(貨幣
価値が下がり続ける状態)が必要である。

デフレとは需要不足/供給過剰が持続する状態である。
インフレとは需要過剰/供給不足が持続する状態である。
従ってインフレ対策とデフレ対策は正反対になる。
①インフレ対策 小さな政府、財政支出の削減、増税
金融引き締め、生産性向上、競争力強化(規制緩和、自由化、民営化
グローバル化)
②デフレ対策 大きな政府、財政支出の拡大、減税、金融緩和、産業
保護、労働者保護(規制強化、国有化、グローバル化の抑制)

新自由主義は本来インフレ対策のイデオロギーである。
デフレ対策のイデオロギーは民主社会主義。

平成日本はデフレ下にあったのに、新自由主義イデオロギーを信じ
インフレ対策(財政支出の削減、消費増税、規制緩和、自由化、民営化
グローバル化)をやり遂げた。当然の結果としてデフレ脱却できず経済
成長もできなくなった。

貨幣とは負債の特殊な形式である(信用貨幣論)

貨幣には現金通貨と預金通貨がある。預金(預金通貨)を創造するのは
銀行である。預金は銀行が貸し出しを行うと創造される。(信用創造)ので
あって銀行が預金を集めて貸し出すのではない。銀行の貸し出しは、銀行
が保有する資金量の制約を受けない。ただし、借り手の返済能力の制約は
受ける。借り手の資金需要が銀行による貨幣(預金)創造を可能にする。

現代貨幣論の貨幣理解のポイント。まず国家は国民に対して納税義務を
課し、通貨を納税手段とすることを法令で決める。すると国民は国家に通貨
を支払うことで納税義務を履行できるようになる。すると、通貨は国家に
課せられた義務を解消できるという価値を持つことになる。その価値ゆえに
通貨は国民に受け入れられ、財・サービスの取引や貯蓄など納税以外でも
広く使われるようになる。

量的緩和(マネタリー・ベースの増大)では貨幣供給量は増えない。
貨幣供給量を増やすの借り手の資金需要である。デフレ下で貨幣供給量
を増やすためには、政府が資金需要を拡大するしかない(財政出動)
財政政策こそ、貨幣供給量を操作する金融政策である。

財政に関する正しい理解(機能的財政論)
民間金融資産は、国債発行の制約とはならない。財政赤字は、それと同額
の民間貯蓄(預金)を生み出す。政府は自国通貨発行権を有するので
自国通貨建て国債が返済不能になることは理論上あり得ないし、歴史上も
例外ない。政府は企業や家計とは異なる。財政赤字の大きさ(対GDP比
政府債務残高など)は財政危機とは無関係である。財政赤字の大小を判断
するための基準はインフレ率である。インフレが過剰になれば、財政赤字は
縮小する必要がある。デフレであるということは、平成日本の財政赤字が
少なすぎるということ。税は財源確保の手段ではない。税は物価調整や
所得再分配など経済全体を調整するための手段である。

財政赤字を拡大しても、それだけでは金利は上昇しない。
デフレを脱却すれば金利は上昇するが、それはむしろ正常な状態である。
金利上昇は日銀の国債購入によって容易に抑制できる。

国内部門の収支+国内政府部門の収支+海外部門の収支=0
国内政府部門の赤字は国内民間部門+海外部門の黒字を意味する。
バブル期に政府債務が減ったのは、民間債務の過剰の裏返しである。

税収=税率×国民所得 政府は税率を自在に上げられるが、国民所得
は景気次第なので税収を思い通りにすることはできない。歳出削減や
増税はむしろ景気を悪化させるので税収を増やすことには失敗する。
財政健全化はやっても無駄であるし、デフレ下ではむしろやってはならない。

財政政策の目的は財政の健全化ではなくデフレ脱却など経済の健全化
でなければならない。

自由貿易が経済成長をもたらすとは限らないし、保護貿易の下で貿易が
拡大することがある。グローバリゼーションは避けられない歴史の流れなど
ではなく、国家政策によって抑制することができる。戦後日本の輸出依存度
は10~15%程度である。日本は内需大国であって貿易立国ではない。

主流派経済学は過去30年で進歩するのではなく退歩した。
主流派経済学者は一般均衡理論という、信用貨幣を想定していない非現実
的な理論を信じている閉鎖的な集団の一員である。

生産性向上だけを考えれば日本経済は大復活する 三橋貴明

先日逮捕されてしまった方がですが、その考え方は間違っていない
と思います。非常に論理が明快ですし、説得力があります。

政府の目的は経世済民である。
個人や企業といったミクロな経済主体はともかく、国民経済という
視点から見ると、お金はそれほど重要な存在ではない。
中央銀行は現金紙幣や日銀当座預金といったお金を発行する
ことができる。政府が国債を発行し、支出を増やしたとしても、供給
能力(=経済力)が十分あれば、インフレになりようがない。

インフレにならない以上、政府の国債発行と中央銀行の国債買取
を組み合わせ、国民所得拡大のために支出すればいいのだ。
政府の国債残高や財政赤字、中央銀行の通貨発行(国債買取)は
問題にならない。理由は政府は自己利益を求める組織ではないか
らである。

政府が銀行預金を借りている。国民の預金がなくなれば、政府は
国債を発行できなくなる。これは違う。銀行から日銀当座預金を
借りている。政府が小切手支払いをして、企業が小切手を銀行へ
持ち込むと銀行預金というお金が増える。政府が国債を発行する
たびに銀行預金というお金がこの世に誕生する。
政府が国債を発行することで、民間に銀行預金という資産が生
まれるのだ。国債発行が銀行預金を生み出している以上、国民
の預金がなくなれば国債発行できないという論理は成り立たない。
ここが家計や企業といった経済主体と決定的に違うところだ。
だから財政破綻を家計と同じに捉えるなというのはそういうこと
である。

より問題となるのは生産性である。厳密には生産性が高い供給
能力(経済力)を維持しているかどうかである。生産性の違いこそ
が先進国と発展途上国との差である。生産性こそが豊かさを決定
づける。発展途上国が貧しいのはお金がないためではない。
生産性が低いからだ。生産性は豊かさを決定する。
生産性は国際競争力にも多大な影響を与える。国際競争力とは
グローバル市場における価格競争力のことである。
生産性を高めるとは生産者一人当たりの生産量を増やす。
国内での生産性向上のための投資を蓄積し、単位労働コストを引き
下げるしかない。生産性をあげることで余剰を生むことで文明は
発展していく。余剰が少なければ文化・文明は衰退していく。

少子高齢化というと日本経済の衰退をイメージする。
しかしながら、著者はこれをチャンスとしている。理由は生産性を
あげればいい。つまり生産性向上のために人・技術・設備・公共投資
をしていくことである。そうして生産性をあげても他国で起こるような
技術的失業の問題が起こらないということである。
現に人手不足の建設業界などではこのような投資が積極的に
行われて新しい技術が次々と生まれている。
日本はむしろ新しい産業革命を起こすチャンスが来ている。
これは実際成長しているソフトウェア会社の社長もそう捉えている
という記事を読んだことがあります。
更には人手不足によって実質賃金も上昇する。
なので、外国人労働者の受け入れはむしろ生産性向上のための
技術革新を阻害しかねない。

生産性向上させる投資とはどういったものなのか。2つあり民間
設備投資と政府の公共投資である。経済力の三要素は資本、労働
技術である。労働という経済力を強化する人材投資である。
労働者数を増やすのではなく、生産者一人当たりの生産=所得を
増やすということである。慣れない仕事で役立たずだった若者が
経験を蓄積して生産性の高い人材に育つ。技術への投資とは
研究開発も意味する。設備投資、公共投資、人材投資、技術投資
が資本、技術、労働という三要素を強化する。

デフレの国では物価が下がる。デフレの本質は物価下落ではなく
販売数量の減少である。販売数量の減少はすなわち需要が減る
ということである。物価下落以上に所得が減り、実質賃金が低迷
していく。所得の合計がGDPである。所得が縮小するという特質
を持つデフレの国がGDPを成長させるのは不可能である。
朝日新聞の原真人や東京大学の上野千鶴子は日本はもう経済
成長はしない、経済成長する必要はないという論文を発表した。
むかしから朝日の原記者は言っていることがズレているんだけど・・・

彼らはGDPこそが税収の源泉であることがわかっていない。
ましてや彼らは日本経済の成長の恩恵を受けて快適に暮らして
きた方々である。その恩恵を受けながら若者には快適な暮らしを
するなという。彼らのいう人口減少も成熟も経済成長の阻害要因
にはならない。繰り返すが経済力とは資本、労働、技術の強さだ。
モノやサービスを生産する力のことである。生産されなければ消費
投資されることはなく、所得も生まれない。経済成長とは資本、労働
技術の三要素を強化することである。設備投資、公共投資で資本を
強化し、人材投資で労働者の質を高める。技術投資で技術を蓄積
する。経済成長のためには生産を強化する投資が必要なのだ。
生産がなされないかぎり、消費は投資は起きようがない。

経済には二つの局面がある。供給能力(経済力・潜在GDP)が不足
するインフレギャップと需要(名目GDP)が不足するデフレギャップで
ある。経済は普通はインフレギャップの状況が続く。デフレギャップは
政府が政府最終消費支出と公的固定資本形成という需要を拡大する
ことで埋められる。デフレギャップを抱えている国は民間が消費投資を
減らし、貯蓄に励むことが合理的になるので経済成長することはでき
ない。

生産性向上は実質賃金の上昇につながる。所得の拡大によって
経済成長が上昇する。名目GDPの消費や投資という需要を増やし
インフレギャップが拡大する。そのインフレギャップを生産性向上
により埋めるための投資が起こる。これが経済成長の黄金循環
なのである。

三橋氏の理論は具体的で説得力がある。
日本の政策当局もその根本に経世済民の思想を持つべきであり
そういった政策がなされるべきである。

日本経済ここだけの話

ぐっちーさん 日本経済ここだけの話ぐっちーさん 日本経済ここだけの話
(2013/07/05)
山口正洋

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実際に金融の現場で仕事されている方の本です。
その視点が勉強になります。

著者はまず、メディアも評論家も嘘つきだらけという
問題提起をしている。例えば財政破綻論。
後世に重荷を残さないために財政再建が必要だ
だから消費増税が必要だと新聞が書く。
そういいながら、無駄な支出に関しては放置。
国の借金は1千兆円を超える。だけど、日本の政府
資産はいくらになるか?といったところまで切り込まない。

消費増税法案を通したのは民主党政権だった。
かつて、ナチスドイツは約束はした。しかし、その約束を
実行することは約束していないという論理を国民に発した。
民主党政権は消費税はあげないと約束した。
しかし上げないことを実行することは約束していないという
全く同じ論理で野田佳彦総理は増税を強行した。
消費増税はGDPの6割を占める個人消費の支出を痛めつける。

メディアも政府もひどいもんです。

日本の財政は破綻する。
日本の債務がGDPの190%にも達している。
先進国は軒並み70%で、あのイタリアでさえ120%。
債務がGDP比で増えれば増えるほど国が破綻するのなら
正比例があるはず。逆にGDP比で少なければ破綻しないはず。
ところが、第二次大戦中のイギリスの債務比率はGDP270%
に達していましたが、破綻しなかった。反対にアジア通貨危機
で破綻した韓国、タイはそれぞれ20~30%に過ぎなかった。

政府債務985兆円は短期債務を含めている。
通常は金融機関の資金繰りなので除く。また政府資産は推定
600兆円あるので、通常はこれを差し引くのですが、これを加えて
発表している。そうなるとGDP比で80%程度になる。

自分の見方と違って面白かったのは。

財政破綻論と並んでおかしいのは円高悪玉論だと著者は
言います。日本の輸出依存度は14.1%(10年)。
残り80%以上が内需頼りの非製造業で成り立っている。
会社四季報に出てくる3800社のうち海外売上比率が50%
を超える輸出型企業は286社(10年)でしかない。
製造業53万社に対してサービス業530万社である。
売上も製造業120兆円に対して非製造業は500兆円。

日銀に景気悪化の責任を押し付けるが、日銀の任務は
通貨価値を守ること、景気に関しては予算を司る財務省の
専権事項だとしています。

デフレ解消のため、物価上昇を目標にするのはおかしい。
経済成長の結果物価(賃金)上昇はあるが、物価上昇に
よって、経済成長を達成できるわけではないし、まして
雇用が増え、給与所得が増えるどころか可処分所得が減り
国民生活は困窮するとしています。
確かに現時点で見ると、大多数は物価が上昇するだけで
恩恵を受けているとは言い難いです。

金融市場で最も肝要な指標は何かと言われれば、株式でも
なく、為替でもなく、国債である。その国の信用力。ひいては
資金調達力を決め、その国の企業の資金調達のレートまで
左右する。国債の金利は将来返ってくるかどうかのリスク
プレミアム(国の信用度)と、将来どれくらいインフレになるか
(どれだけ貨幣価値が下がるか)という期待インフレの合成
である。償還された時点で貨幣価値が下がって実質的な
受取額が減るかもしれないと考えたりすれば、リスクに
応じた金利が市場に要求される。

通貨の価値は経常収支や財政収支だけで決まるものではない。
軍事力も含めてアメリカという国の国力が通貨価値に直結している。
世界中の人々がドルで持っているのが安心だという選択の結果が
基軸通貨としてのドルの地位を保っている。

1971年のニクソン・ショックは、金との兌換性をきつく縛られたドルを
解き放ち、量的制限を超越した信用創造を可能にしたために、現在
の高度に発展した資本主義社会の成立をもたらした。
いつまでも1対1の物々交換、信用創造の世界であればいまの世界
は成り立たない。それではどこまで金から乖離できるのか?
いま起きている金融危機とは、膨張し続ける信用経済がその膨張に
耐え切れずツケを払い始めている。
1億円の担保に30億円は貸しすぎだが10億円ならいいのではないか。
ROE(自己資本比率)の考え方に近い。

円を強くする特殊性は、安全であること、宗教的に差別されることがない。
通貨交換も自由自在、首都東京では超一流のオペラから歌舞伎まで
見ることができる。何より、世界の人々が必要としている価値、価値観を
生み出し続けている国だから。

通貨価値が高いのはその国の信用度が高いということ。
日本はびた一文借金をしていない国である。また借金を踏み倒したこと
がない。だから信用される。

円高は、この為替水準では国際的に競合できない国内構造を見直し。
競争力がないものは諦め、将来の少子高齢化に備えた投資をする
絶好のチャンスである。自国通貨が安くなりすぎて破綻した国は数
しれずですが、自国通貨が高くなりすぎて破綻した国はない。

日本は民間の個人金融資産が1500兆円。そのほとんどが国債購入
に回り、国債の95兆円は国内で消化している。
国民が一斉にアメリカへ逃亡しない限りは国債市場は磐石である。

財務省は財政を家計で例えるが、家計の借金は長くて30年。
国は永遠に続くという前提のもとに金利の支払い能力があるか
ないかが問われる。支払い能力に疑問符がつくならあがり、問題が
なければ下がる。さらに元本返済能力の変数は、その通貨価値。
将来のインフレによる目減りが参入される。
国の借金は家計と違い元本返済を前提としない。
期中利払いなど国債費に対するサスティナビリティーによって
その価値が決定される。

税収を増やす最強の方法は、大幅減税を行って消費意欲を喚起し
企業、特に起業への投資を優遇すること。サラリーマンを経営者
として自立させる職業移転をはかった。
わずか10億ドル規模のベンチャーファンドが次々と投資をはじめ
その結果として、マイクロソフト、アップル、インテルなど屋台骨に
なる企業が誕生した。
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