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結局、勝ち続けるアメリカ経済、一人負けする中国経済 武者陵司

本書の主張はアメリカの卓越した経済力が一段と強化されている
ので、アメリカが決意さえすれば、アメリカ主導の世界秩序再構築
の可能性は高いというものである。

アメリカ経済のすごいのは技術革新、イノベーションを次々と生む
活力である。Google、apple、Amazonなど次々登場し、インターネット
サイバー空間を作り、ビジネスと人々の生活を一変させている。
この企業が作り出した価値を消費に落とし込む力、人々の生活向上
へつなげる力がある。

共産党一党独裁による専制体制を強化しながら経済発展を遂げ
世界の覇権国の座を狙う中国をいかに封じ込めるか。世界の技術
市場、資本のただ乗りフリーライドによって成長を遂げた中国は
アメリカによってフリーライドを禁止され、成長が期待できなくなる。
経済成長が止まる中進国の罠に陥ることは確実である。
そもそも中国に欠けているものは資本主義のDNAである。

トランプ政権の政策目標は➀強いアメリカ➁安全な世界③強い国内
雇用④それらを阻んでいる不公正の是正。トランプ政権に課せられた
使命はアメリカ帝国の再構築である。帝国主義とは戦前は植民地主義
であったが、戦後は国境の外に強い影響力を確保することで国益を
追求する明示的な国家戦略である。そうした狙いを持っているのが
米国と中国である。

米国では中国封じ込めの気運に満ちている。
ピーター・ナバロ氏の主張を見れば、米国の中国に対する見方がわかる。
➀共産党独裁政権の派遣追求は変わりようがない➁それが必然的に
米中衝突を引き起こす③それを回避するには、中国の軍事力増強の基礎
である経済力を弱め、他方でアメリカの国防力を増強し、中国がアメリカに
挑戦する意欲を未然削ぐ。といった点を主張している。

ドル高基調の基礎的条件が整いつつある。➀アメリカの経常収支の赤字
減少が顕著である➁アメリカの財政拡大、金融引き締めというポリシー
ミックスによってアメリカの金利が上昇する。強いドルこそ国益である。
➀国際分業で相互補完が確立し、米国の独占的支配力を持つ企業が
世界市場を傘下に収めている。安く買って高く売る交易条件が改善する。
➁トランプノミクスはインフレと金利上昇圧力を高める。ドル高は金利上昇
とインフレ抑制に必須③強いドルは世界を買い占めるのに有利④強いドル
がアメリカのプレゼンスを押し上げる。

世の中は価値創造⇒市場価格⇒実体経済⇒政治という4つの局面を経て
形作られている。実体経済と政治は密接な関係があり、それを支える下部
構造は価値創造と市場価格のメカニズムである。企業によって健全な価値
が生み出されていればマーケットは適正に評価をする。政治学者は為政者
が円滑に政治の意思決定プロセスを遂行できているかどうかという点から
政権を評価する。そして実体経済の善し悪しで世の中全体をみようとする。
これだと事の本質を見誤る可能性がある。

アメリカのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は歴史的高水準である。
➀インターネット革命に支えられた空前の企業収益➁世界最強のイノベー
ションに基づく産業競争力③低金利かつ潤沢な投資余力(=高貯蓄)
④健全化した財政⑤抑制されたインフレ。
情報機械化とグローバリゼーションによってインフレ率を大きく引き下げた。

アメリカ経済の好調はしばらく続く。➀アメリカ経済の成長の推進力はサー
ビス消費の増加にある。➁アメリカの住宅は平均GDP5%現在は3.8%
まだ伸びる余地がある③公的需要。財政赤字減少により伸ばせる余地
がある④信用循環 10年ごとのサイクルで2022年まで上昇基調である。

アメリカの製造業製品の輸出比率は10%、輸入依存度は80~90%である。
国際分業依存の構造であり、価格競争が起きにくい構造になっている。
だからドル高はむしろ米国にプラスになる。

過剰投資を行った中国で起こるこれからの清算過程は以下のようになる。
➀通貨危機から全般的な信用収縮に向かう金融危機
➁不動産バブルの破綻と企業破綻から失業が激増する経済危機
③雇用不安から共産党一党独裁への批判が高まる政治体制危機である。
3つの危機が起これば世界は直ちに混沌に投げ込まれる。

中国はこれからも様々な混乱に直面する。その最大の要因は中国の主義
思想が矛盾に満ちているからである。➀マルクス・レーニン主義と毛沢東
思想に基づいた共産主義➁トウ小平によって導入された資本主義、市場
経済③中華思想、儒教思想。これを持ち出して南シナ海、チベットを侵略。
こうした倒錯した価値観が混在するため、人々のビジネス行動や投資行動
において健全なモチベーションが育たないという問題を引き起こす。

中国経済の根本的な問題点は、健全な価値創造の仕組みができていない
ことである。

日本は現在収益を確保しているのは、デジタルを機能させるために必要
とされるインプット部分としてのセンサー、アウトプットとしてのアクチュエー
ター(駆動装置)の分野、デジタルの基礎をつくる素材である。
日本の得意分野である擦り合せが有効に働く分野。日本企業はこうした
ポジションにシフトすることで価格競争から脱し、技術や品質優位な分野
にビジネスモデルを特化している。

アメリカ経済の復活。中国経済の失速。米中対決の時代。米国による対中
封じ込め。著者は具体的なデーターを使って説明しているので非常に説得
力ある意見だと思います。
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