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自衛隊元最高幹部が教える経営学では学べない戦略の本質 折木良一

戦略とは企業あるいは事業の目的を達成するために
持続的な競争優位を確立すべく構造化されたアクション
プランである。明確な経営戦略を打ち出すことは勝ち組
企業になるための条件の一つである。企業が保有する
経営資源には限りがあり、選択と集中を考えなければ
ならない。戦略とは持続的な競争優位を確立するための
基本的な考え方のことであり、企業は戦略を策定する
ことで、何を行うのか、逆に何を行わないのかという
事業領域を明らかにできる。更には経営資源
ヒト・モノ・カネ投入の選択と集中が可能になり、
どのような自社の強みを磨けばよいのかということが
わかる。持続的な競争優位が何に基づくのかといえば
企業が商品やサービスとして提供する特別な価値で
ある。その価値とは絶対的ではなく、競合他社との
相対的なものにすぎない。

激しい環境変化のなかで特別な価値を提供しつづける
ためにはイノベーションを起こして相対的な優位を維持
する経営戦略を考え、それを自社資源で実現可能な
事業計画や部・課・プロジェクトチームといった現場の
アクションプランに落とし込まなければならない。
そうした計画の最上位に位置するのが経営戦略という
わけです。

経営戦略の策定は経営理念とビジョンから始まる。
経営理念とは自社がどのような企業になりたいのか
という理想や社会における存在意義を抽象的に
表したものであり、これはたとえ経営者が代わっても
通常一貫したものである。ビジョンとはある時点まで
こうなっていたいと考える到達点であり、近未来の
姿や経営哲学などである。

この2つを踏まえたうえで社会情勢や業界などの
外部環境分析、自社企業の内部環境分析がある。
内と外の動きを踏まえたうえで戦略オプションをつ
くっていく。

戦略をつくるために考え出された戦略ではなく、相手
に勝つという戦略の本義を完遂するために何が重要
なのか考える必要がある。

①軍事戦略を知らずに戦略は語れない。

②有事でも確実に戦略を実行する方法論がない。

③地政学・地経学的リスクへの感度が低い。

④日本人の集合的無意識を意識していない。

⑤戦力回復で生産性をあげる視点がない。

戦史研究こそ戦略論のケースメソッドである。
戦略については特にその実行に際し、リーダーの
資質が大きく関係してくる。戦略は現場で実行され
かつ成果をあげて初めて価値を生み出す。
現場が戦略的に動き出してこそ、その戦略は正し
かったと初めて言える。

軍事戦略、作戦を立てる時に自衛隊がまず行う
のは現状認識のための情勢見積もりである。
情勢見積もりの目的は相手を知ることである。
相手の能力と意志を見極める必要がある。
さらにそこでは相手の立場に立って考える。
戦略レベルの見積もりとなると、相手の指導者の
生い立ちや性格、考え方といった情報も見積もり
要素になる。作戦レベルの見積もりは情報見積もり
という。

情報担当は相手についての情報資料を収集した
うえで、最終的には、それを目的、現状認識、考えら
れるオプションの列挙、考えられるオプションの分析
考えられるオプションの結論という形に整理し、処理
された情報を指揮官に報告する。生の情報をそのまま
あげることはしない。指揮官に上げる情報は指揮官が
何かを判断するためという目的に沿った情報である。
情報担当は指揮官が何を考え、何を判断しなくては
いけないかという目的を真っ先に考える。
もちろん指揮官は指揮官で自身の判断材料として
必要となるのはこういう情報だという要求をスタッフに
行う。

間接情報を出すのはミドルリーダーだ。だからそこが
機能するかどうかが大きなポイントになる。
ミドルの人たちは現場も見えているし、トップとも直接
パイプがある。現場の一次情報もとれるし、経営の
一次情報もとれる。

戦略立案で決定的に重要なのは情報と作戦の
バランスである。指揮官に相手に関する情報を提供
するのが、情報担当である。一方で自分はどうすべき
か考えるのが作戦担当である。作戦担当は自分たち
が戦略レベルで相手に対して何がしたいのか、あるい
は作戦・戦術レベルでどのように振る舞うのかなど、
オプションで指揮官に示す。作戦担当は自ら見積もった
戦略・作戦を情報担当が見積もった成果を踏まえた
うえで、相手がどのような動きや手段に出てくるのか
分析、比較しながら更に戦略を練り上げていきます。
この情報と作戦のバランスこそ戦略を考えるうえで
決定的に重要になる。

ミッドウェイ海戦やガダルカナル島における日本軍の
失敗は情報課に比べて作戦課の力が強かったため
敵の出方をほとんど考慮されなく、自軍のやりたい
ことを優先してしまった傾向が生まれたことからきて
いるといえる。ガダルカナルでは戦力の選択と集中
を行わず、相手の状況を把握せず逐次投入という
愚策を行った。ミッドウェイは敵機動部隊の動きを
全く把握していなかった。発見しても反応は鈍かった。

状況が複雑ではない訓練であるならば、PDCA
サイクルの考え方を適用し、訓練成果を積み上げて
いく。現実の戦いを想定した場合、あらゆる状況が
生起し、それが絶えず変化する。そこで重視するのが
IDAサイクルである。Infomation(情報)Decision
(決心)Action(実行)サイクルである。
実際の場面では試行錯誤の連続である。
情報は絶えず変化し、状況が限りなく不明な情報と
数ある作戦を勘案して決心して実行する。
事前の周到な見積もりを行い、計画の段階で戦略や
作戦を綿密に準備しているからこそ、局面が変化して
も対応していける。OODAサイクルというのが米軍
にはある。Observe(観察)よく観察して状況を判断
して方向付けを行い(Orinent)決心(Decide)して
行動する(Action)というサイクル。状況を判断して
方向づけを行うOrientの部分が情報の部分である。
このサイクルの中でも最も重要である。

いかなる組織においても戦略を実行するのは人
である。

組織を育成していく責任者が指揮官であり、その
意図を理解し、現場に徹底し、実行していく原動力
そのものが中間管理者である。ことあるときに生死
を共にする組織である自衛隊において統率の根本
は指揮官と部下の相互信頼である。指揮官は自ら
の任務と部下に対する責任があり、部下は指揮官
に対しての任務を全うする責任がある。お互いが
それぞれの任務を遂行することによって、お互いの
信頼感が生まれる。

①リーダーの使命感と情熱が部下との信頼関係を
  築く。リーダーの任務に対する使命感。組織を
  いかに強く育てていくかという情熱、これが部下
 との信頼関係の基礎である。

②達成すべき任務の重要性・意義を認識させる。
 組織全体が進むべき方向や自分の立場、役割を
 しっかり認識させ、理解させることによって、やる
 べきことが明確になる。

③話を聞いてやる。

④現場のことは現場に任せる。そして権限を与える。

⑤指導は性善説で行う。
  人間は誰でも信頼されれば成長します。

相手の能力と意志を過剰に意識したままで状況を
判断すると、結果的にひどい過ちを犯すことになる。
相手の能力と意志もまたいま置かれている世界の
基盤的環境の影響を受けるからである。その変化
自体について考えなければならない。

地政学とは国家が行う政治行動を地理的環境、条件
と結びつけて考える学問である。これに加えて複雑系
をベースに新しい視座を手に入れるべきであるという
主張がある。複雑化した世界情勢を理解するには
接続性をベースにした新しい解釈が必要であり、インフラ
による都市間の接続性が新しい国際秩序をつくる。
技術革新で地理はかつてのような意味を持たなくなった。
航空路、鉄道網、道路網、シーレーン、パイプライン
高速インターネット、そしてサプライチェーンなど、いかに
効率よく接続が実現できているかがカギになる。
サプライチェーンこそが新しい前提であるという考え方
である。接続性は運輸、エネルギー、コミュニケーション
のネットワークである。中国の一帯一路もこうした考え方
から出てきている。

日本人の集合的無意識、安保、経営における他者依存性
は問題である。

休むことで戦略の成功確率は上げられる。
①ぐっすり一晩眠れば疲れがとれる。
②イライラし、不安になりやすい。同じ出来事でも疲れやすさ
 が2倍になる。
③心身に病気の症状が現れる。元気な時より三倍傷つき
 やすくなる。回復にも三倍の時間がかかる。

第一の自信 できるという自信
第二の自信 自分の体力や生き方に対する自信
第三の自信 守ってくれる仲間がいる。愛されている。
         必要とされているという自信。

睡眠時間の長短はパフォーマンスに大きく影響する。
8時間睡眠を続けるグループは認知機能の低下、運動
能力の低下は見られない、6時間睡眠を続けると
2日連続で徹夜を続けたパフォーマンスになる。


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