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知ってはいけない金持ち悪の法則 大村大次郎

あなたは日本は自由で公正な国だと思っているかもしれない。
自由主義、資本主義の国だから能力があり、努力すれば報わ
れるはずだ。法律も経済のルールも一応国民全体が公平、
公正になるようにつくられている。それは表面的なものである。
日本経済は一皮むけばアンフェアそのものである。
富裕層は政治に働きかけて様々な形で規制をつくり、競争相手
を潰したり、自分たちだけに恩恵のある税制や補助金を獲得
してきたりする。政治家には献金するが税金は出し惜しむ。

まず素人が投資で儲かることはほとんどない。プロのトレーダー
でも収益率5%を上回れば相当な凄腕と呼ばれている。
IT社長が富裕層の中心というのは錯覚である。日本においては
新興企業が全く育っていない。過去15年で100万社減少している。
富裕層で増えているのは大企業の株を大量に持っている人である。
配当を得ている人の収入が10年で2倍になっている。
更に大企業の役人は億単位の収入を得るようになっている。
2000年代億万長者は激増している。しかしサラリーマンの平均収入
は下げられっぱなしである。

不動産で儲けているのは昔からの地主、農家である。農地を相続
して20年農業を続ければ相続税はゼロになる。そのあと農地を
どうしようが自由。だから形ばかりの樹木を植えた農地にみせかける
ことがまかり通っている。この手の地主が市街化区域を広げない
ように政治家に働きかける。結果、駅前の一等地の広い土地を税金
を払わず相続し、そこにマンションを建てて左うちわという図式である。

開業医は金持ち職業である。開業医年収は3000万円、勤務医は
1500万である。開業医が持っている利権が診療報酬優遇制度
である。同じ診療報酬でも公立病院の報酬と私立(開業医)の報酬
とでは額が違う。再診料が570円なのが、開業医は720円。
同じ治療を行っても開業医の方がたくさん医療費を請求できる。
税金に関しても社会保険診療報酬の72%を経費として認められる。
課税対象はわずか28%である。また医療法人になれば相続税は
タダである。それらの利権は日本医師会が守ってくれる。

キャリア官僚は生涯で8~10億円を稼げる。この収入は退職後
10年で稼ぐ。天下り先を数年ごとに替えていき渡り歩く。
彼らは出世競争に敗れたあと悪知恵を尽くして自ら天下り先を
つくるのである。確定拠出型年金は税制優遇があるが、国の
手数料つまりピンハネを行い天下り先に金を流すために異常に
高く手数料を設定している。雇用保険や労災でもピンハネを行って
いる。結果、日本における雇用保険サービスは最悪になっている。

社会保険料や消費税は引き上げられているが、法人税や相続税
は引き下げられている。税務署と企業が手を組む、天下りの受け
入れを行っている。特定税理士OBのところには税務調査にはいか
ないという暗黙ルールがある。資本金1億円以上の大企業にマルサ
は踏み込んだことはない。

富裕層にだけ大減税が繰り返されている。所得税は75%から
45%に引き下げられ、住民税を18%から10%。日本は個人所得
税の負担率は欧米の半分も払っていない。日本7.2%、アメリカ
12.2%、イギリス13.5%、ドイツ12.6%、フランス10.2%。
名目は高く見えるが実質は極めて低い。更に株の配当や売買収入
は所得税は15.315%しかかからない。何十億収入があってもである。
住民税は5%である。米英独仏を見ても配当所得は金額があがれば
税率もあがる仕組みになっている。アメリカ14%(時限的で通常は
50%)イギリス10~42.5%、ドイツ26.375%、フランス30.1%。
このような株主優遇制度は小泉内閣の竹中平蔵によってつくられた。
以前は日本においても税率は35%であった。
日本は労働分配率が高い、だから経済成長が止まっているという
理屈を述べている。竹中氏は法人税率を10%以上引き下げ、高額
所得者の税率は20%以上引き下げられた。その一方で裁量労働制
の拡充でサービス残業が蔓延し、労働者派遣法の改正で派遣労働者
が爆発的に増えた。

日本の法人税率は高くない。租税特別措置法で国が定めた逃税
システムである。試験開発費特例がる。試験開発費の範囲は広く
大企業のほとんどは限度ギリギリまで減税を受けている。
法人税額の20%まで減税を受けることができる。中小企業は試験
開発費を支出する余裕がないので特例の恩恵を受けることはない。
また日本企業は欧米諸国と比べて社会保険料負担が非常に低い。
欧米諸国は法人税負担は低いが社会保険料は高い。

金持ちは徒党を組んで既得権益を守ろうとする。その総本山が
経団連である。その悪行の最たるものが労働法の改悪である。
非正規雇用の増大が日本の将来を暗くしている。正規雇用と
賃金で比較すると日本においてはダントツで低い。
通常の先進諸国では非正規でも正規雇用者と「変わりがない
生活が送れる。最終的にはこれらが少子化を加速させている。
消費税も法人税と所得税減税と引き換えに経済界の強い要望
で導入された。税金には本来所得再配分機能がある。
しかし消費税はこれとは全く逆の機能が働いている。
物価高の日本が消費税を上げるのはおかしい。
消費税は税金をモノの値段に上乗せする税金である。
日本の物価高からいうと日本の消費税は世界一高いのである。

先進国の中で給与が下がっているのは日本だけである。
一方で企業は内部留保金を増やし続けて、株主の配当は4倍
になっている。これに対して一般の庶民は金持ちに対して
徒党を組めと主張している。左翼思想を排したスマートユニオン
をつくることをすすめている。

最終的に富裕層を優遇する各種制度で一時的に儲けても
それらのことは日本の国力を低下させることになる。日本が
沈没すれば円の価値も下がり、日本人の金持ち感もなくなる。
日本企業の製品の購買者の多くは日本人なのにその購買者
を貧乏にする政策を企業は働きかけている。このまま日本は
沈没していくのだろうか。
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三度目の日本 堺屋太一

いま日本人は三度目の敗戦の状態にある。
日本人は近代に入って2度敗戦を体験してきた。
敗戦とは敵に国土を破壊され、占領されることだけをいう
のではない、一国の国民または住民の集団がそれまで
信じてきた美意識と倫理観を否定されることを言うのだ。
1度目は幕藩体制が崩壊を余儀なくされた1860年代。
そして大東亜戦争に敗れた1940年代である。
いずれも手痛い敗戦を喫したが、日本はそれを乗り越え
短期間で立ち直った。2度目の敗戦から70年を経た
2010年代三度目の敗戦ともいうべき状態に直面している。

敗戦とは価値観が大きく変わることである。
世の中の一番の基は価値観である。価値観というものが
世の中の形を決めるのだ。

価値観とはその時代の人々がよしとする意識や考えの集合体
と解釈してもよいだろう。価値観を分解すると構成する要素は
2つあることがわかる。それは美意識と倫理観である。
何が美しいかという美意識、そして何が正しいのかという倫理観。
この2つの要素によって世の中の価値観は成り立っている。

この価値観が変わるとき、世の中はがらりと変わる。
価値観に基づいて社会の大きな仕組みはできあがっている。
さらにその仕組みの各個体、主体が経済運営、政治活動、芸術運動
などを行っているわけだ。こうしたヒエラルキー、すなわち価値観が
まずあり、それによって社会が構築され、その社会のなかで人々が
活動するという上下階層構造が厳然として存在する。

敗戦とはこの価値観が変わることである。
何が美しいか。何が正しいのかという意識と考え方ががらりと変わる
こと。世の中の大転換、つまり敗戦現象と呼ぶのである。

なぜいまが三度目の敗戦なのか。1945年敗戦以降の戦後の価値観
倫理があり、美意識があり、経済の仕組みがあり、社会の成り立ちが
あった。現在、それらは明らかに通用しなくなっている。2017年から
2026年までの10年の間に二度目の日本が終わると著者は考えている。

1度目の日本は強い日本を目指した。2度目の日本は豊かな日本を
目指した。著者は3度目の日本を楽しい日本にしようと提言している。

江戸時代の価値観は天下泰平。徳川幕藩体制が希求したのは何より
も世の中が変わらないことである。
江戸時代の仕組みの大きな特徴は録(経済的な収入)と権(権力を握る
役職)と位(官位)が完全に分離していたことである。
日本の社会を安定させるためには全ての人に少しの満足と大きな不満
を与える。これが徳川幕府の安定社会の作り方だった。
変わらない社会を維持するためには人口を移動させない。増やさない
ことだった。軍隊の定義は3つある。第一は他にずば抜けて強力な兵器
を集団的に操作できるしゅうだんであること。第二は自ら戦場で働くこと
を前提とした組織であること。輸送や病院など自己完結できる組織。
第三は自ら法律をつくれる。軍事裁判ができる。江戸時代の武士は
この3つ全て欠いていた。天下泰平を価値観とする世では優秀な人材
とは様式美を兼ね備えた人間だった。様式美とは蓄積された伝統を
墨守することで成り立つ。つまり変わらないことである。
ところが奇兵隊などは様式美ではない組織を重視した。

明治維新の価値観は富国強兵と殖産興業となり、社会に求められる
資質は様式美から勤勉努力と進取の気性となった。価値観が変わると
中央集権と知識人優遇がその仕組みとなった。1918年第一次大戦が
終結した時が明治日本の頂点だった。ところが時代は大きく変わっていた。
第一次世界大戦で規格大量生産の時代に変わったのに日本の官僚は
全く気がついていなかった。この頃、日本の倫理に忠勇愛国があった。
勤勉努力と進取の気性もあった。しかし豊かさが正義だという意識は
全くなかった。明治維新の元勲が仕切っていた時代は現場の斬りあい
を経験していたので、発想は柔軟で度胸があった。しかし、学校卒業者
が行政機構の上層部を占めるようになり、臨機の対応と勇気を失った。
同僚を見渡し、決断を先送りする。

ペーパーテストの官僚の何が問題なのか。1つは記憶力に頼るため
自分が勉強したことには対応できるが、未知の事象には打つ手がない。
つまり創造性が乏しい前例踏襲である。2つ目は答えやすい問題から
解き、難問を後回しにする。これは問題先送りである。
高等教育機関が生み出した試験エリート。彼は創造性豊かで長期で
ものを考えることができない。それは戦前も戦後も変わらない。

官僚主導というシステムは誰が何を決めたか最後までわからない
仕組みなのだ。無責任体制になると国は何によって動くのか。
みんながみんな無責任だと要は時流、大勢の官僚の合意、いわば
無責任な大衆に流される。時流とは何か、時流をつくるのはその時代
の倫理観なのだ。戦前の時流をつくったのは当時正義とされた忠君
愛国、富国強兵、殖産興業である。1度目の日本は強い日本を志向
したのである。

2度目の日本はこれからは経済成長であり、効率と安全と平等が
目指すべき理想であるとした。吉田、鳩山、岸、池田、佐藤までは
首相が官僚出身者であったとしても政治主導だった。
これがいわば明治から大正までの元勲政治だった。
ところが田中内閣になってからは官僚主導になった。
官僚が政策の一切を取り仕切る。政治家は地域の調整役だった。
この公共事業をどこの地域につけるのか、割り振るのかは政治家
がやる。道路にいくら、河川にいくらと予算配分は官僚が決める。
政治家は官僚機構に対する陳情機関になった。

日本は安全で清潔な天国となった。ただその安住の地を失うことだけ
を恐れるようになる。かくして日本は夢と冒険のない社会になった。
日本という天国は多様性と意外性を失い、次に高齢化によって崩壊
しつつある。現在の日本人は幸せであるが、夢と楽しみがなくなって
しまった。三度目の日本は楽しい日本を目指そうと著者は主張している。
そのためには官僚主導を止めることである。

2018年戦争へ向かう世界 三橋貴明

安倍政権への批判で的を射た批判は保守派からの批判
ですね。具体的な点を指摘し、どうすればいいかというの
をはっきり提示している。

ナショナリズムとは国民同士の助け合いの気持ちである。
私たちは生きていくうえで何らかの共同体に属さなければ
ならない。共同体の最小のものが家族であり、最大のもの
が国家である。朝日新聞を中心にナショナリズムを軍事
防衛安全保障と短絡的に結び付けようとする傾向があるが
これは危険である。本来、安全保障とは国民の豊かで安全
な生活の継続を保障するという意味である。

そもそも現在の日本国憲法は日本が主権を持っていない
米軍占領下で制定されたものである。それを憲法として
認めている時点で日本国民も異常である。

著者は安倍政権ほど移民を受け入れた政権は過去にない
としている。移民の定義は出生地、市民権のある国に12
か月以上いる人と規定している。2012年に68万2000人だった
外国人雇用者数は2016年に108万4000人にたっした。
4年間で1.6倍である。そして日本においては保守も革新も
移民受け入れに賛成している。理由の1つ目が日本国民の
実質賃金を引き上げたくない経済界の意向である。
2つ目は我が国の右も左もグローバリズムが浸透し、国民
主権国家の政治基盤であるナショナリズム(国民意識)が
喪失しているからである。

大規模な自然災害や外敵の侵略など、日本国民が苦痛を
受けている際に、カネや利益と無関係に救わなければなら
ないという気持ちがナショナリズムの原点である。
安倍政権の緊縮財政で防衛や公共投資など安全保障関連
の予算を削る。規制緩和により農協や農業を痛めつけ、発電
分野に外資規制なしに誰でも参入できる。保険適用ではなく
自由診療を増やし、医療をビジネスと化す。外国との自由貿易
で国内の生産者を痛めつけ、各種の安全保障を危険にさらす。
とくに食糧安全保障。

緊縮財政、規制緩和、自由貿易というグローバリズムのトリニティ
は安全保障関連のサービスの供給体制を壊すと同時に、ナショナ
リズムまで毀損していくのである。欧米では反グローバリズムの
勢力が増している中、日本では保守的反グローバリズムが存在
していない。

税金の役割は公的サービスの財源、所得の再分配、景気変動
を抑制するビルトインスタビライザー(埋め込まれた安定化装置)
である。景気のいい時に高額所得者から税金をとり、不景気の
ときに負け組である失業者や赤字企業の税負担を減らす。
そういう意味では消費増税は所得が高い層に軽く、低い層に
重い、格差拡大をもたらす逆累進課税である。ビルトイン
スタビライザーが働かないのだから、欠陥のある税金である。

需要がない状況で生産性向上の投資に踏み切る経営者は
いない。何もしなくても条件なしの法人税減税で純利益が増える
といったありさまでは企業経営者は税金が増える以上、売り上げ
や粗利益を拡大する生産性向上に踏み切らなければならない
といった強迫観念にはかられない。
安倍政権の財政政策の誤りは生産性向上をもたらす需要拡大
に踏み切らず、緊縮財政をとったこと。企業経営者の投資への
モチベーションを引き下げる無条件の法人税減税を強行したこと
結果的に日本国民の実質賃金は12年から16年にかけて5%も
下がった。

国力はモノやサービスの生産力で決まる。
資源、生産、市場の3つが経済の基本要素である。
生産は資本、労働、技術の3つに分解可能である。
生産能力は投資により強化されていき、収穫逓増の法則に
より、国内の市場と資源のみでは不足する状況になっていく。
というわけで、アジア、アフリカへ資源と市場を求めて軍事力
など国力を行使していったのが帝国主義である。

ポピュリズムとは
①直接民主主義的手法を用いた政治 反議会、親マスメディア
②エリート主義と対立する民衆主義 反エスタブリッシュメント
                       (反議会、反マスメディア)

第二次安倍政権発足以降の就業者の増加は、正規雇用より
パート・アルバイト、派遣社員。生産年齢人口の男性ではなく
高齢者、女性の雇用拡大により実現した。実質賃金が低迷
しているのは、生産が拡大していないことに加え、企業が
労働分配率を引き下げているからである。労働分配率が
下がったのはグローバル株主資本主義による利益偏重経営
労働組合の弱体化、デフレによる人手過剰である。
この現実を踏まえ、政府が財政出動により、安定的に生産
(需要)が拡大する環境を構築し、更に労働分配率を引き上げる
規制強化を推進しない限り、安定的に実質賃金が上昇する
ことはない。

我が国では主権を意識した政治が行われていない。
主権、デフレ、ナショナリズム、安全保障、資本主義、生産性向上
といった概念を理解している政党や政治家は存在しない。
日本には2つの壁がある。1つ目が日本国憲法9条2項である。
2つ目は財政構造改革法(プライマリーバランスの黒字化目標)
である。このままいけば、待ち構えている未来は発展途上国が
いいところである。日本は滅びるということである。
実質賃金の異様な長期低迷、インフラの老朽化、自然災害への
脆弱化、防衛力の相対的な低下、科学技術力の凋落、教育
レベルの低下、地方経済の衰退、医療介護サービスの供給能力
の低下、少子化などである。これらは政府が予算を使うことで
解決する。使わなければ解決しない。

憲法9条2項とプライマリーバランスの黒字化の破棄こそが
日本の繁栄の道である。

こうして突破できる日本経済 宮崎正弘 渡邉哲也

アジアインフラ投資銀行の狙い

①中国が目指すアジアインフラ投資銀行なるものは、国際金融機関ではなく中国共産党の
  世界戦略に基づく政治工作機関である。

②あわよくば米国主導のブレトンウッズ体制(世界銀行・IMF体制)に代わる中国主導の金融
 秩序の構築をという中国の野心。ドル基軸体制に真っ向から挑戦し、人民元基軸体制を
 アジアに構築しようという壮大な戦略に基づく大風呂敷の構想である。

③この銀行を設立することは中国経済のひずみを解決するための出口でもある。
  諸外国へのプロジェクト融資を持ちかけることによって中国国内の余剰生産のツケを一掃
  することだ。鉄鋼、セメント、建材、石油副産物などの国内在庫を海外へ吐き出す機関ともなり
  うるし、失業対策に悩む中国が諸外国にプロジェクトを持ちかけ、それをファイナンスすること
 によって大量の中国人失業者を海外へ送り出せる。

④日米が主導する中国抜きのTPPと中国包囲網ともいえる日本の価値観外交そして、先進国
  が主導するインフラ投資の国際基準策定による実質的中国排除の動きへの牽制と見ること
  もできる。実際に中国はTPPni対抗するかたちでRCEP(東アジア地域包括的経済提携)という
 自由貿易圏構想の成立を模索しており、その拡大版としてTPPを巻き込んだFTAAP(アジア
 太平洋自由貿易圏)という構想をぶちあげている。アジアや国際社会から孤立を恐れた
 中国の対抗策であり、それを実現する買収手段でもある。

・中国は2014年末3兆4830億ドルの外貨準備があるとされているが、CIA系シンクタンクの調査
 によると、不正に外国へ持ち出された外貨は3兆7800億ドル。つまり外貨準備は底をついている。
 事実、米国債の保有残高を減らす。国家ファンドが保有していた日本株を売り払うなどしている。

・ウォール街の論理はグローバリズムであり、そのルールを決めているのは英国シティである。

AIIBへの英国の参加表明の理由

①英国にとってAIIBに加盟を表明しないことには情報が得られない。

②加盟国となれば、AIIBに規則や条件、定款の作成に英国が注文、条件をつけられる。
  シティのルールを尊重してくれるのかどうか?外国企業も応札が可能なのかどうか。

③ウィンブルドン方式。中国は2年前からシティにおける人民元取引を認め、同時に中国国債も
  取引されている。同じくフランクフルト市場でも行われている。

AIIBの致命的欠陥

①人民元拡大を狙う資本金がドル建てであること。

②資金振込にも至っておらず、拙速な開業でも16年、その頃に外貨準備が潤沢のままであると
  考えにくい。

③ロシアの思惑が複雑で読めない。ロシアの不満は中国主導の拒否権である。

1.アベノミクス効果が徐々に見え始めた日本経済

・日本の株価に影響を与えているのは黒田バズーカとGPIF、加えて原油安と円安です。

・GPIFは年金を運用する機関です。14年10月に方針変更で年金運用株式の比率を12%から
 25%へ引き上げられた。

・株式運用する分だけ国際買取額が減る。その分の国債をGPIFから日銀が買い取る。
 事実上の財政ファイナンスであり、政府が発行した国債を中央銀行が買い取る。
 財政ファイナンスは再現のない財政拡大が起こる可能性があるが、日本の場合は
 80%が国内消化で、全て円建てですから、それほど大きな問題はない。

・日銀は事実上の政府の子会社ですから、日銀が国債を買い取る場合は政府に戻って
 きます。政府が利子を払って日銀が利子を受け取る形になるが、利子は日銀から政府
 に戻ってきて、プラスマイナスはでないようになる。

・基礎的な人口構造と生活スタイルの大きな変化が日本国内で起こっている。
 労働者数が減って引退する人が増えると、家でゆっくりご飯を食べる人が増える。
 外へ出る機会がどんどん減っていく。それに合わせて街の構造を変えていかなければ
 ならない。

・国内で働いている日本人が景気が良くなったと実感できる社会をつくるのが、やはり国家
 としては一番正しい姿である。

・社会構造の変化の一つが核家族化だ。かつては三世代合計で家計を考えればよかったが、
 世帯が核家族化で個別になると、家計というものが変わってくる。世代間で格差感が出てくる。
 高齢世代は資産を持っているが、現役世代は賃金が安くなって苦しくなっている。

・海外の中央銀行は全員金融のプロのバンカーだけど、日本は役人がやっている。実務畑を
 知っている人が少ない。

・金融と金融工学というのは完全に理系の学問だ。

2.国土強靭化と国防産業強化を本気でやれば日本は成長できる

・シャッター通りの再開発は日本国憲法の財産権の問題で、これを解消しないといけない。
 公共の福祉と個人の権利が非常にアンバランスになっている。

・自民党憲法改正案の29条第三項には、私有財産は、正当な補償の下、公共のために
 用いることができる。という項目が追加された。権利義務関係と公共の福祉のアンバランス
 は解消を狙ったものだ。

・東京一極集中解消のために国家手動で人の移動を起こす。
 地方再生、地方創生のためには企業の本社を地方へ移してもらう。
 固定資産税の税率を変える。23区を高くして、地方へ行くほど安くする。
 そういう施策を中央主導でやる。

・自民党の地方分権案は当道府県を廃止して、道州議会にして、市町村は議会をなくして
 完全なサービサーにする。住民サービスのみを行う組織にする。現在の県の役人は国の
 出先機関の意識で国に従って働いている。国の役人たちがテリトリー別に権限を発揮しな
 がら県の役人を使っている状態です。国→県→市町村の三段階システムを二段階にして
 いく。広いエリアで地方再生を設計する。

・民主党案は地方に自治権を与えて権限を全て委譲するものだ。これは分裂国家にしろという
 極論である。

・ロスのない経済システムをつくってきたのが日本である。その効率性が東日本大震災の際に
物資不足を招いた。サプライチェーンの二重化、三重化が必要になる。一つのカンバンではなく
 3つのカンバンでやる。ある地域のチェーンが切れても、別の地域のチェーンを利用して生産を
 続ける。

・かつて企業はBtoCでしたが、今はBtoG(政府)に変わっている。BtoGに必要なキーパーツは
 日本でしかつくれない。このキーパーツにどうやって付加価値をつけて高く売り込んでいくか
 というのがポイントになる。

・原発停止で高止まりしている電気料金が製造業の国内回帰を阻む。

・日本には1700兆円の個人の金融資産がある。そのうち日銀買取を除くと、400兆円ぐらいしか
 市中に出回っていない。その理屈でいえば1300兆円はまだ国債を発行できる。

・新興国国債を証券会社や銀行が売るのかというと、手数料をたくさんとることができるから。
 円を売ってドルに替えて外国債を買う。売る時もドルを売って円を買うのでここでも手数料が
 入る。円建ての商品は為替手数料がゼロになる。金融機関としてはおいしくない。

・日本は1兆2400億ドルの米国債を保有している。

・新興国は国債ではなくサブプライムなど高金利の債権をたくさん持っていました。
 だから持っている債権が暴落して危機的な状況に陥った。

3.価値観外交はアベノミクス第五の矢になる。

・海外援助というのが実はアベノミクス第五の矢であり、外交とセットで売り込みに成功している。

・アフリカは国連加盟国193カ国のうち54カ国なので大きな票になる。

・見えない日本外交の核として実は南米外交がある。
アメリカの国家構造として年々ヒスパニックが増えている。
 ヒスパニック系はいろいろな政策で中国・韓国と対立している。
 ヒスパニックと黒人がつながってチャイニーズ・コリアンと対立している。

・南米は日本の先人たちが移り住んだので未だに日本人会が強い。
 南米経済の中核には日本人の子孫が多い。ヒスパニック系議員は南米の
 日本人会と手を組んで議会での勢力拡大をしようとしている。

・議会に日本議連というものが結成され、中心はヒスパニック系です。
日本は南米を通じてアメリカ議会内での日本の影響力を強める戦略をとっている。
日本の価値観外交によって南米各国のインフラ整備を支援している。

・一つのポイントが中国は援助の際、労働者を連れて行く。日本はインフラ整備に
 労働者は連れて行かない。日本から技術者を連れて行って技術供与をしますが
 作業員は現地で雇う。現地の雇用を生む。仕事を流す相手は現地の有力企業
 です。現地の有力者は日本が援助した金で儲かるし、政治家は日本の金を利用
 して票をとることができる。日本は現地の有力者に金を流して、結果的にたくさんの
 議員たちを手懐けている。

・そしてインフラのキーパーツを輸出するので金は返ってくる。

・JETROは輸出振興の機関だったが、80年代後半の日米貿易摩擦からインターナルで
 内向きに変わった。世界中のものをどうやって日本に輸入するかがJETROの役割に
 なった。

3.ことごとく失敗する中国の敵失を生かせ

・中国はアメリカの影響下から抜け出したいがゆえに人民元の取引決済を望んでいる。
 ところが人民元は事実上、香港ドルペッグになっている。その香港ドルは米ドルペッグ
 になっている。香港ドルはドル預託通貨といって民間銀行が発行する通貨でスタンダード
 チャータード銀行、HSBC(香港上海銀行)、中国銀行三行が発行している。
 担保は米ドル、中国がもつ米国債です。

・資源企業は人民元を受け取ってくれない。基本的にはリスクの少ない米ドル決済を望んで
 いる。カードカレンシー(国際決済通貨)化ということで、自国通貨が信用だけで取引できる
 ようにしたいと思って中国は頑張っている。

・アメリカにはIEEPA法(国際緊急経済権限法)という切り札がある。
 アメリカの国防上の安全を阻害する行為をした場合に、アメリカ政府はその人物や団体
 の資産を没収またか抹消できるというもの。

・アジア開発銀行は16.7%ずつ日米が出資している。15%のシェアを持っていると単独拒否権
 を行使できる仕組みです。

・中国が香港返還の際に一国二制度を約束した香港声明を無効にすると言っている。
 中国が貿易決済をする際には香港ドルを使っているが、これを発券しているのは
 中国銀行を除くとHSBC、スタンダードチャータード銀行です。香港ドルの取り扱いをやめる
 というふうなことになれば、通貨の信用はガタ落ちになる。

・中国銀行が発行している香港ドルは5%ぐらいである。のこりはHSBCとスタンダードチャータード
 になる。中国銀行はそれほど米ドルを調達できていない。

・船舶保険はイギリスのロイズが握っている。P&I保険(船主責任保険)と船舶の保険について
 1~2%上げただけでも中国の海運会社はアップアップになる。

・イギリスは金の価値を下げることもできる。ギルドメンバー以外の刻印だと5~10%目減りする。

・日本の国債発行は日本の法律に基づいているが、これは日本という国に信用があるからで、信用の
 ない国が国債を発行する場合はイギリスの法律に縛られる。

・アメリカとイギリスの金融は一体であり、ドル体制です。ウォールストリートを支えているのはシティの
 金融である。

・中国の不良債権は1000兆円。対GDP債務は282%です。

・自国通貨が弱い南米はスペイン金融に牛耳られている。

・温暖な地域では貯蓄性向が低く失業率が高くなる傾向がある。

○世界経済を本当に支配しているのは誰?

・金融に関しては金融ギルド。アメリカのウォール街をシティが支配している。
 金融に関してはシティ、船舶に関してもシティ、ルール作りの観点でいけば
 イギリス支配です。イギリスがルールを決めて世界経済を動かしている。
 
・鉄鉱石ギルド、石油ギルド、金ギルド、プラチナギルド、ダイヤモンドギルドなどがシティにはある。

・船舶の海上保険を日本で販売しても、日本の保険会社はロンドンで再保険をかけている。

・国際条約を結ばれる場合も英英語が使われる。国際間のルールはイギリスがチェックしている。







なぜローカル経済から日本は甦るのか 冨山和彦

現在の日本は従来の見方では説明できなくなっているのではないか?
新自由主義でも、社会民主主義でも適切な処方箋にならないという
新しい視点が面白いです。

新しい視点とは日本経済を見るうえでGとLの視点で見るべきだという
点です。Gとはグローバル経済、Lとはローカル経済、この2つの連関性
は薄い。かつて高度成長期はグローバル企業が活況になれば、その
下請けがある地方経済にトリクルダウンが起こり、国全体が経済が底
上げされていたわけだが、現在は全く別の経済圏だと捉えるべきたと
著者は指摘している。

Gの経済圏つまりグローバル経済圏は製造業やIT産業が中心となる
世界である。基本的にモノを扱っているところの規模の経済性が効く
産業である。量や累積経験値が、モノのコストや価値に劇的に大きな
メリットを及ぼす。製造業の扱うモノはトレーダブルグッズ。グローバル
マーケットで一斉競争が始まるので、比較優位のないものは瞬く間に
淘汰される。そこで競争を支配するのは規模や累積経験、マーケット
シェアである。

だから、グローバルの完全競争な経済圏では、日本がグローバル競争
に勝っても必ずしも大量の雇用を生むわけではない。
また海外生産に依存している限り、日本のGDPには一銭もカウント
されない。本社機能、本部機能などのマネジメント、研究開発R&D
生産拠点もマザー工場か、最先端工場しか残らない。
これらの経済圏では国内では上位数%しか雇用は吸収できない。

一方、ローカル経済圏は基本的に非製造業中心で、本質的にはコト
の価値(観ること、運ぶこと、治すこと、泊まることなど)を顧客に提供
しており、どちらかというと分散的な経済構造である。
具体的には鉄道、バス、タクシーなど公共交通、物流業、飲食業、
小売業、ホテル旅館など宿泊施設、医療、介護、教育などである。
基本的には対面でサービスが行われ、生産と同時にその場で消費
される同時生、同場性のある経済圏である。
経済圏の特性は密度の経済性が効き、不完全競争の世界だ。
小売業も真の競争は同じ商圏内でしか起きない。

地域やそこで生活する顧客との密着度合いが経済効率を決める
ので、下手にグローバル化を拡大、拡散するより、地域における密度
を高める努力をした方が経済的に儲かる。
密度の経済が効くローカル経済圏はグローバル経済圏のような空洞化
は起こりにくい。ローカル経済圏の産業領域は、対面でサービスを提供
するので、本質的には労働集約的になる。労働集約的であるため、
どちらかというと汎用的、平均的技能を持つ人材が求められる。
その意味では幅広い雇用吸収力がある。

そして現在の日本経済に7割を占めるのはサービス産業だ、そのサ
ービス産業のほとんどがLつまりローカル経済圏のものです。

ローカル経済圏での国際収支は赤字である。
国民経済的な視点でみれば、それを埋め合わせて余りある外貨を
グローバル経済圏で稼いでもらわなければ困る。この場合、貿易収支
で稼いでも、所得収支で稼いでも、どちらでも構わない。
日本のように賃金が高く、貿易収支で稼げないのであれば、海外の
子会社に稼いでもらって獲得した利益を配当という形で所得収支で
吸い上げればいい。

現在の貿易収支が悪化する構造要因は、基本的な要因はグローバル
経済圏の企業がいよいよグローバル経営に移行したということだ。
為替是正で円安になったにもかかわらずJカーブ効果、輸出競争力が
上昇し、トータルな貿易収支の黒字が加速する現象が起こっていない
ことからもわかる。

日本のグローバルプレーヤーが長期的に後退していった本当の理由は
事業環境や競争のメカニズムの変化の中で、しかるべき事業と機能の
新陳代謝を怠ったからである。構造的に儲からなかった事業をぎりぎり
まで引っ張る。バリューチェーンの構造変化の中で自社でやっても儲か
らない、比較優位を失っている機能をギリギリまで引っ張る。
経営者がまともな意思決定をしてこなかったということだ。

企業内部のポートフォリオを見ると全体の2割は収益をたたき出す事業
であり、6割はそこそこ稼ぐ事業であり、残りの2割が足を引っ張る義業
というパターンが多い。収益をたたき出す2割の事業の利益を、足を
引っ張る2割が食いつぶし、残り6割が計上する凡庸な利益にとどまる
というパターンだ。

足を引っ張る2割の事業や機能の終息を進め、本当に稼げる事業や機能
へ資源を集中する。日本の製造業は自らの強みに経営資源と事業モデル
を集中することができれば、高収益を挙げる力を持っている。

そのためには国内の立地競争力と競争ルールを整えることだ。
法人税の引き下げは立地競争力の問題。規制緩和については、グローバル
経済圏の領域ではかなり進んでいる。あえて言えば業種別では医療機器と
医薬品の分野、それと電力、エネルギー分野になる。業種横断的には、
やはり、人材市場回りの仕組みについて、ことグローバル経済圏で働く高度
人材の働き方と、従来型の日本的雇用ルールとの不適合の問題、海外から
くる高度人材に対する就労規制や生活支援関連の規制の問題くらいである。
新自由主義的政策は厳しいイノベーション競争で揉まれるという環境の整備
には有効だということだ。

Gの世界で生きる企業の最重要KPI(主要業績指標)は資本(物的、人的)
生産性になる。将来のキャッシュフローを現在価値に割り戻したものが
企業の本質的な価値だという考え方はどうかしている。
設備(物的資本)と知識(人的資本)の高度な集約化が必要なグローバル
競争では、高水準な先行投資、リスクテーク投資を持続することが求め
られる。それに堪えるには、基盤収益力、とりわけ資本生産性(ROE・ROA)
が高いことは稼ぐ力を持続するために必須なのである。
グローバル製造業やIT産業では、投下資本利益率ROICやROEが10%超
であることがマストである。
ローカル経済圏のリアル。

人口が減るということは、労働力が供給されないことを意味する。
ローカル経済圏においては他の場所から労働力が補われることは
ほとんどないので、その場所にいる労働力が供給源になる。
ローカル経済圏のサービス産業では労働力の供給は硬直的である。
需要が小さくなれば供給過剰になり、マーケットが飽和するというのは
トレーダブルグッズの発想である。

今後、ますますサービス産業のセクターは構造的な供給力不足になる
人手不足に陥る。まずこのことを前提に物事を組み立て直さないと
ローカル経済圏で暮らす圧倒的多数の人々を幸せにできない。

ローカル経済圏のビジネスの多くは、そこにいること自体が比較優位
になる。地域に密着していて、地域の密度をつくっていることが優位性
になるので、もともとそこにいるローカルプレーヤーの方が優位になる。
密度の経済性が効く産業では空洞化は起きない。
対面型サービスはその場所でやっていることに意味があるのだ。

規模の経済性やネットワークの経済性が効くグローバル経済圏の産業
は、概ね上位数社に寡占、収斂される。世界上位10社程度まで広げれば
マーケットシェア8割以上を占めてしまう。
しかし、小売業は世界上位10社合計しても10%にもならない。
教育産業や商業銀行も分散型だ。

ローカル経済圏の課題は穏やかな退出と集約化で寡占的な安定が目標
になる。淘汰が起きにくいローカル経済圏では穏やかな退出による集約化
がポイントである。ここに日本が他の先進諸国と比べて非製造業の労働
生産性の低さにあらわれている。労働生産性を高める伸びしろがあるし
労働生産性を高めれば賃金を伸ばすこともできる。今後、人手不足が
予想されるなか、喫緊の課題である。

市場の規律には資本市場の規律、製品市場の規律、労働市場の規律が
ある。穏やかな退出を促進するには、労働市場の規律を厳しくすることが
唯一の有効な方法である。具体的にはサービス産業の最低賃金を上げる
ことだ。賃金がどんどんあがって弱い事業者が悲鳴をあげてきたときに
そこに救済の手を差し伸べないことだ。サービス産業で最低賃金をあげて
も空洞化は起きない。最低賃金を上げると生産性の低い会社は人を雇う
ことができなくなる。ただでさえ低い生産性はさらに落ち込み、人手不足が
加速することで、顧客サービスも低下する。結果、退出するしかなくなる。

また退出のキーとなるのは地方金融機関のデッドガバナンスである。
収益力をみて、M&Aなどで生産性の低い事業を高い企業に譲渡すること
を推し進めていくことが求められる。

ローカル経済圏の労働移動はスムーズに進められる。
すり合わせ型の製造業なら特殊技能になってしまうので移動は困難だが
ローカル経済のサービス業はジョブ型になるので移動が促進される。

ローカル経済での最終目標は夫婦2人で燃焼800万円程度の世帯収入
があり、無理なく子供を育てられる状況を作ることである。

政策的な時間軸で考えると。
①グローバル経済圏での期待バブルフェーズが効果を見せているうちに
②グローバル経済圏で真の意味での成長戦略を実施し、成果を挙げなけ
  ればならない。そこで時間を作っている間に
③ローカル経済圏で実施する政策の効果が効いてくるという流れを設定
  しなければならない。

経済学者は明快な答えを導き出すことができる上場企業の議論に
偏りがちです。GDPの30%程度にすぎず、雇用はさらに少なく、企業
数に至っては数パーセントしかない上場企業に議論しかしないのは
本質から逃げていると著者は指摘している。多くの経済学者の頭の
中はいまだ昭和40年代の加工貿易立国で占められている。

経済政策や社会システムを議論する場合、そろそろ7割部分を占める
その他大勢についての議論をしっかりしなければならない。
サービス産業にどういう産業特性があり、どういう雇用特性があり、
どういう仕事の特徴があり、どういう人たちがどういう働き方をして
どういう生活をしているのか、ということを直視しなければ日本の成長
戦略は語れない。

著者は現在の日本で大きなパラダイムシフトが起きているといいます。
パラダイムシフトとは、疲弊した経済であるはずの地方で人手不足に
陥っているのだ。つまり、労働人口が減少が著しいからだ。
東北地方での労働力人口の変化を1990年と2012年で比較すると
90万人も減少している。東京は13万人増加しているが、いずれ同様
の現象が東京などの都市部に起こると考えていい。

だからハンドリングさえ間違えなければ格差問題は深刻化しない。
人手不足が進んでいくので賃金も上がりやすいからだ。

人手不足は人口減少の問題からきており、それを解消するには長い
時間がかかる。それを解決するには、労働生産性を上昇させる。
女性や高齢者の労働参加率を上げる。そして外国人労働者について
はまずは高度人材からにするということ。
よく安易な移民論議があるが、非高度人材を受け入れるということは
日本社会にすさまじい社会的ストレスを与えることになる。
ナショナリズムの問題はそう簡単に解決しないからだ。

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