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歴史に残る外交三賢人 伊藤貫

過去3世紀間の国際政治史において重要な仕事を成し遂げた3人
の外交家がいる。ビスマルク、タレーラン、ドゴールの思想と
行動を説明することにより、リアリズム外交の実態を理解する
ことができる。リアリズム外交はバランス・オブ・パワー外交
(勢力均衡外交)とも呼ばれる。国際政治において最も強力な
覇権国をカウンターバランスとして勢力均衡の状態を作ろうと
するというリアリズム外交のパターンは古代ギリシャから現在
まで25世紀間基本的に変わっていない。

古代ギリシャではアテネとスパルタがお互いの覇権と勢力圏を
バランスさせようとして激しく抗争した。欧州中世期には経済
成長、人口増加、技術革新が停滞していたため、バランスオブ
パワー抗争は一時鎮静化していた。しかし16世紀後半~17世紀
前半になると、スペイン、オーストリア、オランダ、ドイツ、
北イタリア等を支配するハプスブルク帝国が台頭した。
この帝国をカウンターバランスするために、フランス、イギリス
プロテスタント系のドイツ諸侯国、スウェーデン等が苛烈な30年
戦争を実行した。17世紀後半から19世紀初頭はルイ14世と
ナポレオン皇帝が君臨するフランス帝国が巨大になりすぎたため
英、墺、普、露、西が連携してフランスをカウンターバランスした。
そして20世紀前半にはドイツと日本の勢力圏拡大政策が英仏米露
四か国の連携によって阻止されている。21世紀になった現在でも
習近平の中国とプーチンのロシアがアメリカによる世界支配政策
(アメリカによる国際構造の一極化)を阻止しようと軍事的・
外交的に連携している。中露は正式に軍事同盟関係に入ったわけ
ではない。しかし両国ともアメリカによる中近東支配、東アジア
支配、国際金融支配、通商体制支配、宇宙支配、情報産業支配を
切り崩そうとして必死に戦っている。

ビスマルク・タレーラン・ドゴールは国際政治におけるバランス
オブパワーの維持を目的として自国の外交政策と軍事政策を運営
した人物である。彼らは個性的でダイナミックな人物であり、
知的、文化的にも洗練されていた。三人とも頭が良くて討論能力
に長けており、しかも深い思考力を持つ人物であった。彼らは
思想の潮流や圧倒的な世論、既成の政治勢力に対抗してバランス
オブパワー外交を実践するために孤立を恐れず奮闘した勇敢な
外交家であった。

最も娯楽的価値が高いのはタレーランである。彼は自分が悪党で
あることを世間から非難されても平然としていた。悪辣な政治家
がナポレオン戦争後に混乱した敗戦国フランスを救うために大胆
な忠国外交を実行した。ビスマルクは国際政治史を学ぶのに最も
役に立つ。そして現在の日本外交の苦境を理解するのに最も役に
立つのはドゴールである。我々日本人がドゴールの外交思想と
国家哲学から学べる教訓は多い。冷戦後のアメリカ外交は顕著な
失敗を繰り返して国際的な支配力を失ってきた。しかも日本周囲
の三独裁国(中国・ロシア・北朝鮮)は日本とアメリカをターゲ
ットとする核ミサイルを着々と増産してきた。しかし、日本の
親米保守・護憲左翼の両陣営はいつまで経っても1960年代と
変わらぬ対米依存ごっこ、非核三原則ごっこ、護憲ごっこを続
けるだけである。ドゴール大統領のアメリカの保護に依存しよう
とする国は自国の運命は自国で決めるという責任感を失ってしまう。
そのような国家は知的・精神的な不毛国家になるという指摘は
日本を見ると100%正しかった。

リアリズム外交のポイントは①国際政治の本質は常にアナーキー
である。世界政府など存在しない。無政府的で不安定な国際政治
の状況を少しでも安定させるため、勢力均衡の維持に努める。
②過去3000年間の国際政治において世界中の国に共通する文明
規範や価値判断、道徳基準は一度も存在しなかった。したがって
諸国は自国の思想的、宗教的、文明的な優越性や普遍性を口実
として他国に対して内政干渉したり、軍事介入するべきではない。
そのような行為はバランスオブパワー維持を困難にする。
③国際政治の行動主体は国民国家であり、国際機関や同盟関係
ではない。自助努力を怠る国家(戦後の日本)はいずれ国際
政治の急変事態において脱落国や隷属国となる運命に遭遇する。
この3点がリアリズム外交の重要なコンセプトである。

明治の元勲たちはビスマルクに影響され、外交政策と軍事政策
はビスクマルクのように大胆かつ攻撃的にやるものだと確信して
しまった。しかし実際のビスマルクは果敢な武断主義者から
慎重で避戦的な勢力均衡主義者に変わりつつあった。
1880年代ドイツ陸軍が世界一強力な戦争能力を獲得して周囲の
大国を撃破して領土を拡大する能力があることが明確になっても
ビスマルクは勝てる戦争をやってはいかん。ドイツに戦争は
不必要だ。これ以上戦争に勝ってもドイツの長期的な国益になら
ないと避戦主義の立場を堅持していた。ドゴールはビスマルクが
偉大だったのは、彼が自国の戦勝に慢心することなく、もうこれ
以上戦争は不必要だと判断する能力を備えていたことだと称賛
している。日本人はビスマルクの武断主義は理解したが、1871
年以降のバランスオブパワー外交を戦前の日本人は理解できなか
った。

ドゴールはもしフランスの防衛を他の同盟国に依存するならば
そのようなフランスは国家ではなくなる。どの時代においても
国家の存在理由の第一は自国の防衛である。したがって自国を
防衛しない国はそもそも国家とは言えないと述べた。
我々の運命を同盟国に預けるわけにはいかない。他国の好意に
依存するような国家は自国の運命に対する責任感を失い、自国
の国防政策に対して無関心になってしまうからだ。
政治思想家であり、戦略家であったドゴールが考案した国家哲学
や外交思想と敗戦後の日本の基本的な国策(吉田外交)はまさに
正反対のものであった。日本の安易な対米従属主義を軽蔑してきた
キッシンジャーは21世紀の国際政治はウィルソン的な国際協調で
はなく、むしろドゴールが予測していた多極構造下におけるバランス
オブパワー体制となる。また多極化と他文明化の方向に着々と進ん
でいる。米政府や対米従属主義の日本政府が望んでいた米国が君臨
するグローバリスト的一極体制ではなく、多極構造下のバランスオブ
パワーへの移行が明らかになってきた。もし護憲左翼と拝米保守の
日本人が今後も自主防衛して、自国の運命に対して自分で責任を
とるという当たり前の義務を実行するつもりがないなら、日本は
米中朝露の四核武装国の熾烈なパワーポリティクスの荒波に呑まれて
沈没していくだろう。今から10年後、20年後には東アジア地域の
パワーバランスは中国優位、米国劣位となっている可能性は高い。
米国の政治家は中国と軍事衝突してまで日本を守ろうとする意図
などない。大部分のアメリカ国民は東アジアの支配権を巡って米中
が戦争をすることを望んではいない。敗戦後、アメリカの保護に
ひたすらしがみついてきた依存国家日本の鎮魂歌が聴けるのは
もうすぐである。そのような運命を避けたい日本人はドゴールの
国家思想と外交戦略に学ぶべきである。
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日本人のためのクレムリンメソッド

日本人の知らない「クレムリン・メソッド」-世界を動かす11の原理日本人の知らない「クレムリン・メソッド」-世界を動かす11の原理
(2014/12/15)
北野 幸伯

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世界情勢を正確に判断するための原理をわかりやすく解説してます。

世界の本当の姿を見るための大前提①

あるたままに事実のみ見る。

世界の本当の姿を見るための大前提②

特定の主義思想に偏らない。

そして、事実は言葉ではなく行動に現われる。

第一の原理 

世界の大局を知るには主役・ライバル・準主役の動きを見よ。

一国の影響力と国力を測る基準は品格ではなく、経済力と
軍事力である。

経済力で見ると

主役アメリカ ライバル中国 準主役日本、ブラジル、ロシア、インド

軍事力で見ると主役アメリカ ライバル中国 

世界の中心はアメリカと中国中心に回っていることがわかる。

アメリカは経済・軍事において主役であり、超法規的存在である。
国際社会において法に行動を制限されないし、報復を恐る必要
はない存在だからだ。

国家が戦争を始めることができる理由は他国が攻めてきた場合
に相手に報復する自衛権。もう一つは国連安保理が攻撃を承認
した場合。イラク戦争はこの観点で見ると完全に国際法違反で
ある。だけどアメリカは超法規的存在なのである。

第二の原理 世界の歴史は覇権争奪のくり返しである。

トップを目指したい国や個人がいる。
人間の本質は権力(あるいは力)への意志だ。

①16世紀は主役スペインとライバルポルトガルの覇権争い。

②17世紀は主役オランダとライバルイギリスの覇権争い。

③17世紀末は主役イギリスとライバルフランスの覇権争い。

④20世紀前半主役イギリスとライバルドイツの覇権争い。

⑤20世紀後半主役アメリカとライバルソ連の覇権争い。

近い将来、米中覇権争奪戦争は代理戦争という形で起こる。

第三の原理 国家にはライフサイクルがある

前の体制から移行期(混乱期)→成長期→成熟期→衰退期

①移行期 絶えず内政が混乱している国は移行期、混乱期。

②成長期 政治が安定すること。まともな経済政策が行われること。

③成熟期 高度成長はストップし、低成長になる。

④衰退期 支配層が政治に飽き、汚職や過度の贅沢を行い財政赤字
       を膨らませる。増税を課し、国民の恨みが溜まっていく。
       治安が悪化し、革命が起こる。そして移行期になる。

成長期か成熟期か判断するには、賃金水準と人口増加が止まること
に注目する。

中国の国家ライフサイクルは日本の30年遅れである。

覇権国家は一度没落すると返り咲かない。

日本は欧米と友好関係を維持しつつ、インドとの関係を緊密にしていく
欧州、アメリカ、インド、ロシアとの関係をよく保てば、日本の未来は
安泰である。

第4の原理 国益とは金儲けと安全の確保である。

国民の金儲けがうまくいけば、首相や大統領の支持率は高く、政権は
安定する。

どんな国でも経済成長が政権の最重要課題である。

世界はあらゆる国の国益=金儲けの利害関係で動いている。

外交は内政の延長である。
内政の最重要課題は金儲けであり、外交の最重要課題の一つも
金儲けである。

日本は平和憲法があるから安全なのではなくて、世界最強国家
アメリカとの安保条約を結んでいるからである。

お金を設けて軍隊を強くする富国強兵が基本。
通常の国家はいつも自国の安全を確保しようと試みている。

大国は他の大国に勝ち、小国を支配するために小国を守る。
小国は大国からの侵略を防ぐために他の大国に接近し、大国は
自分のパワーを増大するために小国を守っている。

第5の原理 エネルギーは平和より重要である。

エネルギー源の確保は金儲けであり安全確保である。
エネルギーなしには国家も個人も生き残れない。

エネルギーがなければ国の安全は守れない。

第6の原理 基軸通貨を握るものが世界を制する。

アメリカは世界最大の貿易赤字国、財政赤字国、対外債務国
である。これを続けられるのはドルが還流しているからだ。
高金利政策、流出したドルでのアメリカ国債の購入、アメリカ株
そして最大の理由がドルが基軸通貨だからだ。

基軸通貨であるということはドルの需要がある。
アメリカと他国との貿易決済通貨としての需要。他国と他国との
貿易決済通貨、外貨準備として、世界中の民間人がドルを保有
している。ただし、長期的にはドルは下落し続ける。

基軸通貨のメリットは他国なら赤字分のドルを借りて支払わな
ければならないが、アメリカだけは必要なだけ紙幣を印刷できる。

全世界に、西欧にとって脅威は存在しない。脅威がないのだから
アメリカに支配され続ける理由がないということでユーロが誕生
した。石油の決済通貨をドルからユーロにシラクとフセインは画策
した。

ドル体制防衛はアメリカにとって死活問題。
プーチンはロシア産資源の決済通貨をドルからルーブルにした。
狙いはドルが基軸通貨でなくなればアメリカは没落する。
基軸通貨でなくするには、その使用量を減らせばいい。

第7の原理 国益のために国家はあらゆるウソをつく。

国家は本音と建前を使い分ける。
本音というのは真の動機、利益である。

建前とは真の動機を隠すためのもっともらしい理由やきれいごと。

大国の指導者がアナウンスしている建前をそのまま信じてはいけない。

第8の原理 世界の全ての情報は操作されている。

世界にはたくさんの情報ピラミッドがある。

英米ピラミッド、欧州ピラミッド、中共ピラミッド、クレムリンピラミッド、
イスラムピラミッド。

ピラミッドが違えば報道内容が全然違う。
なぜなら、その国の政府が国民、世界に対してプロパガンダを行
っている。プロパガンダとは特定の思想、世論、意識、行動に誘導
する意図を持った宣伝行為である。それぞれのピラミッドにとって
都合の良い情報が流される。

日本は米英の情報ピラミッド内にあって洗脳されている。
洗脳を成功させるには2つの条件が必要になる。同じ情報をくり返し
くり返し与え続けること。二つ目は他の情報を遮断する。

著者の情報収集の情報源は一つは人、もう一つはメディアである。
秘密情報の98%は公開情報の中に埋もれている。

ニュースを見るときは主役とライバルの動向に注意を払う。
現在ならアメリカと中国の動きです。
時間があれば準主役の欧州、ロシア、インドの動きも。

もう一つは国益にまつわる重要なテーマです。
金儲け、軍事、資源、基軸通貨。

ヤフージャパンのニュース、政治、国際をチェック。
経済で経済総合をチェック。これらを見るときは国益の
テーマに絞って見る。一ヶ月ごとに区切ってコピペして
データを保存している。

あとはNHKBSのワールドニュースで各国のニュースを
チェックしている。

第9の原理 世界の出来事は国の戦略によって仕組まれる。

人間は目に見える肉体的な行動を起こす前に心の中で行動の
意思決定を行う。

目標を定め、そのために必要なことは何かと、念入りに計画する。

どうすれば戦争に勝つことができるのか。
その方法を考えることを戦略を立てるといいます。

戦略(企み)が先にあり、歴史的な事件や事象はその後に起こる。

中国はアメリカ、ロシア、韓国で日本を袋叩きにしよう画策した。
そのために強力なプロパガンダ(戦略)を行った。日本は第二次
世界大戦の結果を認めていないという宣伝で日本を孤立化させる。
アメリカ、ロシアは連合国なのでこの手のプロパガンダは効く。
そして、その起爆剤になったのが安倍総理の靖国参拝なのです。

中国の狙いは

①日米を分断する ②尖閣諸島を占領 
③アメリカの助けを得られず日本を撃退する。

第10の原理 戦争とは情報戦、経済戦、実戦である。

戦争は武器を使って殺し合うものだけではない。
前も、その最中も情報戦と呼ばれる戦争が行われます。
その情報戦の目的は我が国は絶対善であり、敵国は絶対
に悪であると国内外に信じさせること。

情報戦争①

国民を洗脳する。自らの望んで戦争するように国民を
プロパガンダで洗脳しておく。

情報戦争②

国際社会を洗脳する。
ウソを100万回言って、国民と国際社会を信じさせるべし。
中韓が日本に関して大嘘を世界に流布しているのは彼らの
認識は戦争を行っているからだということだ。

殺戮戦争の前に経済戦争でできるだけ相手を痛めつけておく。

経済戦とは経済制裁である。

日本が生き残るためには、まず情報戦争で勝つことが大切。

第11の原理 イデオロギーは国家が大衆を支配する道具
         に過ぎない。

ケインズと新自由主義は頭痛薬と胃薬の違いだ。
経済の病状によって使い分ければいいのだと。

ソ連のエリートは共産主義など信じていなかった。

もともと国家やリーダーは大衆をたくみに支配したいという
目的、意図がある。そのための理論、主義、思想、イデオロギー
などを考える。

アメリカのエリートは世界を支配するために挙げた理論が4つ
ある。

①デモクラティック・ピース・セオリー 

民主主義国はお互い戦争しない。民主主義国の外交政策は
平和愛好的である。

②デモクラシーユニバーサリズム

民主主義は普遍的な価値観である。

③主権制限論

ある国の独裁者が自国民を大量虐殺したり、大量破壊兵器
を保有した場合は、ならず者国家に対して軍事力を行使する
権利があるとするもの。

④ヘゲモニック・スタビリティー・セオリー

覇権国家が強力であれば、世界は安定する。

バカな外交論

バカな外交論バカな外交論
(2014/10/08)
高橋 洋一

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そもそも外交とは何か。
一言で言えば「貿易」と「安全保障」について他国と話し合うことであると
著者は説いています。また著者は徹底した自由貿易論者であり、その
あたりについては意見が相違するものの、新しい視点が面白かった。

国益のために外国と渡り合うのは政治家の重大な役割であり、それを
外交と呼ぶ。外交には国益がかかっている以上、その動向は国民の
利害に直結する。

経済的な結びつきが強ければ、軍事的な結びつきを強くなる。
逆もしかりである。貿易は、戦争が起こる可能性が極めて低い国
すなわり安全保障条約が結ばれており、軍事的な結びつきが強い国
と行うことが前提となる。貿易が盛んな国とは、必然的に安全保障の
関係も強まる。お互いの利益を守るためには、軍事的な争いを避ける
ことが一番だからだ。EU各国はNATOという軍事同盟によって結びつき
を強めている。

日本のみならず世界を良い方向へ導くためには、自由貿易を進める
ことが、最良の解である。輸出や輸入に関わる規制や関税を取り払って
自由に売り買いする。貿易が自由になると、それぞれの国が豊かになる。

自由貿易の下では、双方の国の生産者が国内生産者であると同時に
海外生産者にもなることで、お互いの利益を伸ばすことになる。

外交交渉は合コンと同じ。
とりあえず声がかかったら、よほどひどいメンツではない限り、とりあえず
行ってみる。一事が万事、交渉とは内容が国益にかなうかを見極めるため
に参加するものだ。

企業の赤字、黒字は損得で見るものだが、国の貿易収支の赤字、黒字は
損得で見てはいけない。売った額より買った額の方が多いと貿易赤字に
なる。これは企業や家計でいう収入より支出が多いことによる赤字とは
根本的に違う。輸入する企業も、輸出する企業もそれぞれの分野で成功
することが国を支え栄えさせる。輸出の総額と輸入の総額を単に差し引いた
金額は国の経済力や経済成長率とは何も関係ない。

重要なのは国の経常収支が黒字かどうか。

経常収支
貿易収支・・・モノの輸出入の差し引き額
サービス収支・・・サービスの輸出入の差し引き額
第一次所得収支・・・外国への直接投資や証券投資の収支
第二次所得収支・・・外国への無償資金援助や援助物資の額

アジアに共通通貨圏が向かない理由。
最適通貨圏理論 ロバート・マンデル
近い距離にあって、人や物が活発に往来する国々、また同程度
の経済力を持ち、何かショックがあったときにGDPが同じように
変動する国々であれば、共通通貨圏を形成するメリットがある。
EUでもギリシャのような同程度の経済力を持たない国は共通
通貨圏に入るべきではないことを示した。
アジアでは共通通貨圏の形成を目指すのではなく、自由貿易を
進める自由貿易圏を作ることで、経済的な結びつきを強めていく
のが一番いい。

国際金融のトリレンマ
①固定相場制 ②金融政策の独立性 ③自由な資本移動。
このうち2つは同時に実現できるが、3つ目を実現させる
ためにはどれか1つを諦めなければならない。

①固定相場制は為替変動のリスクに影響されないために
経済力の弱い国が通貨安定のために有効な手段。
②金融政策の独立は、一国の中央銀行が独自の判断で
金融政策を行えることを意味する。中央銀行が物価の安定
のために世の中に出回るお金の量を調節する。
③自由な資本移動とは、他国からの自由な投資を認めること。

日本、アメリカは①の固定相場をなくして、②金融政策の独立性
③自由な資本移動を行っている。EUは①と③をとって②の独立性
を放棄している。他方中国は①と②をとり、③を放棄している。

安全保障には似た者同士の集まりが有効。
民主主義同士の国は戦争をしない。
安全保障とは、裏を返せば、どのような場合に安全が脅かされる
かを想定し、先手を打っておくこと。
似た者同士でまとまっておくこと、集団的自衛権で守り合う体制を
作っておくことが、似ていない独裁国家への牽制になるのだ。

民主主義より先に自由貿易を広める。
自由貿易と民主主義はともに自由の理念が通底しており、自由貿易
は民主主義にもっともフィットする。自由貿易は民主化を進める原動力
になる。

経済制裁にこそ抜け穴が必要。
経済制裁は本当に相手国を経済的に困窮させることが目的ではない。
私たちは怒っている、行動を改めなさいという政治的メッセージを送り
相手国の為政者に間違いを気づかせ、方針を改めさせるのが目的
です。だから、抜け穴を見過ごし、相手国の逃げ道を残しておく。

安全保障では外務省と防衛省とで綱引きがある。
そこで外務担当と防衛担当のツープラスツーでの交渉になる。

中国は積極的に自由貿易を進めることができない。
泣き所は中国が一党独裁であること、その一点である。
自由貿易を進めると、一党独裁体制が崩れる可能性が高い。
自由という価値観が一党独裁政権の価値観と相容れない。
これは国際金融のトリレンマで説明できる。
中国は固定相場制である。この固定相場による通貨安で
中国の成長を支えてきた大手輸出企業の既得権がある。
さらに国内の物価の安定のためには金融政策を放棄する
ことはできない。そうなると資本移動の自由を放棄するしか
なくなる。しかしながら、通貨安はインフレを招く。
一部の特権階級の利益を守るために、一般国民がインフレ
に苦しむ羽目になっている。

資本移動の自由がないと、土地も企業も国有が大半の中国
に投資する場合、交渉相手として常に中国政府が関わって
くる。中国政府の心一つで大損を被るリスクと隣り合わせ
なのだ。余計な面倒と心配がついてまわる国とは、親密に
付き合いたくないと投資する側の国は考える。
中国はじわじわと国際的に孤立しつつある。

中国は経済弱小国が成長する際に、必ずといっていいほど
通るポイントがルイスの転換点です。限界に達した安い
労働力以外の要素をもって、経済の停滞を防ぐことができる
かが中国の課題になる。

中国の歪んだ経済。
一つ目は中国経済の闇である。シャドーバンキング問題があり
その規模は30兆元(500兆円)GDP比で60%にものぼる。
シャドウバンキングは銀行→企業ルートの委託融資と貸付債権
を小口化した理財商品とがある。資金需要者のメインが地方政府
の投資会社・融資平台が高利で借り、地方政府の指示で道路や
ダムなどのインフラ開発資金に使っている。

変動相場制への移行という経済改革を行えば、中国はルイスの
転換点を乗り越えることができるし、シャドーバンキング問題を
解決することもできる。しかし、既得権益層のためには固定相場制
を守りたい。この板挟みになっているが、中国の現状だ。

戦争回避のためにある集団的自衛権。
集団的自衛権は行使容認した方が日本国民の安全が守られる
からだ。夜道を歩くなら、一人で丸腰より、グループで歩いた方が
安心である。似た価値観を持つ者同士でまとまって、脅威となる
相手には、その協力関係を公言しておく。そうなれば、相手国も
やすやすと手をだせなくなる。

二つの国がぶつかりそうな場合、当事国の同盟国が第三者的
立場からやめろと言えるのが、集団的自衛権の重要な機能の
一つである。

外交というのは安全保障と貿易という視点が面白かった。
外交のある意味原理原則を学び直すという点で面白い本だと
思います。

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