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自衛隊元最高幹部が教える経営学では学べない戦略の本質 折木良一

戦略とは企業あるいは事業の目的を達成するために
持続的な競争優位を確立すべく構造化されたアクション
プランである。明確な経営戦略を打ち出すことは勝ち組
企業になるための条件の一つである。企業が保有する
経営資源には限りがあり、選択と集中を考えなければ
ならない。戦略とは持続的な競争優位を確立するための
基本的な考え方のことであり、企業は戦略を策定する
ことで、何を行うのか、逆に何を行わないのかという
事業領域を明らかにできる。更には経営資源
ヒト・モノ・カネ投入の選択と集中が可能になり、
どのような自社の強みを磨けばよいのかということが
わかる。持続的な競争優位が何に基づくのかといえば
企業が商品やサービスとして提供する特別な価値で
ある。その価値とは絶対的ではなく、競合他社との
相対的なものにすぎない。

激しい環境変化のなかで特別な価値を提供しつづける
ためにはイノベーションを起こして相対的な優位を維持
する経営戦略を考え、それを自社資源で実現可能な
事業計画や部・課・プロジェクトチームといった現場の
アクションプランに落とし込まなければならない。
そうした計画の最上位に位置するのが経営戦略という
わけです。

経営戦略の策定は経営理念とビジョンから始まる。
経営理念とは自社がどのような企業になりたいのか
という理想や社会における存在意義を抽象的に
表したものであり、これはたとえ経営者が代わっても
通常一貫したものである。ビジョンとはある時点まで
こうなっていたいと考える到達点であり、近未来の
姿や経営哲学などである。

この2つを踏まえたうえで社会情勢や業界などの
外部環境分析、自社企業の内部環境分析がある。
内と外の動きを踏まえたうえで戦略オプションをつ
くっていく。

戦略をつくるために考え出された戦略ではなく、相手
に勝つという戦略の本義を完遂するために何が重要
なのか考える必要がある。

①軍事戦略を知らずに戦略は語れない。

②有事でも確実に戦略を実行する方法論がない。

③地政学・地経学的リスクへの感度が低い。

④日本人の集合的無意識を意識していない。

⑤戦力回復で生産性をあげる視点がない。

戦史研究こそ戦略論のケースメソッドである。
戦略については特にその実行に際し、リーダーの
資質が大きく関係してくる。戦略は現場で実行され
かつ成果をあげて初めて価値を生み出す。
現場が戦略的に動き出してこそ、その戦略は正し
かったと初めて言える。

軍事戦略、作戦を立てる時に自衛隊がまず行う
のは現状認識のための情勢見積もりである。
情勢見積もりの目的は相手を知ることである。
相手の能力と意志を見極める必要がある。
さらにそこでは相手の立場に立って考える。
戦略レベルの見積もりとなると、相手の指導者の
生い立ちや性格、考え方といった情報も見積もり
要素になる。作戦レベルの見積もりは情報見積もり
という。

情報担当は相手についての情報資料を収集した
うえで、最終的には、それを目的、現状認識、考えら
れるオプションの列挙、考えられるオプションの分析
考えられるオプションの結論という形に整理し、処理
された情報を指揮官に報告する。生の情報をそのまま
あげることはしない。指揮官に上げる情報は指揮官が
何かを判断するためという目的に沿った情報である。
情報担当は指揮官が何を考え、何を判断しなくては
いけないかという目的を真っ先に考える。
もちろん指揮官は指揮官で自身の判断材料として
必要となるのはこういう情報だという要求をスタッフに
行う。

間接情報を出すのはミドルリーダーだ。だからそこが
機能するかどうかが大きなポイントになる。
ミドルの人たちは現場も見えているし、トップとも直接
パイプがある。現場の一次情報もとれるし、経営の
一次情報もとれる。

戦略立案で決定的に重要なのは情報と作戦の
バランスである。指揮官に相手に関する情報を提供
するのが、情報担当である。一方で自分はどうすべき
か考えるのが作戦担当である。作戦担当は自分たち
が戦略レベルで相手に対して何がしたいのか、あるい
は作戦・戦術レベルでどのように振る舞うのかなど、
オプションで指揮官に示す。作戦担当は自ら見積もった
戦略・作戦を情報担当が見積もった成果を踏まえた
うえで、相手がどのような動きや手段に出てくるのか
分析、比較しながら更に戦略を練り上げていきます。
この情報と作戦のバランスこそ戦略を考えるうえで
決定的に重要になる。

ミッドウェイ海戦やガダルカナル島における日本軍の
失敗は情報課に比べて作戦課の力が強かったため
敵の出方をほとんど考慮されなく、自軍のやりたい
ことを優先してしまった傾向が生まれたことからきて
いるといえる。ガダルカナルでは戦力の選択と集中
を行わず、相手の状況を把握せず逐次投入という
愚策を行った。ミッドウェイは敵機動部隊の動きを
全く把握していなかった。発見しても反応は鈍かった。

状況が複雑ではない訓練であるならば、PDCA
サイクルの考え方を適用し、訓練成果を積み上げて
いく。現実の戦いを想定した場合、あらゆる状況が
生起し、それが絶えず変化する。そこで重視するのが
IDAサイクルである。Infomation(情報)Decision
(決心)Action(実行)サイクルである。
実際の場面では試行錯誤の連続である。
情報は絶えず変化し、状況が限りなく不明な情報と
数ある作戦を勘案して決心して実行する。
事前の周到な見積もりを行い、計画の段階で戦略や
作戦を綿密に準備しているからこそ、局面が変化して
も対応していける。OODAサイクルというのが米軍
にはある。Observe(観察)よく観察して状況を判断
して方向付けを行い(Orinent)決心(Decide)して
行動する(Action)というサイクル。状況を判断して
方向づけを行うOrientの部分が情報の部分である。
このサイクルの中でも最も重要である。

いかなる組織においても戦略を実行するのは人
である。

組織を育成していく責任者が指揮官であり、その
意図を理解し、現場に徹底し、実行していく原動力
そのものが中間管理者である。ことあるときに生死
を共にする組織である自衛隊において統率の根本
は指揮官と部下の相互信頼である。指揮官は自ら
の任務と部下に対する責任があり、部下は指揮官
に対しての任務を全うする責任がある。お互いが
それぞれの任務を遂行することによって、お互いの
信頼感が生まれる。

①リーダーの使命感と情熱が部下との信頼関係を
  築く。リーダーの任務に対する使命感。組織を
  いかに強く育てていくかという情熱、これが部下
 との信頼関係の基礎である。

②達成すべき任務の重要性・意義を認識させる。
 組織全体が進むべき方向や自分の立場、役割を
 しっかり認識させ、理解させることによって、やる
 べきことが明確になる。

③話を聞いてやる。

④現場のことは現場に任せる。そして権限を与える。

⑤指導は性善説で行う。
  人間は誰でも信頼されれば成長します。

相手の能力と意志を過剰に意識したままで状況を
判断すると、結果的にひどい過ちを犯すことになる。
相手の能力と意志もまたいま置かれている世界の
基盤的環境の影響を受けるからである。その変化
自体について考えなければならない。

地政学とは国家が行う政治行動を地理的環境、条件
と結びつけて考える学問である。これに加えて複雑系
をベースに新しい視座を手に入れるべきであるという
主張がある。複雑化した世界情勢を理解するには
接続性をベースにした新しい解釈が必要であり、インフラ
による都市間の接続性が新しい国際秩序をつくる。
技術革新で地理はかつてのような意味を持たなくなった。
航空路、鉄道網、道路網、シーレーン、パイプライン
高速インターネット、そしてサプライチェーンなど、いかに
効率よく接続が実現できているかがカギになる。
サプライチェーンこそが新しい前提であるという考え方
である。接続性は運輸、エネルギー、コミュニケーション
のネットワークである。中国の一帯一路もこうした考え方
から出てきている。

日本人の集合的無意識、安保、経営における他者依存性
は問題である。

休むことで戦略の成功確率は上げられる。
①ぐっすり一晩眠れば疲れがとれる。
②イライラし、不安になりやすい。同じ出来事でも疲れやすさ
 が2倍になる。
③心身に病気の症状が現れる。元気な時より三倍傷つき
 やすくなる。回復にも三倍の時間がかかる。

第一の自信 できるという自信
第二の自信 自分の体力や生き方に対する自信
第三の自信 守ってくれる仲間がいる。愛されている。
         必要とされているという自信。

睡眠時間の長短はパフォーマンスに大きく影響する。
8時間睡眠を続けるグループは認知機能の低下、運動
能力の低下は見られない、6時間睡眠を続けると
2日連続で徹夜を続けたパフォーマンスになる。


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戦略の本質 堀紘一

戦略は一つのところにとどまることはない。どんどん変わって
いくのが戦略の本質である。戦略というのはパターンごとに
決まった正解があるものではなく、相手により、状況により
毎回、毎回、違った答えを探し求めるものである。
その瞬間には正解だったかもしれない戦略は、次の瞬間には
もう時代遅れになっている。それくらいダイナミックに変化する
ものである。逆にリーダーシップの本質は、2000年以上前も
現在も大きく変わってはいない。

戦略というのは勝負事ならどんなものでも必要になる。
勝ち負けを競うものには全て戦略がついてまわる。
勝ち負けというのはエラー、自滅で決まる。
相手との勝負に勝つために何が必要かというと、勝ちに
いくなということだ。勝ちにいくと必ずスキができる。そのスキ
を突かれて自滅するパターンが多い。
勝負事というのは、いかに自分の有利な状況をつくるかに
かかっている。勝ちを急がずジワジワと時間をかけて相手が
自滅するパターンをつくることができればまず負けない。
負けないということは最後は勝つということだ。
それが戦略の王道である。

戦略は相手あっての相対的なものである。
勝負事では、相手の弱みを徹底的に研究して、いかに弱い
ところ、苦手なところを突いていくかが重要になる。
戦略というのは相手あってこその話で、相手がいなければ
戦略は成り立たない。相手の出方を読まずに立てた戦略
は戦略とは名ばかりの机上の空論に過ぎない。
どんな場面でも唯一絶対の答えがあるわけではない。
相手の出方を読まなければ勝てないし、相手もこちらの
出方を読んでいるから有効な戦略が次も有効という保証
はどこにもない。

ここがリーダーシップとは根本的に違う。リーダーシップは
普遍的、絶対的なルールがある。人をどう束ねるかという
ことは時代によらず、個別ケースに左右されないという
共通点がある。組織を率いるリーダーは必ずしも戦略の
プロである必要はない。リーダーは人を動かすリーダー
シップを熟知しておく必要があるが、戦略は軍師・参謀に
任せても構わない。この2つは求められる役割は根本的
に違う。

戦略は相手あってのものだから状況に応じて打つべき手
は変わる。戦略は局面においてどんどん変わっていく。
その意味では大東亜戦争は格好の研究材料になる。

戦略は相手あってのものだから、どんなときでも通用する
戦略はない。誰が相手で、次はどんな手を打ってくるか
先読みすることで、自分たちの戦略が決まる。戦う相手
状況によって戦略のパターンを変えなければまず勝てない。
一度うまくいったからといって、いつも同じ勝ちパターンで
勝てると思うのが間違いで、相手にこちらの動きを読まれて
いたら、それに応じた手を打ってくるから勝ち率はどんどん
下がっていく。

実際に戦略を実行するときは、より具体的な戦術に落とし込み
更に現場で戦闘行為を遂行することが求められる。
戦略が上位概念、戦術が注意概念、戦闘が下位の概念である。

大東亜戦争を例に挙げると、戦略は米国が日本向けの鉄くずの
輸出を止める。そして原油の輸出も止める。そうすれば日本は
軍を動かせない。日本の戦略は資源が尽きる前に米国に戦争を
仕掛けるというものだ。戦術は真珠湾攻撃、フィリピンの米国陸軍
と空軍を攻撃する。戦闘行為はアクションそのもの。具体的に
真珠湾停泊中の艦船をどう攻撃するのか。

大きな戦略を決定し、それを具体化して戦術レベルに落とし込み
それに基づいて戦闘行為を遂行する。まず方針(戦略)を決定し
その方針を実現するための計画(戦術)を立て、実際に行動(戦闘)
をする。天下統一した秀吉と家康二人の違いは秀吉は戦術家だった。
家康は戦略家だった。家康は負けない戦いしかしなかった。

戦略の立て方が根本的に変わったのは技術革新のみならず、
情報革命によるところが大きい。

業界トップと2位以下の戦い方は異なる。
トップは360度全方位で守りを固める。2位以下は一点突破で
一箇所穴を開ける。

企業が成長する原材料はお金である。

BtoBは安定した品質を期日内に納入するのが基本戦略。
BtoCは品質が良くて期日内に納入しても売れなければ何も
値打ちがない。消費者は気まぐれである。

シェアをリベートなどお金で買いにいく方法は一時的に効果
は見込めるが基本的には長続きしない。半年ぐらいで元へ
戻ってしまう。気がついたら両社とも利益率が落ちてボロボロ
になっている。本気でシェアを増やしたければイノベーション
を起こしてユーザーにメリットをもたらすことを考えなければ
ならない。

顧客の意見を聞いてもイノベーションは起こせない。
破壊的イノベーションは異業種からやってくる。

飛び地戦略は典型的な負け戦。
兵力を分散しているだけで、一箇所に集中しなければ何十万
いても分散しているから散発的な戦いしかできない。
攻めの戦略の王道はロールアウトである。
点ではなく面を広げるロールアウト。自分の持っている技術や
販売チャンネルなど、強みのあるところから新しい分野に展開
していく。飛び地作戦は点を攻略するだけだから攻めは速いが
守りは弱い。補給線を絶たれてしまうと、たちまち飛び地は孤立
する。ロールアウト作戦は面で広がっているから、時間がかかる
が守りは強い。失敗したら押し出したカーペットをもう一度くるくる
と巻いて、自分の一番強いところに戻ってくればいい。
スピードの時代でもジワジワと攻める方が確実。

戦略を立てるうえで極めて重要な部分を占めるのが情報である。
相手のことがわからなければ、こちらも戦略を立てようなないし、
相手の戦略を先読みできれば戦いを有利に運ぶことができる。

会社の分け方は3つある。商品で分けるか、地域で分けるか
機能で分けるかである。商品はテレビならテレビ、家電なら家電
などに分ける。機能は研究開発、製造、販売などである。
人物金で配分が一番難しいのが人である。
人は一旦配置すると時間が経つほどその分野に詳しくなるため
新しい分野に再配置しようとすると、それまでの知識や経験が
役に立たなくなる恐れがある。

戦略とは相手との対話である。
あくまで想像上の対話なので相手の本音はわからない。
わからないながらも、おそらくこう出るはずだと想像を巡らせる
のが戦略を立てるということだ。

戦略を立てるときは、さまざまな想定の下に、相手の出方を
シミュレーションして、最善と思える策を選ぶことになるが、
相手がこちらの想定通りに行動するという保証はどこにもない。
相手が毎回ベストな解を選ぶはずだと想定して作戦を練って
いく。

戦略を練るには社内外の情報を集めなければならない。
本当に価値のある情報はネットには出てこない。
本当に価値のある情報が欲しければ、自分で現場に足を
運んで集める必要がある。ユーザーの声、ネットや一般の
アンケートでは表面的なことしかわからない。
だから、質問して答えが返ってきたら、そこに上乗せして
突っ込んで質問していくような形でなければ本当の答えに
たどり着けない。いくつも質問を重ねてようやく本当の答え
が見えてくる。多くはそこまで突っ込まない中途半端な情報
で判断するから、的外れの結論になる。
本当に価値のある情報はそうたやすくは手に入らない。

価値ある情報は目に付くところに転がっていない。
いろいろな人に質問しながら、探り当てていく作業が必要だ。
そうやって探り当てた情報をもとにこれから先の戦略を考える。

戦略を立てるためのの5つの力。

➀観察力

戦略を立てるベースとなるのは観察力である。
すぐれたビジネスパーソンは観察力がある。
日頃から他人のことを注意深く見ていれば、その人の心の中
や次の行動が予測できるようになる。

➁鎖のようにつなげて考える連鎖思考力

AならばB、BならばC、CならばDというように数珠繋ぎに
考えを深めていく力である。自分がこうすれば相手はこう
出るだろう。相手がこう出たときは、自分はこうする。
こういうふうに思考の鎖を延長しながら深堀していく。

③答えに迫るための質問力

相手の本音を引き出す質問力。
価値ある情報を手に入れるには、よい質問をして、表面
的には見えにくい本当の答えを聞き出さなければならない。
質問をする⇒相手が答える⇒それを受けて突っ込んだ質問
をする⇒相手が答えるというプロセスを通じて正解に近づく。

④相手の行動を読む想像力

戦略というのは相手との読み合いであり、騙し合いである。
自分の戦い方を考えているだけではダメで、相手の出方を
読む力が欠かせない。それが想像力である。
相手の立場に立って、こちらがこう出たらきっとこうなるはず
だと想像する。相手の考えや行動をありありと思い描ける
ようになれば、それを裏切る手を考えることができる。

⑤相手の意表を突く創造力

クリエイティビティの創造力である。

戦略を立てるための5つの力はそれぞれトレーニングで
鍛えることができる。戦略立案能力はこれらを鍛えて高める。
観察力は全ての能力のベースである。スポーツをする筋力
のようなもの。観察力と想像力をセットで鍛える。
そしてイメージを数珠繋ぎに膨らませれば連鎖思考力を
高めることができる。創造力は鍛えにくい。
質問力は鍛えられる。質問力と連鎖思考力で正解に迫る。

対話を楽しめる人は強い。

戦略は歴史から学べ 鈴木博毅

戦術は幾何学のように、あるいは工学の様々な進歩や砲術のように
全集の中で学ぶことができるが、戦争の大原則に関する知識は軍事史
や多くの偉大な名将たちの戦いを勉強することや実際の経験を通して
のみ、得ることができる。ナポレオンの言葉

歴史とは生死をかけて編み上げられた勝利の法則集である。
あらゆる時代の人間や組織が生死をかけて実証した法則集である。
策略・奸計・組織運営・技術革新・リーダーシップ・人心掌握・競争戦略
ゲリラ戦など、人と組織が勝つためのあらゆる知略が総動員されている。

1.古代の戦いから戦略思考を学べ

強みだけでは勝てない。強みを活かせる状況をつくる。
テミストクレス ペルシャ戦争

強みは活かされなければ意味がない。
強みを全く活用できない状況はすなわち敗北である。
反対に強みを最大限活用できる状況は勝利である。
強みを活かす状況をいかにつくるのか。それを考えることが
戦略思考の第一歩である。置かれた状況を正しく理解して
環境の変化に対応できるかである。

勝敗を決めるポイントに最も力を集中する。
フィリッポス二世 カイロネイアの戦い

敵の強みを潰すポイントを見極め、そこに一気に力を集中する。
力を分散させない集中と勝敗のポイントを変える選択の威力。
相手の強みに並んでも、それでは接戦になるだけでライバルを
圧倒することはできません。勝敗を分ける別の分野を選択して
そこに集中することで劇的な勝利を得る。

勝者が予想できないところを突く。
ハンニバル ポエニ戦争

一般企業と違う目標で勝負する。
相手が攻めてくるだろうと思わない場所を戦場にする。
ライバルと違う点を勝利の鍵として設計すること。この2点が
敵の意表を突く勝利を生み出す。

戦闘で負けないことにより、機会に焦点を合わせる
ユリウス・カエサル ガリア戦争

成功は戦闘そのものではなく機会を上手につかむことである。
機会とは勝利を待ち構えて先回りできるチャンスをつかむことです。
ある情報に接したとき、カエサルはその動き(情報)の行き着くところ
を読み、優位な場所を自軍が先回りして手に入れることで度々勝利
した。最終的にどんな結末になるのか予想する。機会活用戦略。

徹底して機会に焦点を合わせる。
戦場となる場所に最速で到着し優位を占める。
必ず必要となる物資を押さえる。
必ず通過する場所に強固な自軍の砦を築く。

2.中国の軍師から逆転力を学べ 弱くても勝てる戦略発想の源泉

群雄割拠の中では弱者同士を団結させない 張儀

強者にとって分断はあらゆる交渉と攻撃の基本である。
・後追い製品、追従戦略で人気を分断
・序列や待遇の違いをつけることで分断

弱さを認めることが逆に大きな武器になる。 張良

劉邦は自らの弱さを大きな武器とした。
・知恵のある部下の助言や提案に素直に従った。
・秦への進軍はひたすら強敵を避けて進軍した。
・褒美や名声は活躍した部下に気前よく分け与えた。
・限界まで戦わず、必要があれば何度でも逃げた。

自己を強者と考えて振舞う(問題に真正面からぶつかり他者を支配する)
自己を弱者と考えて振舞う(問題を迂回し、他者から協力と貢献を引き出す)

弱みは見方を変えれば一瞬で強みへと変わる 諸葛孔明

再定義の力 大ヒット商品ポストイットは接着力の弱さに注目した。

再定義によりヒットしたもの
・失敗作だった接着剤の弱さを逆利用したポストイット
・在庫の少なさを逆にメリットと考えたトヨタ生産方式
・古民家を京都風にリフォームした滞在型人気ホテル
・携帯の通じない田舎で喧騒のない静かさを売りにする民宿

強力なライバルを避けて有利な市場で戦う 司馬懿

ライバルが占拠するマーケットを避けて進出する戦略
・相手が支配権を持つ状況に直接攻め込まない
・既存の大手が弱い場所で、新しい顧客を生み出して愛される

3.巨大帝国から実行力を学べ 勝つべくして勝つ無敵の優位性

戦う前に勝負を決める チンギス・ハン

事前攻撃戦略
➀魅力的な機会で誘導する
②モンゴルが不利に見せる
③相手にチャンスを思わせる
そして、強弓と騎馬の機動力で有利な距離へ引き寄せ矢の雨を降らせる
屈強な重装歩兵が傷ついた敵を徹底的に倒す。

魅力的・見込み客側に負担の少ないフロントエンド商品
デモ機による提案→無料お試しセット→メルマガ情報の提供→情報提供やセミナー等

勝てる領域を選んで戦えば負けない 北条時宗

文永の役で苦戦した日本武士は弘安の役では集団戦を避け白兵戦に持ち込んだ。

敵が得意な領域で勝負しない製品市場戦略を取る。
・市場分析から成功の鍵を抽出
・自社の現在の実力とKFSの隔たりから方針を判断する

小さな組織が大きな挑戦を可能にする 朱元璋

古い目標から離れて新たな未来を実現する。

イノベーションのジレンマを打破する原則
➀破壊的技術の商品化は、それを必要とする顧客を持つ組織に担当させる
②小さな機会や小さな勝利にも前向きになれる小さな組織に任せる
③試行錯誤を前提として、失敗は早い段階でわずかな犠牲にとどめる計画を立てる
④主流組織のプロセスや価値基準を利用しないように注意する
⑤これまでと違う特徴が評価される新しい市場を見つけるか開拓する

4.戦国時代から競争戦略を学べ

ナンバーワンになるにはまず弱者を攻撃する 源頼朝

最初に叩くべき攻撃目標というのは、俗に言う足下の敵である。
射程距離県内にくっついている足下の敵というのがまず攻撃目標として優先
する。つまり二位は三位を叩かなければだめだということになる。

強力なライバルがいるところから戦いを始めると永久に一位にはなれない。

競争目標と攻撃目標を分けるべき。1位の会社を目指しながらも攻撃するのは
自社よりも弱い敵であるべき。

組織の飛躍は計画的な変化から生まれる 織田信長

新たな成長へ向けて事業ドメイン(事業の展開領域)を変化させる。
過去の事業領域との決別。

組織は最も弱い部分が全体の成果を決める 豊臣秀吉

強力な徳川家康ではなく織田信雄を徹底して追い詰めることで
家康の大義名分を奪った。

最も弱い箇所によって全体の性能が決まってしまうシステムは鎖
のような構造を持つといえる。いくら他の環を強化しても鎖全体は
強くならない。

生産の全体の成果はボトルネックの解消にかかっており、ボトルネック
を発見して改善したら、次のボトルネックとなる点を探して成果を継続
向上させる発想である。

鎖構造を強みに変えるか、弱みとして放置するか。
様々なプロセスを組み合わせて鎖構造を形成すれば、それが持続可能
な戦略優位となる。こうすれば戦略が有効になるし、競争相手も真似る
ことが困難となる。

EX IKEA

郊外の巨大店舗の広い店内⇔少ない店員でオペレーション可能⇔独自のデザインと高度なロジスティクス

最速で学び反映できるものが最後は生き残る 徳川家康

学習優位を持つ企業こそが、不確実な時代を勝ち残る道。
目の前の変化から常に学ぶ。飛び抜けた学習優位を誇る経営者と企業こそが最後に天下をとる。

5.植民地戦争から機器のリーダーシップを学べ 現状を正しく認識し、変化に立ち向かう真摯さ

リーダーは常に現実を直視し、外界の翻訳者になる。 フェルナンド・コルテス

・コルテスは正しい情報の入手を最重要視した。

・遠征の意義を壮大なものとして部下に使え彼らを熱狂させた。

・組織の外に対して効果的な情報収集を行い、組織の内側に対してはリーダーとしての指導力と
 戦略立案能力を発揮した。部下の心理の掌握と指揮、どうすれば勝てるかの戦略、噛み砕いて
 知らせる。外界と敵を定義して知らせる。

・ビジネスにおいてもリーダーこそが外界の翻訳者である。どんなチャンスがあるのか。どこに
向かえば勝利を手にすることができるのか、自分たちがどのような問題に立ち向かっているのか
社会環境を翻訳し、自社ビジネスの意義を内部に説明するのはトップの役割です。

・優れた翻訳者のリーダーは組織を奮い立たせ、危機を克服する力を生み出す。

不可逆な変化に直面したら、目標を変えないといけない。テクムシ

トップはトップにしかできない決断を素早く行う。 エイブラハム・リンカーン

・トップでなければできない課題を見つけて達成する

・現場を詳細かつ正確に知り、細部まで必要な指導を徹底する

・組織内の優れたリーダーを抜擢して、無能な指揮官を見極めて降格させた

6.近代戦争から組織運営を学べ

より速く始めて動きながら機会を見つけた者が勝つ ナポレオン・ボナパルト

・机上で議論を続けず、プロトタイプ運用から動的に始めるリーン戦略

・動的な状態、試行錯誤から始める側が圧倒的な差をつける。

即興で判断できる組織は天才を凌駕する。 ホレーショ・ネルソン

・自律分散イノベーション企業の全員が生む即興の判断力

・ネルソンは方針を決め、それを浸透させたあとは各艦隊の艦長に全て判断を任せている。

・幹部の意識を変えたリーダー教育、フィロソフィーを自分たちでつくりあげる、現場で熱心に
 意識改革を説く。

大組織×スピードの両立がイノベーションを生む ヘルムート・モルトケ

・大規模とスピードを両立させる組織運用。
京セラアメーバ経営など優れた経営管理手法、物流センターの進化や製造工程の洗練による
移送効率、店舗ごとの販売・発注分析など意思決定を効果的に分散させる仕組み、精神論や
努力論から脱却し、ITシステムなど有効活用する流れ。

7.西洋列強との戦いから情報活用力を学べ

情報の正しさ、新しさが戦略の質を左右する。林則徐

・戦略立案の根拠となる情報は最新の現実を広く反映しているのか。

・情報の新しさと精度は戦略の質を左右する。

変革は核となる強みを見抜けるかどうかで決まる。大村益次郎

ベストプラクティスを集めて必勝パターンを見抜く。秋山真之

・戦史や戦略、戦術論のなかで優れたものを広く探し、エッセンスの吸収と最善の
 実践を追求することがベストプラクティスの思想である。

・ベンチマークの4つの分類

➀戦略ベンチマーキングと業務ベンチマーキング 戦略とプロセスどちらにベンチマークの焦点を当てるか。

②組織レベル トップマネジメントか下層レベルか。どの組織レベルでベンチマークを行うのか。

③パートナー 誰とベンチマークをするのか。自社内か、業界内か、他業界か世界レベルなのか。

④目的別 なぜベンチマークするのか。ビジネスの変革なのか、業務評価をするためのなのか。

・人によってベストプラクティスのレベルは格段に違う。最も優れた人を抜擢する。

・世界中の優れた事例を広く集め、エッセンスを見抜く。

・大家の書いた兵術書を広く学び、信頼できるものをマスターする。

・実践を見聞して、広く深い知識を選別活用する能力を磨く。

8.世界大戦からイノベーションを学べ

優位性のない棲み分けはいずれ消耗戦になる。エーリッヒ・ファルケンファイン

競争しない競争戦略では競争するデメリットが3つあげられる。
➀顧客志向から競争志向に②価格の必要以上の下落③組織の疲弊

競争しない競争戦略では競争を避ける3つの戦略がある。
➀棲み分け(Aニッチ戦略B不協和戦略)
②共生(C協調戦略)

棲み分けできても大企業が優位な均衡は挑戦する下位企業には消耗戦になる。
下位企業が大手に侵食されない形での均衡を保つとき健全な棲み分けとなる。

大は小を常に消耗戦へと引きずり込め アレクセイ・ブルシロフ

・こちらが優勢な大軍の場合は敵に棲み分けさせずに全面で攻撃する。

・こちらが劣勢の場合は高い効率と新たな棲み分けを並行して実現する。

強い敵には正面から戦わずに防衛の弱いところを攻める エーリッヒ・フォン・マンシュタイン

対仏戦 ➀敵の抵抗のないところから突入する ②防御の固い要塞は側面か後背、上空から攻略
      ③速攻により敵が対応できない間に勝負を決する

大手企業の参入を防ぐ3つの方法
➀市場規模をあまり大きくしない②利益率をあまり高くしない③市場を急速に立ち上げない

手段ではなく目的を正しく追い続けた組織が勝つ ウィリアム・ハルゼー

➀新たな戦略をつくる 日本は航空機の活用により戦艦を攻撃する戦略が成功した。

②効果の消えた自軍の戦略を別の戦略に差し替える 
 しかし日本軍は古い戦略を新たな戦略に差し替えるのが苦手だった。

③敵の戦略の破壊を狙うイノベーションを行う
  米軍は日本軍の戦略を破壊するイノベーションを続けて戦局を転換させた。

組織には常に戦略的な撤退と再集結が必要である。ドワイト・アイゼンハワー

・戦略的撤退と再集中の重要性(総司令部の俯瞰的判断)

・ミドルマネジメントから優れた作戦を生み出す(戦場に合わせた作戦計画)

・現場最前線からブレイクスルーを生み出す(現場から新たなイノベーションを創出)

・適切な使命を与えた上で権限を委譲する(目標設定の自由・実行の柔軟性)

9.現代の戦争から学習力を学べ

ニッチで戦うなら徹底的にゲリラ戦を効率化する 毛沢東

ゲリラであるにもかかわらず大手の得意とする白昼の大通りで戦闘を行おうとする
のは間違い。

ゲリラ部隊の効率化とは
➀販売量を限定できる製品をもう一つ出す。
②ひと手間かけて魅力を引き出すを継続できる体制づくり。
③いたずらに新規市場へ飛び込まない。

当事者意識の増殖が劇的逆転勝利を生む ボー・グエン・ザップ将軍

・学習を共有しながら、分裂と増殖を繰り返す解放戦線

ベトコン強さの理由

➀なぜ誰のために戦うかという当事者意識を徹底して醸成する。

②現場部隊のフラットで平等な組織が生み出す危機学習能力。

③教育を受けた者が、教育をする側になる分裂増殖術。

④民衆を味方にして、最初は敵の武器を奪取することを第一目標とした。

・米軍との戦闘に学び、高速で全組織に突破法を共有させた仕組み

生き残るための5つの課題

➀いま理念が重要である

②いまイノベーションが重要である

③いま適応力が重要である

④いま情熱が重要である

⑤いまイデオロギーが重要である

どんな組織も変わり続けなければ生き残れない コリン・パウエル

・○○で勝つことは、ビジネス全体で負ければ関係ない。

技術では勝っている。でもビジネスでは負けた。
良い製品はつくっている。でも販売では負けた。
味には最大限こだわっている。でも商売として他店に負けた。
伝統を守っている。でも商売としてはもう続けられない。

内発的学習戦略 失敗に学び、内部からの自己革新で勝利する。

横断組織から、勝利と失敗の本質を抽出
⇒古い均衡の打破、局所優位の拡大、自社領域の新設定、過去の成功要因抽出、ミドル層による新戦略模索。

米軍に学ぶ学習する組織質問リスト

・これまで均衡を打破する突破力を設計したか。

・顧客との関係で局所優位を拡大できるか。

・自社のビジネス領域を効果的に新設定しているか。

・無効な行動を発見できて棄却できているか。

・継続的に有効な指標を見抜いているか。

・組織のミドル層が横断的に集まり内部から新戦略を模索しているか。

勝者と敗者を分けるものは何か?

➀局所優位を生み出す力(限定的な強み)

全ての場面で強い軍隊など存在しない。あらゆる集団は、まず限定的な場面で勝利を
収めるための局所優位を生み出せる力を手に入れようとする。

②強みの活用法・運用力(ノウハウ)

自軍の強みを最大限発揮する条件を整え、逆に相手の強みを潰す。
発揮させない対策をする能力のこと。相手の強みが支配する場所から逃げることも選択肢である。

③外界の翻訳力(問題を再定義して機会を見つけ、組織を動かす力)

現状がどんな状態で、自分たちが何をなすべきなのか。環境や敵情は刻々と変わることから
現状に対して正しく問題を再定義するリーダーがいる側が優位になります。

④探索力を増強する目標(新たな情報や知恵を取り込む力)

掲げている目標は、どのような情報や知識を集団の中に取り込むか探索力が決定します。
インディアン抵抗戦争は単に生活や勢力を守ろうとした側は限定された知識にしか興味がなく
一方で敵を滅ぼすか、支配下に置こうとした側はより広い情報を吸収して相手を詳しく観察
している。

外界の翻訳力とはリーダーの問題定義力でもある。

探索力を増強する目標とは、勝利に必要な知識や情報を集める引力を持つ目標をつくり
あげることである。達成するためには、新たな情報や創意工夫が必要だと認識させる目標
を意図的に立ち上げるのです。

局所優位⇒活用法⇒外界の翻訳力⇒探索力ある目標は勝利できる場所を広げていく
ステップである。局所優位しか意識しない者はそれが通用する場所でしか勝てない。
活用法を極めることは勝てる領域を広げることである。
外界の翻訳力は古いものとは違う新たな強みの設定につながる。探索力ある目標は
私たちが新しい情報を取り込む意欲を生み、発想の飛躍的を可能にする。

イノベーションとは戦い方をガラリと変えるという点で強みの活用法・運用法と外界の
翻訳力に相当する。












戦略の教室 鈴木博毅

1.勝敗を分けるリーダーシップ戦略

○孫武「孫子」敵の意表をついて小が大に勝つ。

戦術の要諦は敵を欺くことである。たとえば、できるのにできないふりをし、必要なものを
不要にみせかける。遠ざかるとみせかけて近づき、近づくと見せかけて遠ざかる。
有利と見せて誘い出し、混乱させて撃破する。敵の弱みにつけ込み、敵の意表をつく。
これが戦術の要諦である。

①張り合うことで敵が疲弊するポイントを攻める

おとり作戦で、相手に何度も出撃させる。そして疲弊させる。

②相手の強みとは別の場所で勝負する。

・戦争の歴史から生まれた冷徹な原理原則

①目的は勝利であって戦いではない。

②百戦百勝するは善の善なるものにあらず

③敵を知り己を知れば百戦危うからず

④まず勝ちてのち戦う 本当の戦上手はまず勝ちうる条件をつくり自然に勝つ。

・相手が一番嫌がる戦略を選び、会戦前に勝利を決める

○アレキサンダー大王 東方遠征 短期間で一気に領土を拡大する

・巨大帝国を築いた三つの突破力とは

①定石を別のアプローチで攻略する

先行者を超えるには常識や固定観念を破る別のアプローチが必要になる。

②部下を挑戦させ続ける強いリーダーシップ

自らが強烈な克己力を発揮して先陣をきって戦う

さらに先の未来を周囲にイメージさせる

逃げ場を先になくしてしまう

③統治規模を拡大するための工夫

味方を生み出す提携関係

圧倒的な優位や権威を広める

解放者の旗印を掲げる

大きな未来を思い描き、ビジョンを相手に共有させることで動かす。

○ニコロ・マキャベリ 君主論 正しい目標を掲げて人を動かす

・小さな国家はリーダーに統率力がなければ生き残れない。

・組織と人を動かし成長させる正義を掲げ、指導力の基礎とする。

・いままで地位が安泰だと思いのんびりと過ごした人たちにあなたの地位も安泰ではない
 と告げて発奮させる。

・リーダーが身につけるべき生き残るための条件

①君主は歴史上のリーダーの成功と失敗から学べ

②状況こそが常に最善手を決める

③人を従わせるリーダーは恨みを買うことなく恐れられよ

④国を守るために冷徹さを発揮せよ

⑤運命は抵抗力がないところほど猛威を振るう 自らの意志を発揮せよ

⑥民衆の気まぐれに頼るのではなく、君主自ら仕掛けよ

⑦平時にこそ、先を見据えて問題に備えよ

・優秀な人ほどライバルから敵対視される。

2.戦況を決定づける軍事戦略

○ナポレオン・ボナパルト 革命戦争 凡人を最強兵力へ変える仕組みづくり

①フランス革命で国民の当事者意識が高まった

②大軍を出現させた国民徴兵制度

③師団をさらに改善した軍団制度の遠征力と機動力

・個人の意識を高め、他社より速い行動力を持つ組織へ

○カール・フォン・クラウゼヴィッツ 戦争論 相手の強みを真似て無力化する

・プロイセンの対フランス作戦

①義務兵役制の採用(国民軍創設のため)

②師団制を取りれた

③優れた参謀将校を育成する教育機関の充実

④門戸を広げ、平民からも優れた人物を将校に採用

⑤政治行政改革、教育改革

⑥社会制度改革(農奴解放)

⑦祖国愛の醸成(ナショナリズムの鼓舞)

・規模を拡大したプロイセンが逆転できた二つの戦略

①各個撃破されない大軍による包囲布陣

②側面攻撃を受けたら粘らず退却する

・天才は理論を超越しない。

○リデル・ハート 戦略論 相手の強みと正面衝突せずに勝利する

・間接アプローチとは、敵が十分備えている正面への攻撃を避け、備えが薄い部分を攻撃する。
 あるいは間接的に相手を無力化する方法を選ぶこと。

・弱点に対する集中はビジネスでも応用可能。

①目的を手段に適合させよ 手持ちの手段から目的を決める冷静さによって不可能も可能になる。

②常に目的を銘記せよ 常に最終目標へどんなプラスがあるかを確認することが重要。

③最小予期路線を選べ 相手の立場に立って、敵が予測あるいは先制することが最も少ないコース
                を選ぶこと。

④最小抵抗線に乗ぜよ 目的にプラスになる。敵の最も抵抗が少ない場所を攻めるべきであること。

⑤予備目標への切り替えを許す作戦線を取れ 少なくとも二つの目標を掲げて、こちらの進路を
                               悟られないように準備を進めること。

⑥計画および配備が状況に適合するよう、それらの柔軟性を確保せよ。

○ウイリアムソン・マーレー 戦略の形成 戦略決定のプロセスが勝利を左右する

・戦略形成に影響を与える要素

地理、歴史、世界観(宗教、イデオロギー、文化)、経済的要因、政府組織および軍事組織

・過去の体験から改善策を行うとき、失敗しやすい次の二点に注意すべき

①より上位にある戦略課題をクリアしているか

②一部分ではなく全体像を理解する

・戦略とは、偶然性、不確実性、曖昧性が支配する世界で状況や環境に適応させる恒常的
 プロセスにほかならない。

・戦略の形成は、国際的な出来事や脅威から外圧に加え、国内の政治的影響力および個の
 行動の特異性を含むプロセスなのである。

3.生産力を最大化する効率化戦略

○フレデリック・テイラー 科学的管理法 目に見えないムダを排除して成果を最大化する

・形に残らないムダが溢れている

・労働者が仕事を怠ける原因

①ひとり当たりの生産量が増えると、いずれ大勢が職を失うという誤解

②働き手が自分の利益を守るため、作業ペースを落とす矛盾が職場にある

③非効率的な経験則が蔓延し、そのまま実践されている

・対策のポイント

①管理側が作業内容を深く理解するため観察、分析を行った

②業務内のムダを省くため、作業環境を改善した

③優れた仕事に必要な資質を明確にして人材を取捨選別した

○大野耐一 トヨタ生産方式 現状を問い、新しい生産システムを発明する

・アメリカ式の大量生産方式には3つの問題があった。

①つくりすぎのムダ 一つの部品を大量につくっても不要在庫として置き場、整理の手間、コストなど
             多くの二次的な無駄が発生する。

②人を減らすことができない トヨタ生産方式では少人化と呼び、同じ製品をどれほど少ない人数で
                   完成できるかを一つの効率目標としている。

③多品種少量生産に向かない 

・トヨタ生産方式との違いは

①ジャスト・イン・タイム

②多品種と低コスト生産を同時に実現

・なぜを5回繰り返す意義とは?

①なぜ機械は止まったのか。オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ。

②なぜオーバーロードがかかったのか。軸受部の潤滑が十分でないからだ。

③なぜ、十分に潤滑しないのか。潤滑ポンプが十分汲み上げていないからだ。

④なぜ、十分くみあげないのか。ポンプの軸が摩耗してガタガタになっているからだ。

⑤なぜ、摩耗したのか。ストレーナー(ろ過器)がついていないので、切粉が入ったからだ。

・トヨタオリジナルの言葉を生み出して生産性の新指標としています。

自動化 不良品を判断して自動停止する機能

カンバン方式 生産ライン側が使った分だけ、部品製造側にその都度要求する仕組み

多能工 いくつもの工程をひとりの作業者が兼務する(作りためが起きない)

少人化 同じ数量の製品をできるだけ少ない作業者で完成させること。

○ジョージ・ストーク タイムベース競争戦略 利益を生む部分に絞って時間を短縮する

・時間短縮が生み出すメリット

①コストの削減

②コスト増を伴わない商品点数の拡大

③在庫負担の軽減(回転率の向上による)

④特注品への即応性

⑤結果としての高い利益率

・アマゾンは典型的なタイムベース企業である。

・即応性を手段にして顧客の身近な存在となり、顧客に自社への依存を高めさせる製品の多様性と
 即応性を高いレベルで両立させることで、発注時点から顧客に待たせない。即応性は最も利益が
 高い顧客の必要不可欠な存在になる武器となる。

・価値提供システムを最も魅力的な顧客に向ける。他社には魅力のない顧客だけが残る。
 最も魅力的な顧客とは、欲しいものを待てない顧客である。魅力の一番少ない顧客とは、せっかちな
 顧客が支払うほどの価格を支払わず、待とうとする顧客である。即応性に優れた企業は、せっかちな
 顧客から高い販売価格と低コストで稼ぐことができる。

・時間短縮は、いつの時代も顧客が常に求めること。

4.組織の限界を突破する実行力戦略

○野中郁次郎、竹内弘高 知識創造企業 組織として新しい成功の方程式を創造する

・組織の外にある知識を獲得し、内から殻を破り続けるコツ

・古い知識の陳腐化より速く新たな知識の創造を行う

①飛躍させ方向を与えるコンセプト創造

②体験を先行させて議論する

③具体化を促進する象徴的な言葉を使う

知識創造の最前線は新商品開発と密接に関係している。
既存の商品の陳腐化により、白紙の状態から発想が求められる。
組織の外にある知識を求めるため、企業は体験を先行させて議論を繰り広げる
必要がある。コンセプトに関連する体験を積み、暗黙知を集める。

・新たな成功の方程式を組織の外の世界と体験からつくりだす。

日本企業が知識創造企業の予言した力強い復活を成し遂げていない理由。

①海外企業が暗黙知の存在を新たに定義した。

②日本企業にあった日本的文化が薄れ、西洋思考化が進んだ。

○トム・ピータース エクセレント・カンパニー 人の動機づけでエクセレントな実行力を生み出す

・平凡な人から非凡な力を引き出す秘密

生産性に対して主要な意味を持つのは労働条件それ自体ではなく、労働者に対する経営者の配慮
なのだということである。

・挫折した合理主義と分析、人の熱意を引き出せない冷めた組織

私たちが異論を唱えたいのは、方向を誤った分析、複雑すぎて実用にならない分析、厳密すぎて
扱いにくく柔軟性のない分析、本質的に予知不可能な分析、現場から離れた管理者が現場に対して
管理中心の考え方で展開した分析などである。

・超優良企業をエクセレントにしている特質とは。

革新的な超優良企業の8つの特質

①行動の重視

②顧客に密着する

③自主性と企業家精神

④人を通じての生産性の向上

⑤価値観に基づく実践

⑥基軸から離れない

⑦単純な組織、小さな本社

⑧厳しさと緩やかさの両面を同時に持つ

8つの要素をまとめると

①大きくなっても小さな組織の俊敏さを維持する

②仕事に熱狂する動機づけできる企業文化を持つ

エクセレントカンパニーでも消滅している。その原因とは?

①8つの特質は成長の原動力ではない。

②技術革新の速い分野では8つの特質も意味をなさないときがある。

・小企業の大胆な実行力と社員を熱狂させる意味づけ。

○ジェームズ・C・コリンズ ビジョナリー・カンパニー 組織ビジョンで時代を超えて生き続ける

・永続する企業に共通する驚くべき8つの法則とは?

・ビジョナリーカンパニーの定義とは

業界で卓越した企業である

見識ある経営者や企業幹部の間で、広く尊敬されている。

私たちが暮らす社会に、消えることのない足跡を残している。

最高経営責任者(CEO)が世代交代している。

当初の主力商品のライフサイクルを超えて繁栄している。

1950年以前に設立されている。

・優良企業に対する神話と現実の違い

神話 素晴らしい会社には、素晴らしいアイデアが必要である

現実 アイデアは関係ない。まず会社を設立しビジネスを探した事例まであり、スタートで
    つまずいた企業も少なくない。彼らはうさぎとかめの寓話のように、スタートで遅れを
    とるが、長距離レースでは勝っている。

神話 ビジョンを持ったカリスマ的指導者が必要である

現実 カリスマ的指導者は全く必要なく、会社の長期展望にはむしろマイナスになることさえある。
    ビジョナリー・カンパニーのCEOは偉大な指導者になることよりも、長く続く組織を作り出す
    ことに力を注いでいる。

神話 優良企業は危険を冒さない

現実 ビジョナリー・カンパニーは外部から見れば保守的だと思えるかもしれないが、社運を賭けた
    大胆な目標に挑むことを恐れない。胸躍る大冒険だからこそ、人はひきつけられ、やる気になり、
    前進への勢いが生まれる。目標をうまく使って進歩を促し、過去の重要な局面で、競合企業を
    打ち破ってきた。

・ビジョナリー・カンパニー8つの生存の法則

①製品ではなく企業そのものが究極の作品と考える

②現実的な理想主義

③基本理念を維持し、進歩を促す。

④社運をかけた大胆な目標

⑤カルトのような文化

⑥大量のものを試して、うまくいったものを残す

⑦はえぬきの経営陣

⑧決して満足しない

8つの法則を3つに分類する

①製品ではなく企業そのものを究極の作品と考える

②特別な会社であるという自己認識を全員で共有する

③イノベーションと飛躍を計画する力を持つ

例:ソニーの会社創立目的

・技術者たちが技術することに喜びを感じ、思い切り働ける職場をこしらえる

・日本再建、文化向上に対する技術面生産面より活発なる活動

・非常に進歩したる技術の国民生活内への即時応用

・会社の成功とは、あるアイデアの成功だと考える企業家や経営幹部が多いが、こう考えていると
 そのアイデアが失敗した場合、会社まで諦める可能性が高くなる。そのアイデアが運良く成功した
 場合、そのアイデアに惚れ込んでしまい、会社が別の方向へ進むべき時期がきても、そのアイデア
 に固執しすぎる可能性が高くなる。

・特別な会社を目指し、特別な会社にいると従業員が信じる力

5.突出した成果を出す目標達成戦略

○ピーター・F・ドラッカー 経営者の条件 習慣を変えて個が組織の中で成果をあげる

・組織が個人の成果を妨げる4つの現実とは

①時間を全て他人に取られてしまうこと

②日常業務に取り囲まれていること

③組織で働いていること(自らの貢献を利用してもらう必要がある)

④組織の内なる世界にいること(外の世界の現実と離れている)

・組織のデメリットをはねのける5つの習慣

①何に自分の時間がとられているか知る

②外の世界に対する貢献に焦点を合わせる

③強みを基盤にする

④領域の集中

⑤成果を上げるための意思決定を行う

仕事の大河で上流に向かって泳ぐ習慣を身に付けよ。

○トム・ピータース エクセレントな仕事人になれ 自己コントロールで本来の実力を最大限に発揮する。

・なぜ人は期待されるほど、いい成果をあげるのか。

・人は誰でも自分のパフォーマンスを自ら制限している。

・5つの肝心なことリスト

①意義 私たちが全力を傾ける価値ある目的。

②空間 自由に動き回れる可能性。イニシアチブをとっていいと常に励まされている感じ。
      変化を起こす人だと思われているという期待。

③品格 過ちに対する思慮深さ。過ちに対する公正さ。自分に関わる全ての人に対する敬意。

④サービス 我々は必ず人に奉仕したいと願っている。あらゆるレベルのリーダーは従業員に
        サービスする。全ての従業員は同僚や、組織内・組織外の顧客にサービスする。

⑤エクセレント=できる 最終的な目標はエクセレント=できる。それ以下ではだめだ。

・自らの制限の解除エッセンス5つ

①あらゆる行動にいい意味づけを行う

②常に今より優れた自分をイメージする

③相手や周囲にホーソン効果を活用する。他社に注目し配慮すると、あなたが相手にホーソン効果を与える。

④チェックリストの効用をうまく使う。

⑤人との情報の交差点を作り出す。

・同じ仕事でもゴール設定すれば成果は段違いになる。あなたを熱中させるゴールを設定し、それを情熱的に
 追求する。

・理屈や分析の前に人間の熱意や積極的な行動を引き出せているか。

6.ライバルに勝利する競争戦略

○フレデリック・ランチェスター ランチェスターの法則 科学的な数理モデルで弱くても勝つ

・ランチェスターの法則は2つある。

①ランチェスター第一の法則 一騎打ちの法則 一人が一人を狙い撃ちする戦いの状態。

②ランチェスター第二の法則 集中効果の法則 集団が集団を狙い撃つ状態。

武器の性能が同じなら戦闘力は兵力の二乗に比例する。

・ランチェスターの法則を俗な言葉で表現すれば、市場占拠率拡大の法則は弱いものいじめ
 の法則であるということにほかならない。つまり、常に弱者に集中攻撃をかけること。
 これがランチェスター法則の結論である。

・自社より上位にある企業を競争目標と定めながら、攻撃する相手は自社より下位の弱者に
 すべきだということ。競争目標と攻撃目標を区別する。

・弱いものいじめの法則から導かれたナンバーワン主義。

①ナンバーワンの地域をつくる

②ナンバーワンの得意先をつくる

③ナンバーワンの商品をつくる

・豊臣秀吉、皇帝ナポレオンに共通する勝ちやすきに勝つ。

・集団で競うときの支配的に力学と個人的な感情を切り離す。

○マイケル・ポーター 競争戦略 攻撃と防御を攻略して競争に打ち勝つ

・防衛と参入、競争を基本としての2つのアクション

・5つの競争要因(ファイブ・フォース分析)

・3つの基本戦略(コストリーダー、差別化、集中)

・競争の基本としての2つのアクション

①自社の防衛力を高める 参入障壁をつくる

②他者の業界に効果的に参入する 参入障壁を突破する

・効果的な競争戦略とは、5つの競争要因ごとに防衛可能な地位を作り出すために、攻撃あるいは
 防御のアクションを打つことなのである。

・5つの競争要因(ファイブフォース)

①新規参入企業

②代替え品

③供給業者

④買い手

⑤競争業者

・攻撃するときの5つの競争要因

①新規参入が容易になる状態をつくりあげる。

②代替え品として既存品に置き換わる

③供給業者と他者の関係を破壊する

④買い手を新たな商品に誘導する

⑤競争業者の優位性を破壊する

・防衛するときの5つの競争要因

①新規参入が難しい状況をつくる

②代替え品がない独自性を追求する

③供給業者と特別な関係を築く

④買い手が浮気できない状態にする

⑤競争業者への優位性を維持する

・3つの基本戦略

①コストリーダーシップ 

効率の良い生産設備の追求、作業者が経験を重ねることによるコスト削減効果。
コスト経費の管理徹底、原材料入手方法の工夫、製造しやすい製品設計、コスト
分散が可能な製品のライン。

②差別化

製品設計、ブランドイメージ、テクノロジー、製品の特長、顧客サービス、ディーラーネットワーク
耐用年数の長さ。

③集中

買い手グループ、製品の種類、特定の地域市場、特定化することでの差別化、低コスト達成など。

・ポーターの理論の実践には手段の考案が不可欠。

○チャン・キム、レネ・モボルニュ ブルーオーシャン戦略 差別化と低コストで新しい市場を切り拓く

・競争しないことで高価格、高利益を実現する

・差別化と低コストでマーケットを拡大する

・魅力的な市場を見つける6つのパス

①代替産業に学ぶ

②業界内の他の戦略グループから学ぶ

③買い手グループに目をつける

④補完財や補完サービスを見渡す

⑤機能志向と感性志向を切り替える

⑥将来を見通す

7.問題を解決するフレームワーク戦略

○マッキンゼー&カンパニー 7S PMS 問題点を最速で浮かび上がらせる思考の枠組み

マッキンゼーの7S

機構(Structure)

戦略(Strategy)

スキル(SKills)

スタッフ(Staff)

スタイル(Style)

システム(Systems)

共通の価値観(Shared Values)

70年代まで2S(戦略・機構)を変えれば業績があげられる。
新たな隠されていた5Sを発見した。

・製品、市場戦略を決めるPMS

①市場分析から成功のカギ(KFS)を抽出 業界、製品でどんな要素が成功のカギかを見定める。

②自社の実力とKFSの隔たり  業界成功のカギと自社の実力の隔たりを理解する。

③実行計画を作成し、結果のモニターとフォローを行う
  分析結果から、自社がどのような戦略を取るかを決定し、計画を作成。実施を段階的に確認し
 結果に対して修正を行う。

・思考の枠組みを使って問題解決力を高める

①空(事実認識)空を見たら雲が多く暗かった

②雨(事実解釈)あと少しで雨が降りそうである。

③傘(行動・提案)傘をもってでかけるべきである。

事実と提案の中間の事実解釈を鍛えて思考の枠組みを生み出すトレーニング。

○ボストン・コンサルティンググループ 経験曲線、PPM 成功する企業の秘密を抽出して概念化する

①経験曲線

経験回数が増えるほど、効率が改善されコストが削減できることから、経験数とコストの関係をグラフ化
したものが経験曲線である。

②PPM(プロダクトポートフォリオ・マネジメント)

競争優位の差を発見する3つの視点

①異なる企業を比較することで競争力を抽出する

②市場の成長性を自社に取り込む

③コスト削減力を成長に結びつける

○フィリップ・コトラー マーケティング・マネジメント 売上をあげるためにいま何をすべきか発見する

マーケティングとは、多くの評者によって顧客を発見し、維持する技能であると定義されてきた。
しかし、我々はこの定義を次のように拡張しなければならない。マーケティングとは、利益に結びつく
顧客を見出し、維持し、育てる科学であり、技能である。

・5つのステップでマーケティングをマネジメントする。

①調査 市場機会の調査。不満や問題を抽出。理想的な商品、サービスを想定。

②STP セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング。
      同じニーズを持つ消費者区分(セグメント)を名確認して、自社がうまく満足させられる
      セグメントをターゲット化(目標)する。その上で自社のオファーより高く評価してもらえる
      ポジショニング(差別点を印象づける)していく。

③マーケティングミックス4つのP 4つのP 製品、価格、流通チャンネル、プロモーション
                     顧客が製品のポジショニングを理解できるように4つの要素を
                     設計する。意図した差別点の具体化のために製品・価格・流通・
                     プロモーションをつくりあげる。

④実施 マーケティング・ミックスで設計された製品、価格、流通、プロモーションを実施する。

⑤管理 最終段階は管理(コントロール)である。目的地と現在地を常に確認し、マーケティング計画を
      正しく機能させる。

・コトラーがGE幹部に投げかけた4つの課題

①新しい顧客とセグメントを考えよ

②新しい営業セ略を考えよ

③新しい価格設定および機器のための融資解決策を考えよ

④新しい製品特性を考えよ

・多くの人々はマーケティングとその下位機能である広告や販売業務と混同している。
 しかし、真のマーケティングは、どう売るかの販売技術ではなく、何をなすべきかを問うものである。

8.強い組織をつくるマネジメント戦略

○アルフレッド・D・チャンドラー 組織は戦略に従う 組織変革で景気の浮き沈みと市場の変化に対応する

①一つの製品は必ず景気の上下動を受ける

②資源を遊ばせないため新規事業が必要

③広がった製品・各顧客から目を離さない組織をつくる

○ヘンリー・ミンツバーグ 戦略サファリ 戦略を計画ではなく、実践から生み出す

・戦略の2つの種類

①戦略はプラン(意図された戦略) 先の見通し

②戦略はパターン(実現された戦略) 振り返るとわかる足跡

・ミンツバーグの創発的戦略

実現された戦略は最初から明確に意図したものではなく、行動の一つ一つが集積され
その都度学習する過程で戦略の一貫性やパターンが形成される。

・行動するために思考し、思考するために行動する。

・戦略を策定する行為は二本足で進んでいく、すなわちプランニングの足と創発の足である。
 ただし、プランニングは学習を排除するが、創発は統制を排除する。もし、一方に偏りすぎる
 と、どちらもその意味を失う。学習と統制は結びついていなければならない。

・戦略を見失ったら、行動の幅を広げてみよう。

○ゲイリー・ハメル 経営の未来、コアコピタンス経営 戦略をスピーディーに変え、魅力的な環境をつくる

・現代企業を悩ます問題

変化のペースの速さ、束の間で消える優位性、既存の技術を駆逐する画期的技術、従来の秩序を破壊する競争相手
細分化された市場

・近代経営管理の成功と奪ったもの

人間を標準やルールに従わせるが、莫大な想像力と自主性を無駄にする

業務に規律をもたらすが、組織の適応力を低下させる

世界中の消費者の購買力を増大させるが、人々を巨大組織に隷属させる

企業の効率を劇的に高めてきたが、企業の倫理性は高めていない

・新たな能力を手に入れる、経営管理イノベーション3つの挑戦

①規模の大小を問わず、戦略変更のペースを劇的に加速させること

②イノベーションを全ての社員の日常業務にすること。

③社員を奮起させて最高の力を発揮させる魅力的な労働環境を築くこと。

・経営管理イノベーションの原則

①スピードある戦略変更を可能にする

組織階層の上が現場に精通し、危機的な変化に素早く気がつく。

イノベーションは数が勝負なので、多様な戦略案を作り続ける。

現在のビジネスばかりでなく、将来のチャンスに投資する。

②イノベーションを社員が生み出せる環境を整える

ごく普通の社員にも創造力があるとCEOが信じている。

現状の戦略に対する過度の思い入れを捨てる。

現状の課題以外にも社員の業務時間を振り向ける。

③社員を奮起させる労働環境をつくる

自由によって自主性を喚起する。

コミュニティのように努力を結集する。

魅力的な目的で社員の熱狂を生み出す。

○ヨセフ・シュンペーター 経済発展の理論 新結合によって優位性を保ち続ける

経済における革新は、新しい欲望がまず消費者のあいだに自発的に現れ、その圧力によって
生産機構の方向が変えられるというふうに行われるのではなく、むしろ、新しい欲望が生産の
側から消費者に教え込まれ、従ってイニシアチブは生産の側にあるというふうに行われるのが
常である。

・イノベーションを生み出す5つの結合とは

①新しい財貨(製品のイノベーション)

②新しい生産方式(生産方式のイノベーション)

③新しい販路の開拓(販路・流通のイノベーション)

④原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得(原料・供給源のイノベーション)

⑤新しい組織の実現(組織のイノベーション)

・イノベーションは企業家の群れを出現させて好景気をつくる。

・企業家を阻む3つのハードル

①古い習慣から外れるため、経験より洞察が必要である

②実証済みのことではなく、新たなことを始める難しさ

③集団の一員が他と異なる態度をとることへの社会の抵抗と批判

・企業家はイノベーションを起こしつづけることによってのみ繁栄できる。

・シュンペーターが提示したイノベーション戦略

①新たな欲望を生む魅力を消費者に提示する

②5つの新結合をヒントにする

③企業家であり続ける

○ジョエル・パーカー パラダイムの魔力 新しいパラダイムでゲームのルールを変える

・解決できない問題がパラダイムシフトの引き金を引く

・パラダイムを転換する4種のアウトサイダー

①研修を終えたばかりの新人

②違う分野から来た経験豊富な人

③一匹狼

④よろずいじくりまわし屋

これらは無知と好奇心が武器になっていること。
既存のパラダイムに囚われず、新しい視点で物事を捉える意志がある。

・経営判断に役立つ3つのパターン

①パラダイムを変えずに顧客を変える。

印刷の速さと正確さが強みの企業はネットバンキングの時代小切手帳だけでは生き残れないので
銀行、オフィス、コンピュータ専用用紙やグリーティングカードを販売している。

②パラダイムを変えて顧客を変えない。

IBMは大型コンピュータを売っていたが、小型化とソフトウェアの重要性から地位を失ったために
ITソリューションサービスに転換した。

③パラダイムを変えて顧客も変える。

モトローラはカーラジオや家電製品の会社だったが、半導体関連企業へ転換した。

未来に問題解決できる余地は常に残されている。

○クレイトン・クリステンセン イノベーションのジレンマ 見えない市場に小さく挑戦できる組織をつくる。

①持続的技術(評価基準が同じ変化)

②破壊的技術(評価基準が違う変化)

・破壊的イノベーションで成功する原則

①破壊的技術の商品化は、それを必要とする顧客を持つ組織に担当させる

②小さな機会や小さな勝利にも前向きになれる小さな組織に任せる

③試行錯誤を前提として、失敗を早い段階でわずかな犠牲にとどめる計画を立てる。

④主流組織のプロセスや評価基準を利用しないように注意する。

⑤これまでと違う特徴が評価される新しい市場を見つけるか、開拓する。

ジレンマを打破する戦略

①違う基準で評価される新技術に目を向ける

②新しい市場へ投入する

③既存客に縛られない組織を意図的につくる

10.新たな生態系を生み出す21世紀の戦略

○ガワー、クスマノ プラットフォームリーダーシップ 他社を競争させて自社の利益を極大化する。

アマゾン、フェイスブック、楽天、ユーチューブなど大成功している企業に共通しているのは、
プラットフォームの提供で成功している。

プラットフォームとは、商品や情報のやりとりがされる場所を提供することで、プラットフォームを
生みだしていると言われている。

・顧客を競争させて利益を生むプラットフォーム戦略。

・プラットフォームの人間関係 主役になる参加者 観客になる参加者 舞台を提供する企業

・競争の導入で舞台側の権力が強化されることがこの戦略の重要な鍵である。

競争を導入するとは

①主役になれる道具を配布して、主役の数を増やす。

②顧客(観客)を囲い込むことで、主役を一つの舞台に集めて競争させる。

○スティーブ・ヘッケル 適応力のマネジメント 各人が自律的に判断、行動できるようにする

・勝ち続ける戦闘機パイロットの行動サイクルとは。

①環境からのシグナルを感知すること。

②それらのシグナルを解釈すること。

③可能な対応を選択すること。

④選択された対応を実行すること。

・環境変化のスピードに経営判断が追いつかない現代

・一寸先に何が待ち受けているのか予想もつかない危険な水路に漕ぎ出すために、我々は何を
 目指し、どのような手を打つべきなのか。

①センス&レスポンド 顧客の要求を感知し(センス)、リアルタイムで対応する(レスポンド)一連の
               行動を意味します。変化が予測不可能という前提に立ち、目の前の状況に
               適応することを目標にする。

②メイク&セル  変化が予測可能という前提で、計画されたことを効率的に行うことを目標にする。

・センスアンドレスポンドを実現する3つの枠組み

存在理由 その企業が存在している理由。何を主な業務としてどんな価値を提供するのか。

統治原則 何を実現したときに評価されるのか、逆に評価されない行動は何か。

ネットワーク組織設計 各部署は全体の中でどんな仕事を担当しているのか。それは別部署と
               どんな関係があるのか。

・仮説とセンス&レスポンドは相互に出現する存在。

・仮説のリスクを低減させる仕組み。リスクが低いことで仮説で広く可能性を追求できる。

リーダーのための戦略思考

リーダーのための戦略思考リーダーのための戦略思考
(2012/12/22)
不明

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リーダーが一番に備えておくべきは戦略的合理性に基づいた舵取りを行う能力である。
正しい判断、合理的な選択があってのリーダーシップである。

決断力           × 実行力        =経営力
(意思決定の内容は的確か?)   (現場の能力は十分か)
(意思決定のタイミングは的確か?) (現場を戦力化する指導力はあるか?)

合理的思考体系の強化←経験則←実行←戦略・決断

経営の基本方程式 売上―コスト=利益>ゼロ

どうやって売上を増やすか?(営業・マーケティング)
要はどうやって売りをつくるのか?
自社の取り柄を誰にどう売り込むのか?
売上減少はお得意さん自身が収縮しているのが起因しているので顔なじみのところに営業を
繰り返してもあまり効果はない。
顧客リストで休眠顧客にチャンスはないのか?新しい顧客は開拓できないのか?
彼らはどんなニーズをもっているのか?いろいろな切り口から自社の持っている製品や
サービスの特徴を評価してくれそうな顧客にあたりをつけガンガン売り込んでみる。
断られたのならなぜ断られたのか聞いてみる。
克服できる理由ならクリアして食い下がってみる。
そんなことを繰り返すことで自社が対峙している市場や競争の構図が見えてくる。

市場のニーズとその動向、競合他社の動きを踏まえることで、今度は自らの能力で勝負できるターゲット
顧客を設定し、その顧客に対してぶつけるべき製品・価格・販売チャンネル・宣伝方法がどうあるべきか
考えられるようになる。

自分たちの技術力・商品力をテコに新たなる用途向けの製品開発に取り組み、そこからどんな売上を
つくれるかというマーケティング戦略の発想が生まれてくる。

マーケティング戦略の発想にコストをしっかりコントロールして、その売りから利益を持続的に作り
だせる仕組みを構築する発想を組み合わせることができるのなら、商売設計(ビジネスモデル)の
出来上がりだ。

事業戦略案を出発点にPDCAを回しながら商売設計図をリアルな商売に作り上げていく。





どうやってコストを管理するのか?(生産管理やコスト管理)

売りとコストの経済的整合性をどうとるのか(事業経済性)

こうしたビジネスの歯車を回していくための経営資源を手に入れるための金回りを
どうするのか?(財務)

金勘定の基本、財務経理をしっかりおさえることだ。
資金繰り、現金の出入りについてメカニズムをしっかり理解し、そのうえで自社の現状と
課題をしっかりと押さえておくことが肝要。

戦略というものは金の流れと整合しなければ絶対に思い通りに動かない。


最も重要かつ取り扱いの難しい経営資源である人と組織をどうやりくりするのか(組織・人事)

こうした事項の統合的な施策体系(戦略)

こうした経営行為をいかに記録し、認識するか(簿記・会計)

1. 儲けの仕組み・事業の経済性を理解せよ

売りを作ることと、金回りのこととが、うまく噛み合い持続的に利益をあげるような儲けの仕組みを
作ることができるか。戦略作りの目的を経済的に定義すればそうなる。

1.将来は現在の延長ではなくなった

2.解のない世界を常識とする

3.環境の変化に対する適応能力を持つこと

4.妥当性のあるリスクをとること

5.社会の中で評価される企業の基本要件は継続性である

実行がなければ戦略とは言わない。
戦略計画は不完全で構わない。

経営者が夢を表現できること。

夢を実現するコミュニケーション。
現場のなかで自由に意見を交換できる場づくりが重要になっている。
小集団による現場での話し合いを通してお互いに学習する機会ができてくる。
お互い学習する習慣こそが戦略を実行する基盤になる。
コミュニケーションは知識の共有が必要になる。知識の共有が高まることで
変化に対応できる組織が出来上がる。学習する組織をつくる。

経営者の志と戦略

経営者自身が戦略的思考力を持って、競争環境の中で冷静に自社の強み・弱みの位置づけ
持てる経営資源(技術や顧客基盤は経営資源の代表的な要素)をうまく組み合わせて、持続的な
儲けを生み出すビジネスの仕組み、ビジネスモデルを再構成し続けることこそ求められている。


戦略思考とは?

1.戦略的事業単位をくくりだす

何について戦略をつくろうとしているのか定義すること。

2.顧客市場を正しく認識すること

自分の会社の未来にとって大きな意味を持ちそうか、否か、そこで思い切って優先順位付する。

3.競争状況の実態を把握する

各情報源のクセを認識しながら競争実態、競争相手の状況と競争の勝ち負けを決めている要因
に近づくことが重要だ。過去の話より現在と未来の話が重要になる。

4.自社の実態、特に経済性を見える化する

事業の経済性、つまり何が儲けを決めているのか?
価格交渉力、商品力、コスト競争力、生産規模、顧客の集中度、地域の集中度
自社にとって何をどう変化させれば売上が増え、かつコスト効率があがるのか、この実態をいつも
正確に把握していることは容易ではない。

社内に散らばっているナマのデータを、戦略的な意味合いにおいて取捨選択し、情報として加工・分析
して初めて、それは有用な戦略思考の材料として見える化される。こうした経営分析によって把握された
自社の事業の経済性、儲けの仕組みが戦略を組み立てる基盤となるのだ。

5.ポートフォリオ的な優先順位付の発想であれかこれか突き詰める

戦略的経営の本質は優先順位付、あれもこれもではなく、あれかこれかになる。

6.バリューチェーン上の優先順位付・ポジショニングを行う

開発→仕入→生産→物流→マーケティング→販売

7.顧客経済性(スイッチングコスト)に注目する

8.戦略としてストーリー化する

戦略とは絶えざるビジネスモデルの創造活動(PDCAを回し続けよ)

①より高い確率で成功する仮説を構築する能力(PLAN)

②この成功仮説で実践する行動力(DO)

③その結果を冷静かつ客観的に検証する観察力(Check)

④そこから改善仮説を導き出し実行する対応力(Act)

戦略実践の落とし穴(時間軸とトレードオフ)戦略とは捨てること

仮説思考とは提示された仮説に基づいて、情報収集、分析によって仮説検証を行い、それによって
妥当性を判断する思考である。利点としては効率的に迅速に判断できること以外に、過去の経験や
常識にとらわれずに判断できることが挙げられる。

仮説の立て方のポイント
仮説の目的を確認する(仮説で得られる成果は?)
独創的、新規性ある仮説が成果につながる。
具体的な行動につながる仮説にする
できるだけ定量的に検証できるようにする
仮説検証は妥当性を検証することで、正解を求めることではない。

仮説は日頃から問題意識をもって関係する情報に接することから生まれる。
問題意識がなければ仮説は生まれない。

仮説設定

仮説を検証できるのはどのような要素なのか(仮説を要素分解)

仮説を要素分解したことを検証するための情報、データの収集

論理的な妥当性を検証(ほとんどは帰納法による検証)

分解する手法として 戦略の3C(顧客・市場・競合・寺社)
マーケティングの4P(商品・価格・店舗・販促)
企業全体の7S(戦略・組織・システム・スキル・人材・企業風土・価値観)

事実に基づいた状況把握

状況把握に基づいた自分なりの解釈

自分の解釈から導かれた行動

PDCAサイクル

Plan 計画の策定・目標の策定

Do  計画を実行に移す

Check 実施した内容が相違ないかチェックする

Act 実施内容が不適切であれば改善して計画見直しを行う

経営分析

1.財務分析
2.財務情報以外の非定型情報分析
3.株価・資金繰り表など財務情報以外の分析

事実を把握する手法

論理的思考

言葉の定義と意味を明確にする。

事実を正しく捉える。

現在の状況を正しく認識する

曖昧な言葉は使わない

自分の意思を正確に伝える

妥当性を追求する姿勢

論理の基本 前提(根拠・理由)→(推論)結論

演繹法・・・前提が正しいことが絶対条件になる。

帰納法・・・個々の事実から本質的な結合関係を推論して結論を導く。
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