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石油の埋蔵量は誰が決めるのか

石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門 (文春新書)石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門 (文春新書)
(2014/09/19)
岩瀬 昇

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国際情勢が混沌としている。昨年の3月ロシアによるクリミア併合、6月には
イスラム国によるイラクにおける支配地域の拡大は原油生産能力の増強を
スローダウンさせるだろう。イラクは既発見未開発油田が多数あり、短期で
開発生産できる国だ。ロシアにしても国家予算の半分をエネルギー輸出に
依存しているし、西欧は必要なガスの36%をロシアから購入している。

日本の貿易赤字は2010年まで黒字だったが、2013年には11.5兆円に
上った。原因はLNGスポット輸入が原因だと言われている。
2013年度の日本のエネルギー構成比は石炭30.3% 石油14.9% 天然ガス
43.2% 原子力1% 水力8.5% 再生エネルギー2.2%
2010年と比較して29.6%あった原子力が1%に減る一方、石炭 25%→30.3%
石油7.5%→14.9% 天然ガス29.3%→43.2%という結果になっている。

LNGは通常20年契約で購入するが、今回のような緊急事態の場合は
スポット契約で購入している。

LNGとは-162度で液化して体積を1/600にして専用タンカーで消費地に
運び、専用タンクに陸揚げし、再度気化して天然ガスとして使用している。
LNGプロジェクトを構築するためには、通常、探鉱・開発・生産作業及び
液化装置、LNG専用タンカー、再気化装置などを建造しなければならない。
必要な資金額は年産1000万トン級のプロジェクトで7000億円~1兆円と
言われている。これには受け入れ基地の建設費は含まれていない。

全世界の天然ガスの生産量は30億5990万トン(石油換算)、うち貿易量
は30%の9億3489万トン、残り70%は生産国内で消費されている。
貿易量のうち69%はパイプライン、LNGとして取引されているのは31%。
日本の輸入量は2013年8806万トンで世界全体のLNG貿易量の37%。
消費量全体の3.5%である。

日本のLNG輸入先は、まずはアラスカ、アブダビ、マレーシア、豪州、
カタールと推移してきた。LNG購入の理由は公害対策だった。
硫黄分の排出を抑えるためだった。

米国におけるシェール革命の理由は、その好環境にある。

①起業家魂
②鉱業権は政府ではなく土地所有者のもの。交渉がややこしくならない。
③パイプライン網、誰にでも使える。
④資機材(水を含む)、人材、技術力、鉱山学部の充実。
⑤周辺サービス産業、サブコンと呼ばれる石油技術開発会社の存在。

シェールガス、シェールオイルは水圧破砕法により、散財しているシェール
層の天然ガスを一箇所に集め、水平に掘削していくことで採取できる量が
大幅に増えた。ただしオイルはガスと比べて亀裂を通って集まる量が少
ないため掘削のコストは高いバレルあたり60~70ドルと言われている。
ただし、この掘削には職人芸ともいえる技術が必要になる。
他国で掘削する場合は同様の生産性を実現するのは難しい。

シェールオイル埋蔵量
1位ロシア 750億バレル
2位アメリカ 580億バレル
3位中国 320億バレル
4位 アルゼンチン270億バレル
5位リビア 260億バレル

シェールガス埋蔵量
1位中国 1115兆フィート
2位アルゼンチン 802兆フィート
3位アルジェリア 707兆フィート
4位アメリカ 665兆フィート
5位カナダ 573兆フィート

中国が最大の埋蔵量だが、地理的な要因で困難
が予想される。存在するのが西部、四川省、陜西省
山岳地帯、新疆ウイグル自治区などである。
地層が複雑で断層が多く地下4000~6000メートルと
深いところに存在している。米国の場合は1000~
3000メートル、ロシアも3000メートル、アルゼンチンも
米国と同程度であることから考えても非常に深いところ
に存在している。またまとまった油田がないために基本
インフラがない。有力な技術サービス会社が三大国営
石油会社の傘下にあり、最新技術に通暁していない。
また乾燥帯にあるため、井戸1本あたり3000~1万立法
メートル必要とする水の手当も容易ではない。

資源量と埋蔵量という言葉がある。
資源量とは、地中に存在する炭化水素量のことで、未発見
資源量、推定資源量、原始資源量があり、そのうち技術的に
回収可能な資源量である。

埋蔵量とは技術的に回収可能な資源量のうち、通常の方法
で経済的に採掘可能なものをいい。回収の可能性の度合い
に応じて、確認埋蔵量、推定埋蔵量、予想埋蔵量という。
90%以上の回収可能性があるのを確認埋蔵量、50%以上
の場合を推定埋蔵量、10%以上を予想埋蔵量である。

埋蔵量は技術の進歩と価格の高騰によって徐々に成長
している。価格の高騰と技術革新によってシェールガス、
シェールオイルが経済的に生産されるようになり、2次回収
3次回収により回収率が向上し、当初の確認埋蔵量以上の
生産を実現しているケースも多い。回収率が20%→40%に
改善されると埋蔵量は倍増する。現に老朽化した油田を
買収して、生産量を上げている例もある。

資源量の計算は、スポンジの中に見えない孔があいていて
その孔に水分が含まれているイメージ。単位あたりどの程度
水分が入っているか計算する。貯留層の孔隙率と浸透率を
使って計算する。

石油には有機起源説と無機起源説がある。
現在は有機起源説が定説となっている。

根源石(有機微生物が沈殿)
沈殿体積した有機物が高温高圧によってケロジェン化
ケロジェンは地下浅いところで油、深いところでガスになる。

移動 油・ガスが岩石中の空隙を通じて移動

貯留石中の帽岩でカバーされたトラップの中にたまる。
軽いガスが一番上に、その次に軽い油が真ん中、一番重い水
が下に堆積する。

無機起源説は生産可能な石油天然ガスは有機起源説で
考えられているよりもずっと多い。地球のマグマは無限だから
というのがその理屈。

石油は平時はコモディティだが、戦時は戦略物資になる。


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