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歴史と経済で読み解く世界と日本の未来

アベノミクスはリフレ派の影響が大きいと言われている。自分は一定の
成果があったと思っているのですが、そのリフレ政策を批判していると
いう点でこの本は価値があると思う。

著者は物事を見るにあたって、物事の本質とは何か?経済や経営だけ
ではなく、社会や身の回りなど広くその本質について考える。
哲学は物事の全体の構造を抽象的にわかりやすく取り出すことにある。
哲学を学べば考え方の源流がわかる。
2つ目は歴史的教訓をどのように活かすか。その出来事が起こった背景
条件、状況、その当時の人の価値観、その出来事が与える影響を分析
する。事象の背景には、当時の文化、人々の価値観、生活スタイルなど
様々な要素が絡んでいる。またその自分人物になりきる。
3つ目は自然科学の発想をどのように活かすか。
経済を俯瞰するとき、物理学、地質学、気象学の知識を使ったりする。
自然科学ではありえないことが経済では起こる。

経済をみるうえで2000年以前と2001年以降で分けて考える。
2001年中国がWTOの加盟し資本主義社会に入ってきた。
13億人が安い労働力として資本主義社会に入ってきた。
同時に全体の成長率が引き上げられた。ただし、それが先進国の
生活水準向上にはつながっていない。

2014年以降米国では個人消費が3~4%伸びた。原油の下落で
実質賃金が伸びたからだ。低インフレの方が消費が伸びるという
ことが証明された。歴史的に見ても実際にデフレ時の9割近くが好況
だった。デフレと不況には因果関係はない。2014~15年日本は
個人消費が減少したが、要因は消費増税だけではなく輸入インフレ
である。グローバル経済下で通貨安政策をとると国民の実質所得は
減る。ではどのくらいの為替相場いいかというと、購買力平価で見る。
そうすると1ドル=97~99円が適正ということになる。

インフレやデフレは好況不況の経済現象の結果であって、好況や
不況の原因にはならない。

小さな政府にするほど格差は拡大されてきた。
そして中間層が疲弊する国は衰退する。中間層を復活させるには
世界全体で賃金が低い国をなくしていくということだ。

日本の組織は共同体意識が強い。共同体の財産を保有しておこう
という気持ちが強く出る。だから内部留保をどんどん増やす。
企業は銀行を信用できないうえ、次の不景気に備える必要がある
から利益が大幅に増えても従業員に大盤振る舞いはできない。
少子高齢化社会なのだから大規模設備投資はできない。

マイナス金利が不動産市場を歪ませている。

アメリカのTPPの狙いは中国を経済的、軍事的に封じ込め、米国
中心の安全保障を保ち続けることである。

多くの暴動の原因は食料価格の高騰にある。インフレが社会不安
を招いてきた。アラブの春のきっかけは小麦の高騰。天安門事件
フランス革命もそうである。

中国は歴史的にみて明の時代、それ以前から朱子学があり、それ
に則って官僚は動いてきた。朱子学は金銭や商売といったものを
馬鹿にしている。それが根底にあるから経済の敵である。
宋が崩壊して金や元の漢民族以外の民族に支配される。
文明国が野蛮人に滅ぼされた。そうした背景から朱子学は生まれた。
極めて排他的かつ独善的であり、学問をしている立派な人と目先の
商いをしている卑しい商人と区別しようとした。漢民族こそ世界一
優秀であり、侵略者の遊牧民は下劣な民族だと朱熹は恨みを込めた。
立派な人そうでない人を区別するために科挙試験を行った。
選ばれたエリートが愚かな大衆を指導しなければならない。
愚かな大衆に自由を与えたらろくなことはしない。これが朱子学の
コンセプトである。

中国の王朝のほとんどは農民と宗教によって滅ぼされている。
宗教によって庶民が団結することを中国共産党政権は恐れている。

目に見えないものしか信じない儒教。倫理の基本となるのは両親が
いたら自分がいるということ。先祖が決めたことは変えてはいけない。
排他的な思想を持つ朱子学は国の発展を阻害する。朱子学的な古い
体制を維持しようとする中国は内政統治に失敗し、大混乱をきたす
おそれがかなりある。

中国と欧米とでは歴史観も時間軸も全く違う。習近平は清王朝の
大版図の時間軸を基準にしている。欧米は国際社会が始まった頃
ウエストファリア体制だったりする。また植民地獲得政策においては
中国の時間軸はかなりずれている。

韓国は朱子学の社会である。
自分たちの真のオリジナルというものは一切評価しない。
朱子学は排他的で外国を馬鹿にする思想を儒教に盛り込んだ。
野蛮人がそんなものを考えるはずがない。だからすべて韓国発祥
になる。

ユーロの最大の問題点は生産性、価値観が違う国の通貨統合は
こんなんであるということだ。生産性の格差はそれぞれの国々の
労働に対する価値観の違いによって表れている。

長期的な不況に陥ったとき、早々に立ち直るのはプロテスタントの
国である。ずっと低迷するのはカトリックの国。民族性や信仰している
宗教、歴史的に持っている価値観が経済の好・不調に大きく影響
している。

イスラム教のカダルという考え方は、この世で起こることは全て天命
である。天命だから逆らってはいけない。個人や法人の契約をどう
やって守らせるかについて保証がない。資本主義とはなかなか相容
れないものである。

国家にとってエネルギー確保は死活問題。問題が解決すれば世界は
平和になる。

日本人は禅の精神を持っている。
禅というのは日常あらゆることを真面目にやるのが修行である。
これが日本の勤労観になっている。また天皇の前では皆平等である
という考え方は民主主義を生む土台になっている。

歴史を学ぶうえで大切なのは疑問を持つことだ。
疑問を常に出発点においておく。知識がなければ応用もできない。
知識を詰め込むことはある意味大事である。

経済を考える上でその背景にあるもの、宗教、哲学まで掘り下げる
アプローチがこの本の面白いさです。経済政策においてインフレか
デフレかが重要なのではなく実質賃金で見るというのは大いに共感
することである。ただ規制緩和やグローバル化、無駄な公共事業など
それこそ事実とは違うアプローチがあるのは気になります。

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