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日本国体の真実 馬渕睦夫

現在、我が国を襲っているグローバリズムという普遍主義に対抗するために、神道的な世界観
が普遍性を持つために理論化すべき。日本は伝統に復古することが必要だという著者の問題
意識から、日本思想の根本に存在する国体の本義を表現したものだとしています。

1.政治における国体

国の根本原理である国体が政治、経済、文化を生みだしている。
我が国の国柄は、政治の世界においても2000年以上にわたって独自の和の民主主義を
育んできた。和の民主主義の伝統からすれば、対立する二大政党が交互に交代すること
によって、民主政治が実現されるとの対立型の政治制度は日本人には合わない。

三権分立ではなく、権力と権威が支え合う二権分立。
三権分立は一見思想的な権力形態に見えますが、ここに見られる思想は権力を
互いに対立するものとして捉えていることです。対立思考が根底にある。

わが国における権力とは、単に行政、立法、司法のいわゆる三種のみならず、財界
マスメディア、知識人など国民生活を規定したり、国民の行動に何らかの影響を及ぼす
オピニオンリーダー層も全て入ります。これに対し権威とは天皇であり、それを支える
国民です。

二権分立とは、天皇は日本を知らす(治らす)政治的権威であり、これに対して政治権力
はうしはくといいます。国譲りで有名な出雲大国主命はうしはくの存在であり、実際の権力
統治を行っていても、知らす(治らす)は天照大神と認めさせた。
これおは高天原においても、個々の問題の解決法については神々が議論して決めさせ
(権力行為)、自らはその決定を承認する(決定に権威を与える)という形態をとっている。

国民の総意とは、皇統に対する国民の信仰、民族全体の思いなのです。

天照大神はニニギノミコトに対し日本をひとつにまとめるように努めよと命じた。
日本をひとつにまとめるためには、国を平定し、産業を興して国を安定させる
ことが必要だとある。単に武力で平定するだけでなく、産業を興して、国を安定
させて初めて国がひとつにまとまると考えていた。(古事記・日本書紀)

我が国の統治原理には搾取という概念はありません。国の統治の責任者になる
ということは、武力による服従を達成しただけでは責任を全うしたことにならない。
産業を興し、民生を安定させなければならない。そういう発想で朝鮮、台湾を
統治した。

たとえ常日頃から天皇陛下のことを考えていなくても、いったん東日本大震災の
ような国民の惨状が起こると、天皇と国民が自然に一体感に包まれる。
このような国民と天皇との硬い紐帯は君民一致の政治、君民共治という。
西欧における君主と国民との契約ではなく、我が国は神代の昔から君民が互いに
支えあって国の運営がなされていた。

天皇の行為は形式的であっても、天皇の行為がないと日本国家は機能しない
仕組みになっている。この仕組みこそ、我が国の政治の根本原理を示している。
権力と権威が支えあっている仕組みである。

天皇が高天原の神々と直結しておられるという信仰は、国民の側に天皇の聖業
をお支えする機運を醸成することになる。天皇が体現しておられる高天原の大御心
に国民が奉仕することで、君民体を一にして無窮に生成発展する。
奉仕する国民の側も繁栄する。同じ神々から生まれた私たち一人一人の中にも
日本の神々の大御心がやどっている。国民一人ひとりが各自の役割に刻苦勉励
することで自らの魂を磨き、成長することと、皇位が栄えることは同じことである。

君民一体、君民共治は我が国の権威を象徴するものである。

私たち一人ひとりが神格を宿しているkと、また国土(山川草木)も神格を有している
ことが重要である。私たち一人ひとりが神の一部であって、そのような私たちの国は
八百万の神々の国であると素直に感じている。自らの心の中の良心が高天原の神性
なのです。これら神々が心の中に内在している。同じ神々から生まれた国土、自然とも
つながっていることに気づけるはずです。このようなつながりの精神が和なのです。

・和は古事記の神代の時代を貫く精神である。

和には3つの側面がある。

第一に人間と自然との和です。

自然の恵みをいただき、自然に守られて生活をし、自然に対して慈しみの感情を
もっている。そして自然の恵みに感謝し、決してこれをとりすぎないように注意する。
これがもったいないの精神である。

第二に人間と人間との和である。

人と人との和は分掌、分業の考えの中にみられる。
私たち一人ひとりはかけがえのない個性をもっている。
それぞれの個性を発揮すれば、お互い衝突することはない。
一人一人の個性も価値も平等であり、個性が発揮された社会は調和のとれた社会
であり、平等な社会なのです。

己の職業に刻苦勉励することが結果として高天原の精神と合一する。

第三に国と国との和である。

我が国の和の精神が広がり、それぞれの民族や国家が、その分を守り
特性を発揮する時、世界平和(世界の大調和)が実現される時です。

・怨霊信仰と和は裏腹の関係にあります。和を達成するためになぜ話し合い
 が重要かというと、怨念を持たせないためです。

2.経済における国体

天照大神は斎庭(ゆにわ)の稲穂をニニギノミコトに授けて、稲作を振興させなさい
そうすれば、皇位は永遠に栄えると諭された。斎庭の神勅。

国民一人ひとりが高天原の大御心を体現しておられる天皇に奉仕するには
自らの仕事の分を尽くせば良い。国民自らが仕事に尽くせば、その結果
国民も天皇も永遠に栄えることとなる。

稲作という国民の生産活動と皇位が栄えることとは同義であるということである。

高天原の神々は稲作の生産活動を行っていた。
高天原の労働の基本は稲作である。生産活動が経済活動の基本なのです。
経済の主流はあくまで生産活動であって、そうでない金融はマイナーな役割
しか本来は持っていない。

物作りの精神は稲作が原点。
すべての経済活動の基盤には稲作がある。
かつての日本式経営方式は会社自体が家族的な紐帯をもとに運営されて
いました。会社はひとつの家族であり、一種の血縁的共同体であった。
これは農村的共同体の精神である。

・結びの力

結びという生命観が日本製品の競争力である。
一つ一つの部品の組立に製品を育てる気持ちをこめて仕事をこなした。

稲は国土の生命エネルギーを得て実るのですが、私たちの祖先は稲の
生育のなかにまさしく神々の活動そのものを感じ取っていたのです。
我々の祖先は稲は結びの神々の力で生育するというふうにイメージしていた。

私たちにとって物もまた同胞なのです。
人間が作り出したものには、先に見たように魂が宿っている。

二宮尊徳は、神道が日本の根源の道であると説いた。
日本をみずみずしい稲穂の実る国と定められたのは天照大神であり、斎庭の稲穂
を授けられてこの日本に天下って国の開拓を始められたのがニニギノミコトであり
また天照大神の大御心を受け継がれたのが歴代の天皇であるとした。

日本人の労働観の基本はこの天照大神の足跡、すなわち天照大神の御心を拝戴して
自らの仕事に分を尽くすこと、つまり勤労である。

鈴木正三は仕事は仏道修行であると説いた。
日々の生業は立派な仕事であり、各人が労働に励むことが即仏道修行になると説いた。
日々の労働が仏道修行であるとは、各職場は精神修養の場であるという意味でもあります。

生産者の倫理を鈴木正三が説き、消費の倫理は石田梅岩が説いた。
承認はひたすら消費者に対して奉仕することを心がけ、商売には合理性を追求して倹約に
努めるよう、商人の倫理を説いた。

・グローバリズムの本質は超個人主義。

グローバル市場の本質はマネーが支配する市場の力という秩序です。
人間はマネーさえ持てば、市場で成功することができるのです。
これが個人の勝利が意味するところであり、人間が自由になるという意味なのです。

・階級ではなく、分掌、分業の世界観

我が国の特徴は階級社会ではなく、役割分担、すなわち分掌、分業社会なのです。
各人が各々の特性を生かして仕事に尽力することであり、このように己の役割に
刻苦勉励することによって社会は調和、発展するという考え方である。
分業とは能力の差ではなく、能力の違いによる役割分担ですから、能力の差による
格差社会とは無縁なのです。

新自由主義は国体に合致しない。

分掌、分業の原理は、国体の神髄である和の世界観の表れといえます。
私たちの常日頃の行動は、無意識的に国体に基づいたものになっている。

グローバル競争時代に日本企業の国際競争力が低下している原因は、日本企業
がアメリカ式の経営方式を採用してしまったからだと思う。
株主優先経営など日本的経営に最もふさわしくない方式です。

話し合いによって和が保たれるという考え方は古くから伝わる怨霊信仰と
穢れ忌避思想と関連している。敗者に怨念を持たせない必要になります。
徹底的に相手を打ち負かすというのも一種の穢れ行為とみなされる。

分掌、分業社会での競争とは、相手を打ち負かす競争ではありません。
自らの分をどれだけ尽くすかという競争なのです。
いずれにしても我が国の社会において敗者を作らないことが社会の安寧
のためには重要と考えられていた。

各国の国民がその特性(能力)を最大限に発揮できるのは、各々の民族文化
の中にあってこそなのです。世界統一のルールの市場では各人が特性をフル
に発揮することは不可能なのです。

国際的分掌、分業による世界の調和的発展モデルとは、各国が民族の特性を
生かして、独自の文化を磨き、発展に尽力することによって、各国の集合体で
あるこの世界(グローブ)は共存発展できるという思想です。

私たちの意識を変えれば、国境は民族を隔離する障害物から、民族のつながり
を象徴する存在へと変えることができる。

現在のグローバル市場化の行き先は、ソ連型国際分業に近いものになる危険
がある。中央(金融寡頭勢力)の一元的管理下で、各々産業を担当する企業が
数社のみ存在し、基本的に同じ質の製品を生産している世界です。

道徳は生活の知恵であって、生活の知恵として道徳を備えているからこそ、私たち
は本当の意味で物質主義から自由になることができる。

3.信仰における国体

私たちは独自の宗教感情を持っているのですが、日々の生活の一部に溶け込んで
いるため、宗教を意識せずに宗教的な生活を送っている。

政治と経済の根底にあるのが文化です。
文化は広い意味で宗教感情と言い換えることができます。
つまり、文化(宗教感情)が我が国独自の政治意識や経済活動を規定している。

日本は中国文明の一部ではなく、孤高の文明である。

私たちの世界観の基礎ということは、つまりこの世界をどのような存在とみなしている
のかの根底に、古事記にみられる精神が、私たちが意識しないうちに一つの信仰と
して根付いているということなのです。

日本の自然には神々が宿っている。

神々は天地から生まれた。天地とはすなわち自然である。
反対に一神教は神が自然を作ったとしている。
日本人は神が出現する前に自然がある。

文化とは自然から出てくるものであって、理性でこうあるべしと
設計すれば善き社会制度ができるものだと考えなかった。

人間も含めこの世界に存在するもの全てに神々が宿っている。

私たちの心の中に先祖である神々が宿っている。
縦の命のつながり。古代日本人にとって先祖供養とは、死して
神に帰られたご先祖様をお祀りすることである。

本来最大の穢れとは自我、我欲の異心に支配されている状態の
ことである。

・作り変える力の本質

私たちの先祖供養の精神は高天原の神々も私たちの遠い先祖である
という信仰なのです。だからキリスト教は先祖供養を認めなかったため
に広まらなかった。日本人の国情に合うように作り変える。土着化する。
先祖崇拝と八百万の神々という国情に合わせるということである。

人間個人の生き方の問題です。
内在神、つまり私たちの心の中にある神性とは良心のことである。

我が国において高天原の神々は外在神でありますが、同時に私たち
の心の中に鎮座しています内在神でもある。

人間は肉体が死ねば神になる。つまり本来の神の形に戻るという
御霊信仰につまがる。高天原の神々は天皇の先祖でもある。
外在神と内在神の並立という信仰は、外在神の働きである他力と
内在神の発露である自力の併存という人間観を発生させた。
大いなる命に生かされ、自らの命を生きる、生かされて生きる
という信仰につながる。










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最強のコミュニケーション ツッコミ術

・ツッコミは努力と経験で上達可能なスキルです。

・ツッコミの能力は努力すればするほど場数を踏めば踏むほど身についてくる。

・ボケというのは持って生まれたもので、才能がないとできない。

○ツッコミのメリット

1.ボケ=軽薄に対してまじめに映る

2.頭が良いと思われる

3.聞き上手に思われる

4.会話相手に喜ばれる

5.笑いがとれる

6.場の主導権をとれる


・ツッコミの本質は違和感を指摘すること。

仕事でもプライベートでも常識ではないこと(非常識)がたくさんあります。
この違和感に気がつくかどうか、これがツッコミの肝で、瞬時に気がつくことが
できれば、指摘するスピードが速くなり、ツッコミのキレが増します。

・拾うことを意識する

違和感を探して拾っていく。拾える数が多いほどツッコミとしては優秀です。

・ツッコミの対象は発言、行動、見た目、物、環境

・ツッコミは事前のコミュニケーションが全て

いい人間関係を築いているからこそツッコムことができる。

人間は日によって性格が違うものです。普段はいい人間関係だったとしても
相手の機嫌の悪い日にいつものようにツッコムと、気を悪くされる。
だから事前に機嫌をうかがうことが大切。相手の心の変化を見ることが大切。

ツッコミとは愛情である。
突っ込むということはボケをほったらかしにしないということ。
本来、優しさや気配りがないと成立しないもの。

意識すべきは、軽く笑みを浮かべながらツッコム。

・人間関係が壊れない話し方

軽く笑みを浮かべながら提案のツッコミをする。

・人間性ではなく行為にツッコム。

・ツッコミは見て、観て、診る

見ることで情報を感知し、観ることで情報を精査し、診ることでどう対応するか
判断する。

感知→精査→判断
ツッコミに向いている人は論理力がある常識人です。
論理力も常識も全て後天的に身につけられます。

・ツッコミ脳になると、他人とは違う着眼点が身につく。

・空気が読めるようになる。

空気を読むというのは多数派の心理を知ることである。
何が常識で何が非常識なのかを見抜く。

・会話が途切れなくなる。

相手の会話に違和感がないか念頭において話を進めると
会話が途切れなくなる。

・上司や部下のミスを正せる

・プレゼン、説明がうまくなる

○ツッコミには型がある

・指摘ツッコミ ボケのおかしな部分を指摘する。オーソドックスなツッコミで一番使用されている。

非常識な部分を見抜く、非常識な部分を指摘する。指摘したあとに補足説明をする。

・疑問ツッコミ 指摘ツッコミから派生したもの。疑問形でツッコミをいれる。自分が驚いているとき
          に使うと効果的。

疑問ツッコミは驚いているときに使うと効果的。

・擬音ツッコミ 指摘ツッコミから派生したもの。コラコラ!オイー!など擬音でツッコム。

ツッコミとして柔らかいのがメリット。ツッコミのセリフが出てこないときにごまかせる。
きちんとしたツッコミをいれるために考える時間をつくることができる。

・ノリツッコミ すぐには突っ込まず、ボケを肯定して話に乗ったあとツッコム。批判、揶揄されたとき
         などに使う。

ボケに乗っかってツッコムテクニック。

・リアクションツッコミ セリフではなく、動作でツッコム。相手がダメな言動をとったときに使う。

ツッコミは言葉だけでなくリアクションでも大丈夫。
リアクションツッコミは相手がダメな言動をとったときに使う。相手を救ってあげられるツッコミ。

・すかしツッコミ ツッコム価値もないボケをさらっと受け流すこと。相手の意図と違う反応をして
           予定調和を崩す。

すかしツッコミではボケを受け流したあとのセリフが重要になる。

・セルフツッコミ ボケがウケなかった時に自分でツッコム。すべったことを帳消しにできる。
           全然うけへんやんけこれ!など。

自分のダメな部分に対してツッコミ、そのセリフをそのまま口にしてしまう。

・倒置ツッコミ 指摘ツッコミの進化形で、文章を倒置にする。現在のお笑い界の主流になっている
          ツッコミ。難易度高め。

言葉の順番を瞬時に判断する。語順を反対にする。

・広げるツッコミ 指摘ツッコミの進化形。指摘したことを基軸に話を広げていく。畳み掛けるように
           突っ込むことからマシンガンツッコミとも呼ばれている。

ツッコミながらどんどん話を広げていく。
広げるツッコミは自分から笑いをつくっていく、能動的なツッコミです。
ゆえに相手が意図的にボケなかったとしても、拾う姿勢さえあれば笑いを作ることができる。

・たとえツッコミ 指摘ツッコミの最終進化系。たとえ=比喩を駆使したツッコミで、能動的に笑いを
           取りに行く。難易度が一番高い。

たとえ、比喩を駆使したツッコミで広げるツッコミ同様に能動的に笑いを取りに行く。

・ツッコミは共感させなければならない。

パターンで覚える。

例えるキーワードをひとつに絞る。

・例えるジャンルをひとつに絞る。

意外性のある言葉を選ぶ。

・間で突っ込む

・自分に注目を集めてから突っ込む

・その人だけにわかるフレーズで突っ込む












イスラム世界とイスラム国の真実 荒木基

・ユダヤ教ではヤハウェ、キリスト教ではエホバあるいは主という存在
 はイスラム教でいうアッラーと共通する唯一絶対神だ。
 イスラム教では神は唯一というのが大変重要で原理原則である。

・イスラム教のコーランにもモーゼが出てくれば、イエス・キリストも
 登場するが、彼らは皆預言者とよばれる。イスラム教ではあくまで
 彼らは人間である。キリスト教ではイエスは神の子である。

・ムハンマドがメディナへ聖遷果たした初期のイスラム共同体をウンマ
 という。イスラム国などが理想とする共同体である。

・コーランは神の言葉を記したものであり、神の言葉を朗誦するものだ。
 だからアラビア語から改変することは許されない。
 全部で114章ある。

・コーランはイスラム教徒にとっては聖典であり、行動規範を定める
 基本になる。イスラム教こそが人間生活すべてを定める規範であって
 それは生活で生じる行為全てに及ぶ。コーランによれば人間の行為
 はアッラーの意志によってあらかじめ定められているという予定という
 考え方がある。

・生前のムハンマドの言動をスンナという。その言動を本当かどうか
 吟味してまとめたものがハディースというコーランに次ぐ行動規範
 として尊重されている。

・コーラン、ハディーズに次ぐのがイジュマー(合意)である。
 これはイスラム法学者による判断で意見が一致したものだ。

・コーラン、ハディーズ、イジュマーで判断がつかない場合は
 キヤース(推論)といい。イスラム法学者が前者3つから当面これが
 合理的だろうという推論で判断を下す。

・シャリーアは様々な解釈があるイジュマー、キヤースを含む道徳の
 ようなものである。

・スンニ派はスンナ(慣習)という意味で、ムハンマドの時代からの慣習
 を受け継ぐということからきている。正統カリフ時代最後のカリフである
 アリーのあとムアーウィアがカリフを引き継いだと考えるのがスンニ派
 である。世界のイスラム教徒の9割を占める。

・シーア派はイランとイラクに存在する。全体の1割ほど。
 ムハンマドが真に後継者と認めたのはアリーであり、正統カリフ3人は
 認めない。またカリフを否定し、アリーの子孫をイマームと呼んで
 ムハンマドの後継者とする。現在、イランが国教としているのは十二
 イマーム派である。

・シーア派ではイマームに代表される聖者や法学者を尊敬の対象とする
 ことが多く、肖像画も多数残されている。

・反対にスンニ派の強硬派は偶像崇拝を認めないという厳格な考え方
 になっていけばいくほど如実に現れる。

・シーア派とスンニ派が激しく対立するようになったのは1980年の
 イラン・イラク戦争からだったと言われている。

・ジハードとはアラビア語の努力という意味の語からきている。

・イスラム法の理念では世界は大きく二つに分かれる。
 一つはダール・イスラーム(イスラム世界)であり、もう一つは
 ダールハルブ(戦争世界)という。預言者ムハンマドの時代には
 自分たちのイスラム教の影響が及んでいない地域全てダール
 ハルブであり、それをダールイスラームとすべく努力する戦い
 あるいはダールイスラームを守る努力、これがジハードだ。

・ジハードで死んだもの(殉教者)は天国へ上ることができ、
 酒池肉林で過ごすことができるとする。こうした解釈を宣伝し
 自爆テロへ走らせる。

・ジハードは自らの内面との戦い、様々な欲望に打ち勝って
 自らの正義を貫く、そうした精神的な努力を指すものであり
 内へのジハード、大きなジハードと呼ばれ区別されている。
 
・イスラム教過激派、原理主義が出てきた背景には西欧的な
 文化に浸ることなく、イスラムの教えに沿った生き方をして
 いこうという考えが市民レベルで少しずつ大きくなってきた。
 またこうした西欧的文化がアメリカやイギリスによる資源を
 狙った強圧的支配の象徴ともみなされる風潮が出てきた。

・もともとは普段の生活様式の中でイスラムの教えに従う習慣
 を大切にしようというところからスタートしている。

・貧富の差の拡大もイスラム復興の考え方普及に大きな役割
 を果たしている。ムハンマドも7世紀布教の過程で、メッカの
 大商人たちから迫害を受けたのですが、彼らは偶像崇拝
 堕落と悪徳の象徴だった。

・イスラム教では喜捨、寄付や施しを通じて富める者が貧しい
 ものを助ける相互扶助の精神が繰り返し説かれている。
 ところが現代アラブ、中東世界では原油収入で想像を絶する
 富める国もあれば、失業者であふれる国がある。
 こうした現状はイスラムの教えから外れて堕落していると
 考える見方が出てくる。

・イスラム過激派の戦いとは、世俗主義の軍が抑圧的な政治を
 続ける国々で、どこまで彼らが理想とするイスラム国家が建設
 できるかである。それを暴力、テロで実現しようとする戦いなの
 である。

・2014年6月イラク第二の都市モスルがイラク・シリアのイスラム国
によって陥落したことによって、1イスラム過激派だったものが
イスラム国という国家樹立を宣言するまでになった。

・イスラム国は国家樹立の宣言において国境を書き換えるとして
 いる。サイクス・ピコ体制の打破を主張の主軸に据えている。
 フランス・イギリスの外交官によって、フランスはシリア、イラク
 北部、イギリスはヨルダン、イラク南半分と湾岸地域を山分け
 する協定である。

・イラク戦争から戦後復興期にかけてテロ活動を繰り返してきた
 のが、アブ・ムサブ・ザルカウィ率いるタウヒード・ワ・ジハード
 であり、イスラム国の原点となる組織である。

・アルカイダは既存の国家をテロ行為で機能不全に陥らせる
 ことで混乱や政府転覆を狙うといったものである。
 異教徒、欧米の市民に恐怖を抱かせ打撃を与えることに
 終始していた。そして本家アルカイダの理念に共鳴する者が
 様々な国の地下活動を行いつつ、穏やかに連携をとるという
 スタイルだ。

・イスラム国は既存の国家を認めず、カリフ国家建設という終始
 一貫した狙いがある。領土を持ち、軍隊、国民、支配体制を
 持つ、独自の国家を作ろうとしている。

・イスラム国はハディースに示された終末論と最終戦争の思想
 に則っている。イスラム国の解釈によれば、イラク・シリアの
 シーア派政権を徐々に征服しつつある段階だ。
 イラクシリアを征服したあとの次の征服先はイランである。
 彼らが解釈するハディースでは、アラビア半島、イランを征服
 したあと、ローマと戦うとある。このローマとの最終戦争は
 アレッポに近い、ダービクで行われるのだという。この土地を
 イスラム国は重要視している。

・イスラム国はカリフであるアブー・バクル・バグダディを頂点
 としてイラクとシリア二つの地域を管轄する副官がいる。
 更にそれぞれの地域に知事がいて、財政や治安、広報など
 8つの評議会がある。

・イスラム国はトルコからの密輸ルートによるサプライチェーン
 が形作られている。

戦略の教室 鈴木博毅

1.勝敗を分けるリーダーシップ戦略

○孫武「孫子」敵の意表をついて小が大に勝つ。

戦術の要諦は敵を欺くことである。たとえば、できるのにできないふりをし、必要なものを
不要にみせかける。遠ざかるとみせかけて近づき、近づくと見せかけて遠ざかる。
有利と見せて誘い出し、混乱させて撃破する。敵の弱みにつけ込み、敵の意表をつく。
これが戦術の要諦である。

①張り合うことで敵が疲弊するポイントを攻める

おとり作戦で、相手に何度も出撃させる。そして疲弊させる。

②相手の強みとは別の場所で勝負する。

・戦争の歴史から生まれた冷徹な原理原則

①目的は勝利であって戦いではない。

②百戦百勝するは善の善なるものにあらず

③敵を知り己を知れば百戦危うからず

④まず勝ちてのち戦う 本当の戦上手はまず勝ちうる条件をつくり自然に勝つ。

・相手が一番嫌がる戦略を選び、会戦前に勝利を決める

○アレキサンダー大王 東方遠征 短期間で一気に領土を拡大する

・巨大帝国を築いた三つの突破力とは

①定石を別のアプローチで攻略する

先行者を超えるには常識や固定観念を破る別のアプローチが必要になる。

②部下を挑戦させ続ける強いリーダーシップ

自らが強烈な克己力を発揮して先陣をきって戦う

さらに先の未来を周囲にイメージさせる

逃げ場を先になくしてしまう

③統治規模を拡大するための工夫

味方を生み出す提携関係

圧倒的な優位や権威を広める

解放者の旗印を掲げる

大きな未来を思い描き、ビジョンを相手に共有させることで動かす。

○ニコロ・マキャベリ 君主論 正しい目標を掲げて人を動かす

・小さな国家はリーダーに統率力がなければ生き残れない。

・組織と人を動かし成長させる正義を掲げ、指導力の基礎とする。

・いままで地位が安泰だと思いのんびりと過ごした人たちにあなたの地位も安泰ではない
 と告げて発奮させる。

・リーダーが身につけるべき生き残るための条件

①君主は歴史上のリーダーの成功と失敗から学べ

②状況こそが常に最善手を決める

③人を従わせるリーダーは恨みを買うことなく恐れられよ

④国を守るために冷徹さを発揮せよ

⑤運命は抵抗力がないところほど猛威を振るう 自らの意志を発揮せよ

⑥民衆の気まぐれに頼るのではなく、君主自ら仕掛けよ

⑦平時にこそ、先を見据えて問題に備えよ

・優秀な人ほどライバルから敵対視される。

2.戦況を決定づける軍事戦略

○ナポレオン・ボナパルト 革命戦争 凡人を最強兵力へ変える仕組みづくり

①フランス革命で国民の当事者意識が高まった

②大軍を出現させた国民徴兵制度

③師団をさらに改善した軍団制度の遠征力と機動力

・個人の意識を高め、他社より速い行動力を持つ組織へ

○カール・フォン・クラウゼヴィッツ 戦争論 相手の強みを真似て無力化する

・プロイセンの対フランス作戦

①義務兵役制の採用(国民軍創設のため)

②師団制を取りれた

③優れた参謀将校を育成する教育機関の充実

④門戸を広げ、平民からも優れた人物を将校に採用

⑤政治行政改革、教育改革

⑥社会制度改革(農奴解放)

⑦祖国愛の醸成(ナショナリズムの鼓舞)

・規模を拡大したプロイセンが逆転できた二つの戦略

①各個撃破されない大軍による包囲布陣

②側面攻撃を受けたら粘らず退却する

・天才は理論を超越しない。

○リデル・ハート 戦略論 相手の強みと正面衝突せずに勝利する

・間接アプローチとは、敵が十分備えている正面への攻撃を避け、備えが薄い部分を攻撃する。
 あるいは間接的に相手を無力化する方法を選ぶこと。

・弱点に対する集中はビジネスでも応用可能。

①目的を手段に適合させよ 手持ちの手段から目的を決める冷静さによって不可能も可能になる。

②常に目的を銘記せよ 常に最終目標へどんなプラスがあるかを確認することが重要。

③最小予期路線を選べ 相手の立場に立って、敵が予測あるいは先制することが最も少ないコース
                を選ぶこと。

④最小抵抗線に乗ぜよ 目的にプラスになる。敵の最も抵抗が少ない場所を攻めるべきであること。

⑤予備目標への切り替えを許す作戦線を取れ 少なくとも二つの目標を掲げて、こちらの進路を
                               悟られないように準備を進めること。

⑥計画および配備が状況に適合するよう、それらの柔軟性を確保せよ。

○ウイリアムソン・マーレー 戦略の形成 戦略決定のプロセスが勝利を左右する

・戦略形成に影響を与える要素

地理、歴史、世界観(宗教、イデオロギー、文化)、経済的要因、政府組織および軍事組織

・過去の体験から改善策を行うとき、失敗しやすい次の二点に注意すべき

①より上位にある戦略課題をクリアしているか

②一部分ではなく全体像を理解する

・戦略とは、偶然性、不確実性、曖昧性が支配する世界で状況や環境に適応させる恒常的
 プロセスにほかならない。

・戦略の形成は、国際的な出来事や脅威から外圧に加え、国内の政治的影響力および個の
 行動の特異性を含むプロセスなのである。

3.生産力を最大化する効率化戦略

○フレデリック・テイラー 科学的管理法 目に見えないムダを排除して成果を最大化する

・形に残らないムダが溢れている

・労働者が仕事を怠ける原因

①ひとり当たりの生産量が増えると、いずれ大勢が職を失うという誤解

②働き手が自分の利益を守るため、作業ペースを落とす矛盾が職場にある

③非効率的な経験則が蔓延し、そのまま実践されている

・対策のポイント

①管理側が作業内容を深く理解するため観察、分析を行った

②業務内のムダを省くため、作業環境を改善した

③優れた仕事に必要な資質を明確にして人材を取捨選別した

○大野耐一 トヨタ生産方式 現状を問い、新しい生産システムを発明する

・アメリカ式の大量生産方式には3つの問題があった。

①つくりすぎのムダ 一つの部品を大量につくっても不要在庫として置き場、整理の手間、コストなど
             多くの二次的な無駄が発生する。

②人を減らすことができない トヨタ生産方式では少人化と呼び、同じ製品をどれほど少ない人数で
                   完成できるかを一つの効率目標としている。

③多品種少量生産に向かない 

・トヨタ生産方式との違いは

①ジャスト・イン・タイム

②多品種と低コスト生産を同時に実現

・なぜを5回繰り返す意義とは?

①なぜ機械は止まったのか。オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ。

②なぜオーバーロードがかかったのか。軸受部の潤滑が十分でないからだ。

③なぜ、十分に潤滑しないのか。潤滑ポンプが十分汲み上げていないからだ。

④なぜ、十分くみあげないのか。ポンプの軸が摩耗してガタガタになっているからだ。

⑤なぜ、摩耗したのか。ストレーナー(ろ過器)がついていないので、切粉が入ったからだ。

・トヨタオリジナルの言葉を生み出して生産性の新指標としています。

自動化 不良品を判断して自動停止する機能

カンバン方式 生産ライン側が使った分だけ、部品製造側にその都度要求する仕組み

多能工 いくつもの工程をひとりの作業者が兼務する(作りためが起きない)

少人化 同じ数量の製品をできるだけ少ない作業者で完成させること。

○ジョージ・ストーク タイムベース競争戦略 利益を生む部分に絞って時間を短縮する

・時間短縮が生み出すメリット

①コストの削減

②コスト増を伴わない商品点数の拡大

③在庫負担の軽減(回転率の向上による)

④特注品への即応性

⑤結果としての高い利益率

・アマゾンは典型的なタイムベース企業である。

・即応性を手段にして顧客の身近な存在となり、顧客に自社への依存を高めさせる製品の多様性と
 即応性を高いレベルで両立させることで、発注時点から顧客に待たせない。即応性は最も利益が
 高い顧客の必要不可欠な存在になる武器となる。

・価値提供システムを最も魅力的な顧客に向ける。他社には魅力のない顧客だけが残る。
 最も魅力的な顧客とは、欲しいものを待てない顧客である。魅力の一番少ない顧客とは、せっかちな
 顧客が支払うほどの価格を支払わず、待とうとする顧客である。即応性に優れた企業は、せっかちな
 顧客から高い販売価格と低コストで稼ぐことができる。

・時間短縮は、いつの時代も顧客が常に求めること。

4.組織の限界を突破する実行力戦略

○野中郁次郎、竹内弘高 知識創造企業 組織として新しい成功の方程式を創造する

・組織の外にある知識を獲得し、内から殻を破り続けるコツ

・古い知識の陳腐化より速く新たな知識の創造を行う

①飛躍させ方向を与えるコンセプト創造

②体験を先行させて議論する

③具体化を促進する象徴的な言葉を使う

知識創造の最前線は新商品開発と密接に関係している。
既存の商品の陳腐化により、白紙の状態から発想が求められる。
組織の外にある知識を求めるため、企業は体験を先行させて議論を繰り広げる
必要がある。コンセプトに関連する体験を積み、暗黙知を集める。

・新たな成功の方程式を組織の外の世界と体験からつくりだす。

日本企業が知識創造企業の予言した力強い復活を成し遂げていない理由。

①海外企業が暗黙知の存在を新たに定義した。

②日本企業にあった日本的文化が薄れ、西洋思考化が進んだ。

○トム・ピータース エクセレント・カンパニー 人の動機づけでエクセレントな実行力を生み出す

・平凡な人から非凡な力を引き出す秘密

生産性に対して主要な意味を持つのは労働条件それ自体ではなく、労働者に対する経営者の配慮
なのだということである。

・挫折した合理主義と分析、人の熱意を引き出せない冷めた組織

私たちが異論を唱えたいのは、方向を誤った分析、複雑すぎて実用にならない分析、厳密すぎて
扱いにくく柔軟性のない分析、本質的に予知不可能な分析、現場から離れた管理者が現場に対して
管理中心の考え方で展開した分析などである。

・超優良企業をエクセレントにしている特質とは。

革新的な超優良企業の8つの特質

①行動の重視

②顧客に密着する

③自主性と企業家精神

④人を通じての生産性の向上

⑤価値観に基づく実践

⑥基軸から離れない

⑦単純な組織、小さな本社

⑧厳しさと緩やかさの両面を同時に持つ

8つの要素をまとめると

①大きくなっても小さな組織の俊敏さを維持する

②仕事に熱狂する動機づけできる企業文化を持つ

エクセレントカンパニーでも消滅している。その原因とは?

①8つの特質は成長の原動力ではない。

②技術革新の速い分野では8つの特質も意味をなさないときがある。

・小企業の大胆な実行力と社員を熱狂させる意味づけ。

○ジェームズ・C・コリンズ ビジョナリー・カンパニー 組織ビジョンで時代を超えて生き続ける

・永続する企業に共通する驚くべき8つの法則とは?

・ビジョナリーカンパニーの定義とは

業界で卓越した企業である

見識ある経営者や企業幹部の間で、広く尊敬されている。

私たちが暮らす社会に、消えることのない足跡を残している。

最高経営責任者(CEO)が世代交代している。

当初の主力商品のライフサイクルを超えて繁栄している。

1950年以前に設立されている。

・優良企業に対する神話と現実の違い

神話 素晴らしい会社には、素晴らしいアイデアが必要である

現実 アイデアは関係ない。まず会社を設立しビジネスを探した事例まであり、スタートで
    つまずいた企業も少なくない。彼らはうさぎとかめの寓話のように、スタートで遅れを
    とるが、長距離レースでは勝っている。

神話 ビジョンを持ったカリスマ的指導者が必要である

現実 カリスマ的指導者は全く必要なく、会社の長期展望にはむしろマイナスになることさえある。
    ビジョナリー・カンパニーのCEOは偉大な指導者になることよりも、長く続く組織を作り出す
    ことに力を注いでいる。

神話 優良企業は危険を冒さない

現実 ビジョナリー・カンパニーは外部から見れば保守的だと思えるかもしれないが、社運を賭けた
    大胆な目標に挑むことを恐れない。胸躍る大冒険だからこそ、人はひきつけられ、やる気になり、
    前進への勢いが生まれる。目標をうまく使って進歩を促し、過去の重要な局面で、競合企業を
    打ち破ってきた。

・ビジョナリー・カンパニー8つの生存の法則

①製品ではなく企業そのものが究極の作品と考える

②現実的な理想主義

③基本理念を維持し、進歩を促す。

④社運をかけた大胆な目標

⑤カルトのような文化

⑥大量のものを試して、うまくいったものを残す

⑦はえぬきの経営陣

⑧決して満足しない

8つの法則を3つに分類する

①製品ではなく企業そのものを究極の作品と考える

②特別な会社であるという自己認識を全員で共有する

③イノベーションと飛躍を計画する力を持つ

例:ソニーの会社創立目的

・技術者たちが技術することに喜びを感じ、思い切り働ける職場をこしらえる

・日本再建、文化向上に対する技術面生産面より活発なる活動

・非常に進歩したる技術の国民生活内への即時応用

・会社の成功とは、あるアイデアの成功だと考える企業家や経営幹部が多いが、こう考えていると
 そのアイデアが失敗した場合、会社まで諦める可能性が高くなる。そのアイデアが運良く成功した
 場合、そのアイデアに惚れ込んでしまい、会社が別の方向へ進むべき時期がきても、そのアイデア
 に固執しすぎる可能性が高くなる。

・特別な会社を目指し、特別な会社にいると従業員が信じる力

5.突出した成果を出す目標達成戦略

○ピーター・F・ドラッカー 経営者の条件 習慣を変えて個が組織の中で成果をあげる

・組織が個人の成果を妨げる4つの現実とは

①時間を全て他人に取られてしまうこと

②日常業務に取り囲まれていること

③組織で働いていること(自らの貢献を利用してもらう必要がある)

④組織の内なる世界にいること(外の世界の現実と離れている)

・組織のデメリットをはねのける5つの習慣

①何に自分の時間がとられているか知る

②外の世界に対する貢献に焦点を合わせる

③強みを基盤にする

④領域の集中

⑤成果を上げるための意思決定を行う

仕事の大河で上流に向かって泳ぐ習慣を身に付けよ。

○トム・ピータース エクセレントな仕事人になれ 自己コントロールで本来の実力を最大限に発揮する。

・なぜ人は期待されるほど、いい成果をあげるのか。

・人は誰でも自分のパフォーマンスを自ら制限している。

・5つの肝心なことリスト

①意義 私たちが全力を傾ける価値ある目的。

②空間 自由に動き回れる可能性。イニシアチブをとっていいと常に励まされている感じ。
      変化を起こす人だと思われているという期待。

③品格 過ちに対する思慮深さ。過ちに対する公正さ。自分に関わる全ての人に対する敬意。

④サービス 我々は必ず人に奉仕したいと願っている。あらゆるレベルのリーダーは従業員に
        サービスする。全ての従業員は同僚や、組織内・組織外の顧客にサービスする。

⑤エクセレント=できる 最終的な目標はエクセレント=できる。それ以下ではだめだ。

・自らの制限の解除エッセンス5つ

①あらゆる行動にいい意味づけを行う

②常に今より優れた自分をイメージする

③相手や周囲にホーソン効果を活用する。他社に注目し配慮すると、あなたが相手にホーソン効果を与える。

④チェックリストの効用をうまく使う。

⑤人との情報の交差点を作り出す。

・同じ仕事でもゴール設定すれば成果は段違いになる。あなたを熱中させるゴールを設定し、それを情熱的に
 追求する。

・理屈や分析の前に人間の熱意や積極的な行動を引き出せているか。

6.ライバルに勝利する競争戦略

○フレデリック・ランチェスター ランチェスターの法則 科学的な数理モデルで弱くても勝つ

・ランチェスターの法則は2つある。

①ランチェスター第一の法則 一騎打ちの法則 一人が一人を狙い撃ちする戦いの状態。

②ランチェスター第二の法則 集中効果の法則 集団が集団を狙い撃つ状態。

武器の性能が同じなら戦闘力は兵力の二乗に比例する。

・ランチェスターの法則を俗な言葉で表現すれば、市場占拠率拡大の法則は弱いものいじめ
 の法則であるということにほかならない。つまり、常に弱者に集中攻撃をかけること。
 これがランチェスター法則の結論である。

・自社より上位にある企業を競争目標と定めながら、攻撃する相手は自社より下位の弱者に
 すべきだということ。競争目標と攻撃目標を区別する。

・弱いものいじめの法則から導かれたナンバーワン主義。

①ナンバーワンの地域をつくる

②ナンバーワンの得意先をつくる

③ナンバーワンの商品をつくる

・豊臣秀吉、皇帝ナポレオンに共通する勝ちやすきに勝つ。

・集団で競うときの支配的に力学と個人的な感情を切り離す。

○マイケル・ポーター 競争戦略 攻撃と防御を攻略して競争に打ち勝つ

・防衛と参入、競争を基本としての2つのアクション

・5つの競争要因(ファイブ・フォース分析)

・3つの基本戦略(コストリーダー、差別化、集中)

・競争の基本としての2つのアクション

①自社の防衛力を高める 参入障壁をつくる

②他者の業界に効果的に参入する 参入障壁を突破する

・効果的な競争戦略とは、5つの競争要因ごとに防衛可能な地位を作り出すために、攻撃あるいは
 防御のアクションを打つことなのである。

・5つの競争要因(ファイブフォース)

①新規参入企業

②代替え品

③供給業者

④買い手

⑤競争業者

・攻撃するときの5つの競争要因

①新規参入が容易になる状態をつくりあげる。

②代替え品として既存品に置き換わる

③供給業者と他者の関係を破壊する

④買い手を新たな商品に誘導する

⑤競争業者の優位性を破壊する

・防衛するときの5つの競争要因

①新規参入が難しい状況をつくる

②代替え品がない独自性を追求する

③供給業者と特別な関係を築く

④買い手が浮気できない状態にする

⑤競争業者への優位性を維持する

・3つの基本戦略

①コストリーダーシップ 

効率の良い生産設備の追求、作業者が経験を重ねることによるコスト削減効果。
コスト経費の管理徹底、原材料入手方法の工夫、製造しやすい製品設計、コスト
分散が可能な製品のライン。

②差別化

製品設計、ブランドイメージ、テクノロジー、製品の特長、顧客サービス、ディーラーネットワーク
耐用年数の長さ。

③集中

買い手グループ、製品の種類、特定の地域市場、特定化することでの差別化、低コスト達成など。

・ポーターの理論の実践には手段の考案が不可欠。

○チャン・キム、レネ・モボルニュ ブルーオーシャン戦略 差別化と低コストで新しい市場を切り拓く

・競争しないことで高価格、高利益を実現する

・差別化と低コストでマーケットを拡大する

・魅力的な市場を見つける6つのパス

①代替産業に学ぶ

②業界内の他の戦略グループから学ぶ

③買い手グループに目をつける

④補完財や補完サービスを見渡す

⑤機能志向と感性志向を切り替える

⑥将来を見通す

7.問題を解決するフレームワーク戦略

○マッキンゼー&カンパニー 7S PMS 問題点を最速で浮かび上がらせる思考の枠組み

マッキンゼーの7S

機構(Structure)

戦略(Strategy)

スキル(SKills)

スタッフ(Staff)

スタイル(Style)

システム(Systems)

共通の価値観(Shared Values)

70年代まで2S(戦略・機構)を変えれば業績があげられる。
新たな隠されていた5Sを発見した。

・製品、市場戦略を決めるPMS

①市場分析から成功のカギ(KFS)を抽出 業界、製品でどんな要素が成功のカギかを見定める。

②自社の実力とKFSの隔たり  業界成功のカギと自社の実力の隔たりを理解する。

③実行計画を作成し、結果のモニターとフォローを行う
  分析結果から、自社がどのような戦略を取るかを決定し、計画を作成。実施を段階的に確認し
 結果に対して修正を行う。

・思考の枠組みを使って問題解決力を高める

①空(事実認識)空を見たら雲が多く暗かった

②雨(事実解釈)あと少しで雨が降りそうである。

③傘(行動・提案)傘をもってでかけるべきである。

事実と提案の中間の事実解釈を鍛えて思考の枠組みを生み出すトレーニング。

○ボストン・コンサルティンググループ 経験曲線、PPM 成功する企業の秘密を抽出して概念化する

①経験曲線

経験回数が増えるほど、効率が改善されコストが削減できることから、経験数とコストの関係をグラフ化
したものが経験曲線である。

②PPM(プロダクトポートフォリオ・マネジメント)

競争優位の差を発見する3つの視点

①異なる企業を比較することで競争力を抽出する

②市場の成長性を自社に取り込む

③コスト削減力を成長に結びつける

○フィリップ・コトラー マーケティング・マネジメント 売上をあげるためにいま何をすべきか発見する

マーケティングとは、多くの評者によって顧客を発見し、維持する技能であると定義されてきた。
しかし、我々はこの定義を次のように拡張しなければならない。マーケティングとは、利益に結びつく
顧客を見出し、維持し、育てる科学であり、技能である。

・5つのステップでマーケティングをマネジメントする。

①調査 市場機会の調査。不満や問題を抽出。理想的な商品、サービスを想定。

②STP セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング。
      同じニーズを持つ消費者区分(セグメント)を名確認して、自社がうまく満足させられる
      セグメントをターゲット化(目標)する。その上で自社のオファーより高く評価してもらえる
      ポジショニング(差別点を印象づける)していく。

③マーケティングミックス4つのP 4つのP 製品、価格、流通チャンネル、プロモーション
                     顧客が製品のポジショニングを理解できるように4つの要素を
                     設計する。意図した差別点の具体化のために製品・価格・流通・
                     プロモーションをつくりあげる。

④実施 マーケティング・ミックスで設計された製品、価格、流通、プロモーションを実施する。

⑤管理 最終段階は管理(コントロール)である。目的地と現在地を常に確認し、マーケティング計画を
      正しく機能させる。

・コトラーがGE幹部に投げかけた4つの課題

①新しい顧客とセグメントを考えよ

②新しい営業セ略を考えよ

③新しい価格設定および機器のための融資解決策を考えよ

④新しい製品特性を考えよ

・多くの人々はマーケティングとその下位機能である広告や販売業務と混同している。
 しかし、真のマーケティングは、どう売るかの販売技術ではなく、何をなすべきかを問うものである。

8.強い組織をつくるマネジメント戦略

○アルフレッド・D・チャンドラー 組織は戦略に従う 組織変革で景気の浮き沈みと市場の変化に対応する

①一つの製品は必ず景気の上下動を受ける

②資源を遊ばせないため新規事業が必要

③広がった製品・各顧客から目を離さない組織をつくる

○ヘンリー・ミンツバーグ 戦略サファリ 戦略を計画ではなく、実践から生み出す

・戦略の2つの種類

①戦略はプラン(意図された戦略) 先の見通し

②戦略はパターン(実現された戦略) 振り返るとわかる足跡

・ミンツバーグの創発的戦略

実現された戦略は最初から明確に意図したものではなく、行動の一つ一つが集積され
その都度学習する過程で戦略の一貫性やパターンが形成される。

・行動するために思考し、思考するために行動する。

・戦略を策定する行為は二本足で進んでいく、すなわちプランニングの足と創発の足である。
 ただし、プランニングは学習を排除するが、創発は統制を排除する。もし、一方に偏りすぎる
 と、どちらもその意味を失う。学習と統制は結びついていなければならない。

・戦略を見失ったら、行動の幅を広げてみよう。

○ゲイリー・ハメル 経営の未来、コアコピタンス経営 戦略をスピーディーに変え、魅力的な環境をつくる

・現代企業を悩ます問題

変化のペースの速さ、束の間で消える優位性、既存の技術を駆逐する画期的技術、従来の秩序を破壊する競争相手
細分化された市場

・近代経営管理の成功と奪ったもの

人間を標準やルールに従わせるが、莫大な想像力と自主性を無駄にする

業務に規律をもたらすが、組織の適応力を低下させる

世界中の消費者の購買力を増大させるが、人々を巨大組織に隷属させる

企業の効率を劇的に高めてきたが、企業の倫理性は高めていない

・新たな能力を手に入れる、経営管理イノベーション3つの挑戦

①規模の大小を問わず、戦略変更のペースを劇的に加速させること

②イノベーションを全ての社員の日常業務にすること。

③社員を奮起させて最高の力を発揮させる魅力的な労働環境を築くこと。

・経営管理イノベーションの原則

①スピードある戦略変更を可能にする

組織階層の上が現場に精通し、危機的な変化に素早く気がつく。

イノベーションは数が勝負なので、多様な戦略案を作り続ける。

現在のビジネスばかりでなく、将来のチャンスに投資する。

②イノベーションを社員が生み出せる環境を整える

ごく普通の社員にも創造力があるとCEOが信じている。

現状の戦略に対する過度の思い入れを捨てる。

現状の課題以外にも社員の業務時間を振り向ける。

③社員を奮起させる労働環境をつくる

自由によって自主性を喚起する。

コミュニティのように努力を結集する。

魅力的な目的で社員の熱狂を生み出す。

○ヨセフ・シュンペーター 経済発展の理論 新結合によって優位性を保ち続ける

経済における革新は、新しい欲望がまず消費者のあいだに自発的に現れ、その圧力によって
生産機構の方向が変えられるというふうに行われるのではなく、むしろ、新しい欲望が生産の
側から消費者に教え込まれ、従ってイニシアチブは生産の側にあるというふうに行われるのが
常である。

・イノベーションを生み出す5つの結合とは

①新しい財貨(製品のイノベーション)

②新しい生産方式(生産方式のイノベーション)

③新しい販路の開拓(販路・流通のイノベーション)

④原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得(原料・供給源のイノベーション)

⑤新しい組織の実現(組織のイノベーション)

・イノベーションは企業家の群れを出現させて好景気をつくる。

・企業家を阻む3つのハードル

①古い習慣から外れるため、経験より洞察が必要である

②実証済みのことではなく、新たなことを始める難しさ

③集団の一員が他と異なる態度をとることへの社会の抵抗と批判

・企業家はイノベーションを起こしつづけることによってのみ繁栄できる。

・シュンペーターが提示したイノベーション戦略

①新たな欲望を生む魅力を消費者に提示する

②5つの新結合をヒントにする

③企業家であり続ける

○ジョエル・パーカー パラダイムの魔力 新しいパラダイムでゲームのルールを変える

・解決できない問題がパラダイムシフトの引き金を引く

・パラダイムを転換する4種のアウトサイダー

①研修を終えたばかりの新人

②違う分野から来た経験豊富な人

③一匹狼

④よろずいじくりまわし屋

これらは無知と好奇心が武器になっていること。
既存のパラダイムに囚われず、新しい視点で物事を捉える意志がある。

・経営判断に役立つ3つのパターン

①パラダイムを変えずに顧客を変える。

印刷の速さと正確さが強みの企業はネットバンキングの時代小切手帳だけでは生き残れないので
銀行、オフィス、コンピュータ専用用紙やグリーティングカードを販売している。

②パラダイムを変えて顧客を変えない。

IBMは大型コンピュータを売っていたが、小型化とソフトウェアの重要性から地位を失ったために
ITソリューションサービスに転換した。

③パラダイムを変えて顧客も変える。

モトローラはカーラジオや家電製品の会社だったが、半導体関連企業へ転換した。

未来に問題解決できる余地は常に残されている。

○クレイトン・クリステンセン イノベーションのジレンマ 見えない市場に小さく挑戦できる組織をつくる。

①持続的技術(評価基準が同じ変化)

②破壊的技術(評価基準が違う変化)

・破壊的イノベーションで成功する原則

①破壊的技術の商品化は、それを必要とする顧客を持つ組織に担当させる

②小さな機会や小さな勝利にも前向きになれる小さな組織に任せる

③試行錯誤を前提として、失敗を早い段階でわずかな犠牲にとどめる計画を立てる。

④主流組織のプロセスや評価基準を利用しないように注意する。

⑤これまでと違う特徴が評価される新しい市場を見つけるか、開拓する。

ジレンマを打破する戦略

①違う基準で評価される新技術に目を向ける

②新しい市場へ投入する

③既存客に縛られない組織を意図的につくる

10.新たな生態系を生み出す21世紀の戦略

○ガワー、クスマノ プラットフォームリーダーシップ 他社を競争させて自社の利益を極大化する。

アマゾン、フェイスブック、楽天、ユーチューブなど大成功している企業に共通しているのは、
プラットフォームの提供で成功している。

プラットフォームとは、商品や情報のやりとりがされる場所を提供することで、プラットフォームを
生みだしていると言われている。

・顧客を競争させて利益を生むプラットフォーム戦略。

・プラットフォームの人間関係 主役になる参加者 観客になる参加者 舞台を提供する企業

・競争の導入で舞台側の権力が強化されることがこの戦略の重要な鍵である。

競争を導入するとは

①主役になれる道具を配布して、主役の数を増やす。

②顧客(観客)を囲い込むことで、主役を一つの舞台に集めて競争させる。

○スティーブ・ヘッケル 適応力のマネジメント 各人が自律的に判断、行動できるようにする

・勝ち続ける戦闘機パイロットの行動サイクルとは。

①環境からのシグナルを感知すること。

②それらのシグナルを解釈すること。

③可能な対応を選択すること。

④選択された対応を実行すること。

・環境変化のスピードに経営判断が追いつかない現代

・一寸先に何が待ち受けているのか予想もつかない危険な水路に漕ぎ出すために、我々は何を
 目指し、どのような手を打つべきなのか。

①センス&レスポンド 顧客の要求を感知し(センス)、リアルタイムで対応する(レスポンド)一連の
               行動を意味します。変化が予測不可能という前提に立ち、目の前の状況に
               適応することを目標にする。

②メイク&セル  変化が予測可能という前提で、計画されたことを効率的に行うことを目標にする。

・センスアンドレスポンドを実現する3つの枠組み

存在理由 その企業が存在している理由。何を主な業務としてどんな価値を提供するのか。

統治原則 何を実現したときに評価されるのか、逆に評価されない行動は何か。

ネットワーク組織設計 各部署は全体の中でどんな仕事を担当しているのか。それは別部署と
               どんな関係があるのか。

・仮説とセンス&レスポンドは相互に出現する存在。

・仮説のリスクを低減させる仕組み。リスクが低いことで仮説で広く可能性を追求できる。

江田島海軍兵学校 徳川宗英

世界三大兵学校 アメリカ・アナポリス イギリス・ダートマス 日本・江田島

スポーツマンシップ ルールを尊重して最善を尽くして戦い、勝って驕らず、敗れて卑屈にならない。

シーマンシップ 船舶操縦術、航海技術である。船舶を良好の状態に整備・保全し、安全に運航する
           ために必要な専門技術と知識とを指す。抽象的な精神理念とは違う。

5分前待機 何事にも5分前には次にする行動の準備を終わらせておく。

訓育 3Sの精神 スマート、ステディ、サイレントの3つのSを尊守すべし。

スマートはきびきびとして手際がいいこと。機敏で頭の回転が速く、物事に柔軟に対処して素早く
行動すること。その行動は速いだけでなく、ステディ(着実)でなければ意味がない。
スマートかつステディに行動するためには、発令者以外はサイレント(静粛)を保つべきである。

・自尊心が生まれる教育

将来、人の上に立つことになる生徒たちは心豊かな紳士に成長していくべきである。

リズムがあり、調和があり、詩もあり、夢もある。

国家が自分たちを大切にしてくれていると感じる。自尊心が生まれてきて、忠誠心とはいかないまでも
自分の選んだ道は自分に合っていたなという気持ちにさせる。

・ひとりの天才を育てるより、全体の力を底上げする。

徳・知・体にまたがる最低限の能力だけは全生徒に身につけさせる。

教育とはできないものをできるようにする。天才や秀才は放っておいても勉強するし伸びていく。
組織として大切なのは、落ちこぼれをつくらず全体の力を底上げすることである。

受身の教育ではなく、習ったことを自分で考え、身につけていく教育を目指した。
覚えるより考える。

覚えるより考えるの訓練として数学の問題を解くことを推奨した。

学術を知得するだけで満足するのではなく、学んだ学術を自在に活用できるよう、わがものに
する努力をする。

いくら多くの知識を得ても、自分なりに咀嚼して活用できなければ、何の役にも立たない。

自らの頭で深く考えることにより、授業で学んだことを実生活で活用できるようにする。

自分の思想の源泉が枯渇したとき、何かの問題について思考の材料を得るためには読書
はすべきだ。その前に、その問題について自分はどれだけのことを知っているのか、どれだけ
のことを言えるかを考え、その答えを得たあとに本を読むことが大切なのだ。井上成美

考えもせず、いくら書物から知識を得ても、誰かの受け売りにすぎない。

オリジナリティーのない既製品の思想ばかりが、頭の中に雑然と詰め込まれるだけだ。

暇さえあれば書物に手を出すようなことは、自分の思想を持ちたくない人、本当の知識を
持ちたくない人、思考力を増したくない人である。井上成美

・思考力を養う8か条

1.思考の効率を高める手段として、重要なのは集中力と注意力である。
  そのためには、室内の静寂を保つだけでなく、視覚的にも騒がしくならないように
  整頓を留意し、気の散るような雑物を置かないこと。

2.室内と同じように机の上を整頓し、ノートにも文字や数字を整然と書く習慣をつけること。
  整然と書かれたノートは、復習の際の時間と労力の節約になり、誤りの発見、修正するときに
  大いに役に立つ。

3.以上のような外的条件を整えたうえで、雑念を排除して一つの問題に集中して考えるよう
  習慣づける。集中力は天性のものではなく、あとからの訓練によって養われる。
  
4.注意力の集中は、記憶を増強するばかりでなく、思考のためにも必要な要件である。

5.数学の問題を考えること、良質な探偵小説を読むこと、麻雀、トランプ、碁、将棋は思考力を
  増強する訓練となる。

6.思考力と記憶力とは互いに助け合う関係になる。
  なぜなら、人が思考するときには、自分が持つ知識の中から当面の問題に関連しそうなものを
  呼び起こし、これと対比、分析、総合して物事を考えるからである。
  豊富な知識(質の良い記憶)は、良い思考の一条件といえる。
  一方、思考は再生、更新、統合して、さらに質の良い知識として記憶される。つまり、多く考える
  ことは、多くを記憶する結果を生じることにもなる。

7.思考も読書も気分が大切で、どちらも気乗りしないときには効果が少ない。
   特に思考は気分の醸成が難しいので、考える気分にならないときは読書に向かうが良い。

8.思考に行き詰まったときは寝てしまうのが良い。一晩ぐっすり寝ると良い知恵が沸き、難問を
  簡単に解決できるような経験はよくあることである。

・英語のセンスを磨くには、文法を骨幹として教える。常用語を徹底的に反復練習する。英語は英語
 から直接理解する。その国の言葉で考えること。

・コミュニケーションを円滑にする十九か条

1.会話をするときは、おだやかで慎み深い話し方をし、言葉ははっきりと、態度は優雅であるように。
   くどくどしい話し方や、早口、大声は慎むこと。

2.会話の基本的なルールは、人を楽しませ、自らも交流を楽しみ、人の話を助けてわかりやすくし、
  人の話を傾聴し、その席にふさわしい話題に注意することである。また相手の話を遮らないようにする
  ことも大事である。

3.話題は、相手の年齢や知識の程度、境遇にふさわしいものを選ぶこと。決して他人を批評したり
  秘密などを語ってはいけない。

4.多人数を相手にするときは、共通の話題を選ぶこと、一部の人しか加われないような話をして、他の
  人たちを退屈させてはならない。

5.自分のことばかり話題にするな。人はともすれば自分の仕事や興味のあることばかりを話題にしがち
  だが、これは実に野暮な行為で、同席者に嫌われるだけでなく、自らの知識の乏しさを暴露するような
  ものである。

6.さしたる理由もないのに人前で私事を詳しく述べるのは、聞いていて気持ちのよいものではないので
  避けた方がよい。ただし、言わんとすることを証明するために語る必要がある場合は別である。

7.人の性癖や家庭内の事情を聞くことがあっても、みだりにそれをほかの席で話してはいけない。

8.集会の席で他人を指指してはいけない。

9.集会の席では、自分一人だけしゃべって話を独占したり、人の話に横から口を出したり、自らの才能
  や功名を誇ったりして、自分をひけらかすようなことをしてはならない。

10.集会の席で、他人の話を追及したり、誤りを指摘したり、ひそひそ話をしたりしてはいけない。
   また難解な用語、隠語など、みなが理解できないような言葉を用いてもいけない。
   これらの行為は、同席の人に非常に不快感を与えるからである。外国人が列席しているとき
   は、なるべくその国の言葉で話しかけ楽しませるようにすること。

11.人を誹謗したり、嘲笑したりするのは、もとより慎むべきことである。
   しかし、相手を持ち上げすぎるのも見苦しい。また、卑猥な話題は、しかるべき地位や教養
   ある人として恥ずべきことである。

12.人と争ってはいけない。相手の意見が自分と異なるときは、いちいち反論せず、黙して同意
   しなければいいのである。

13.様々な立場の人が集まる席で、自分が親しくしている者を悪くいう人があったとしても、争い
   を仕掛けるようなことはしないほうがいいい。どうしても、弁護や弁解が必要な場合は、慎重に
   前後を考慮し、つとめて怒りの感情を抑制すべきである。

14.集会の席に遅れて途中から会話に参加した人には、それまで話していた内容を要領よく
   説明してあげるとよい。

15.いくら会話が楽しくても、興にのって我を忘れて長々と話したり、大声や奇声を発したりしないように。

16.滑稽な話や身ぶりは、座を盛り上げる一方で、思わぬ誤解から人を不快にさせることもあるので、
    できればやらない方がよい。ただし、淡白で知性や品性を感じられる諧謔は趣があるものである。

17.俗っぽいたとえやことわざは引用するな。学識のあるものは、そのようなものを用いなくても十分に
   自分の思うところを述べられるはずだ。

18.他人の意見を引用するときは、そのことをはっきり述べること。決して自分の意見のごとく装っては
   ならない。

19.相手の身分や立場によって、分別をわきまえること。目上の人に対して、友達のように接したり
   懐手したり、ものに寄りかかって室内を見渡したり、あくびをしたりするのはもってのほかである。

・知、徳、体3つのバランス

躾教育というものは、良い点を褒め、悪い点は戒め、正すことを連綿と続けることにより、よい習慣を
身につけさせることに始まる。躾の要はスリッパの脱ぎ方が整っているかどうかといった、日常生活の
ごく些細な点を見逃さないことにある。

幅広い教養と選ばれし者の責務を果たそうとする強い意志を持つことが紳士の条件である。

・リーダーに必要な4つの基本条件

1.将来多数の部下を指導することになる責務を自覚し、栄辱、利害を超越して修練に全力を尽くすべし。

2.苛烈な戦闘に備えて平素から心と体を鍛え、剛健な性格の陶冶に努むべし。将校の性格は戦闘を左右する。

3.あらゆる科目を好き嫌いなく習得し、実力の蓄積に最善の努力をすべし。現代の戦争は、精神力だけでなく
  科学力の戦いである。海軍兵学校の将校たるものは、複雑にして精巧な諸兵器を駆使するだけでなく、とき
  に応じて新兵器や新戦力を考案し、兵軍の心理をも洞察して、軍を統帥していかなければならない。

4.礼節を重んじた立ち居振る舞い、端正にして活発で規律ある容儀の習慣を養うとともに気品を貴び、
  下品な行いを戒め、洗練された風格品性の陶冶に努べし。将校として恥ずかしくない品位と風格とを
  身につけるためには、ただ外面上のことにとどまらず、内面にわたっても意を用いなければならない。

リーダーに求められるのは勤勉、剛健、端正、冷静である。

・新たな世界へ踏み出す5つの心得

1.立志とは何か?

物事をなすにはまず志を立てることである。

2.戦いを勝ち抜く3要素

戦に強い軍人の要素は剛健な体、優れた知能、充実した精神力である。
精神力とはあくまでもことを成し遂げずにはおかぬ頑張りのちからであり、人の心の動きを
知・情・意に分けるとすれば意のちからである。一切の力の源泉であるが、精神力さえあればよい
という考え方はよろしくない。

3.素直な人間であれ

4.高潔な人格を醸成せよ

人が見ていなくとも、自らを省みて、やましい心の微塵もない人間になれ。
恥を知ることの大切さ。

5.状況に左右されず冷静にことにあたれ

戦局に一喜一憂し、自分の足元を見失うようなことは決してあってはならない。
緊張感は必要だが、そのために気が滅入るようなことがあってはならない。
日々の課業に対して、あくまで冷静に落ち着いてあたることが大切である。

・チームワークを養う分隊制度

兵学校は艦隊に、分隊は艦船に例える。兵学校の単位体である分隊は、自治を
行うことによって、大きな統率に溶け込むのである。

組織は統率のとれた活動のなかでこそ、持てる力を十二分に発揮することができる。

上級生が下級生を1対1で指導するというのが基本。
①生徒一人一人に先生がいる。
②指導に遺漏がない様上級生も勉強する。
③画一的な教育ではなく、それぞれの生徒が個性に即した指導ができること。

相手を知る努力をする。

・我慢を強いるだけでは人は育たない

・五省 一日の終わりに自らを省みる

①不誠実な行動はなかったか

②言動に恥ずべき点はなかったか

③気力に欠けるところはなかったか

④悔いを残さぬよう、諦めずに努力したか

⑥不精をせず、最後まで物事に取り組んだのか

国家の攻防/興亡 佐藤優

元外務省情報局主任分析官による国際情勢分析。
気になった箇所のみ箇条書き。

・KGBは第一総局(外国担当)と第二総局(国内担当がある。
両者の人事交流はなく、事実上の別組織、第一総局は
 エリートとみなされている。外国人の協力者を獲得したりする
 工作に従事するので、外国語に堪能であり、外国人の心理や
  文化も学習し、できるだけ工作対象国的な理論を理解する
 ように努める。現在は第一総局がSVR(体外諜報庁)第二総局
 は第二総局がFSB(連邦保安庁)になっている。

・コーカサスの山岳民族であるアブハズ人はグルジア人とは
 不倶戴天の関係で敵の敵は味方であるという観点から
 親露感情が強い。アブハズ人は過半数がイスラム教徒であり
 残りはロシア正教徒である。伝統的にはチェチェン人との関係
 は良好である。ロシアからの分離独立闘争を支援するアブハズ
 人がいる。中東のイスラム過激派からアブハジア経由でチェチェン
 に武器や資金が流れている。ソチ五輪は対テロ闘争の強化の
 理由になっている。

・日本の国家体制が弱体化しているのは紛れもない事実だ。
 小泉前政権が推し進めた新自由主義政策の結果、このような
 事態が生じた。新自由主義は経済主体が行動するにあたって
 障害になる要素をすべて除去するという排除の思想である。
 排除の思想であるから、頭を使って何か難しい思想を構築する
 という作業は必要とされない。誰でも新自由主義者になれる。
 そして、新自由主義のゲームのルールは市場で勝利した者が
 成果を総取りすることになる。このような世界観の下では、個人
 と個別企業が全てであり、国家、地域共同体、宗教共同体などに
 意義を認めることができなくなってしまう。
 政治の機能は、市場だけに任せておくと貧富の格差が拡大して
 しまい、国民統合が弱くなるので、国家が経済に介入することで
 富の再分配を行うことだ。
 新自由主義が理念的に指向するのは、規制緩和でなく無規制
 小さな政府ではなく無政府状態なのである。新自由主義は本質的
 に国家を弱体化し、政治を忌避する性格を帯びている。

・日本の政局を安定させるためには、明確な国家路線を打ち立てる
 必要がある。新自由主義に依存するならば、日本国民の統合は
 解体し、日本国家が内側から崩れるという危機意識を政治エリート
 は持つ必要がある。

・ロシアの国家路線はユーラシア主義である。
 ヨーロッパとアジアにまたがるロシアは、地政学的に独自の空間で
 あり、独自の発展の法則を持つ。

・ロシアの大統領は極めて強い権力を持っている。
また権力の中心が院政のような形で不透明になることに対する
 インテリの反発が強い。ロシアで政権が転覆するような状況が
 生じる前にはインテリが政治的に活発化する。
 権力はポストにつくというのがロシアの政治文化である。

・レーニンは帝国主義について、商品の輸出ではなく資本の輸出が
 中心となる資本主義の最高段階という規定をした。
 帝国主義の時代には国家と資本が結びつく。19世紀~20世紀の
 帝国主義時代は植民地獲得競争に奔走した。その方が国富が増大
 すると思ったからだ。実際問題、植民地を維持することには思った
 よりコストがかかった。そこで、植民地化することなしに、現地企業
 との提携や多国籍企業の形態で、各国は自国の影響力を拡大
 しようとする。いずれにせよ帝国主義の時代には、各国がまず
 自らの利害を露骨に主張し、その上で折り合いをつける勢力均衡
 外交が展開される。

・日本の外務官僚はこの帝国主義時代に気がつかない。
 その理由は東西冷戦時代のイデオロギー外交の枠組みで国際情勢
 を見ているからだ。イデオロギー外交の時代ならば日中対立の際は
 必ずアメリカは日本を支持した。もう一つはグローバリゼーションに
 目を奪われてしまっているからだ。普遍的な価値観外交は限られた
 範囲内での話だ。

・米国も中国もロシアも自国強化の思想を確立している。
 アメリカはネオコンによる価値観外交、北朝鮮は先軍思想、中国は
 社会進化論による科学的発展観、ロシアは主権民主主義という
 ものを打ち出している。

・組織内部の人事情報は外交官やインテリジェンス機関員にとっては
 ヒューミント(人による情報収集)工作の基本になるのでとても重視
 する。誰と誰とが仲が良い、誰と誰とが仲が悪い、中国語、朝鮮語
 ができる職員は誰なのか。内部にいる人しかとれない情報は貴重
 である。

・SVR長官の訪朝により北朝鮮とSVRとのコリント(諜報協力)が展開
 できるようになれば、北朝鮮の外交能力は高まる。露朝が連携して
 日本の影響力低下を追求する可能性がある。

・そもそも歴史的に、米国はヨーロッパの宗教紛争や戦乱から逃れて
 きた人々によって建国された国家である。それだから米州以外の
 国際問題に関与しないという孤立主義が米国の基本的な国家戦略
 だった。それを打ち破ったのが日本による真珠湾攻撃だ。

・冷戦後、米国に対する3種類の敵がイスラム世界に現れた。
 一つ目はサダムフセイン大統領の独裁下のイラクのように民主主義
 的な価値観を正面から対抗する国家。第二はスンニ派による
 イスラム原理主義過激派だ。アルカイダネットワークなどがそれである。
 第三はシーア派のイスラム原理主義だ。この勢力はイランで権力を
 握っている。

・シェール革命が順調に進むと、米国が外国に依存せずにエネルギーを
 確保できるような状態になる。その時、米国で再び孤立主義的傾向が
 台頭する可能性が十分ある。米国が中東に関与しなくなった場合は
 イスラム原理主義過激派の影響が確実に強まる。またイランの影響力
 も強まる。ベルシャ系のイランとアラブ諸国との軋轢は一層強まる。
 ホルムズ海峡も米国の関与がなくなると安全が保障されなくなる。
 そのような状況だと石油の安定供給が難しくなる可能性がある。




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